2012年12月
« 11月   1月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

ブログ

選挙と民主主義(第10編)~マニフェスト(政権公約)は空手形か?

2012年12月15日ニュース

 今回の衆議院選挙は、大小12の政党が480の議席(小選挙区300、比例区180)を争う乱戦模様になっています。今回の選挙では、「原発」、「消費増税」、「社会保障政策」、「TPP(環太平洋経済連携協定)」、「議員定数削減」が大きな争点になっています。これらの争点に対する各党の政策スタンスを比べてみると、「する、しない」とはっきりした姿勢を示す政策もあれば、「するけれども、ただし…」、「しないけれども、ただし…」といったどっちつかずの政策もあります。このどっちつかずの政策スタンスは政権獲得を意識した政党に見られる傾向です。世論が二分する政策について、賛成派・反対派の両方から支持を得ようという意図が透けて見えます。

 また、各政党のマニフェストに共通している点は、①個々の政策について、その目的と実施方法・期限・財源などの指標を明確にされていない、②期限や財源などが必要な政策について、判断の基礎となる具体的な数値等を算定し目標数値を設定していないなど、本来マニフェストに盛り込むべき項目が入っていないことです。具体性のない、有権者の受けを狙ったスローガンで終わっているように思えます。

 実はこれには訳があります。前回の衆議選(2009年8月実施)での民主党のマニフェストが反面教師になっているからです。前回の選挙での民主党のマニフェストは、必要事項を漏れなく盛り込んだ、マニフェストの模範解答になるような内容でしたが、財源の裏付けがなかったため実現できた政策は一部しかありません。事業仕分けなどにより歳出の無駄をなくして生み出すとしていた財源を確保できなかったからです。自民党からは「マニフェスト詐欺」と批判されました。

 一方、今回の選挙で政権を獲得すると予想されている自民党は、「マニフェスト」という言葉を使わず「政権公約」という名称を使っています。また、民主党の轍を踏まないよう期限・財源などの具体的な記述はありません。あまり詳しく書くと、できなかった時の言い訳ができなくなるからです。逆に民主党から「マニフェスト詐欺」と言われないための予防線を張っているように思えます。
 人気取りを意識した美辞麗句で飾られた政策や具体性のない政策を信用することはできません。今回も空手形や不渡り手形になるのではないかと危惧しています。
※参考文献:ウィキペディアフリー百科辞典

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者