政局短信9~あがの市民病院3年連続の赤字 27年度は約5億円の赤字見込み!
地元地方紙「新潟日報」が昨日(2月25日)の朝刊(写真)で伝えたところによれば、
・24日に開催された市議会「新病院・地域医療に関する特別委員会」で、昨年10月に建て替えられてオープンしたあがの市民病院の2015年度の決算見込額が3年連続の赤字になることが明らかになった。
・入院患者の減少や、新病院開院時の旧水原郷病院との平行稼働による施設コストの増加、新病院開院時の医薬品購入費増加などが原因で、総収入から総支出を差し引いた純損失は4億9483円となる。
市議をしている弟から見せてもらった「あがの市民病院の決算(見込)の状況」を分析すると次のことが分かる。
前年度(平成27年度)の決算額と今年度(平成28年度)の決算見込みを比較して、
1.事業収益(収入)の伸び(6.4%)に対して事業費用(支出)の伸び(16.0%)が高くなったため収支で約5億円の赤字となった。
2.事業費用の伸びには、新病院開院に伴う材料費や設備関係費の増高が主な原因
3.事業収益の伸びが低いのは、その他事業収益(老人保健施設「五頭の里」収益)が26年度と比較して1千百万円以上減収になったのが原因
※老人保健施設収益の減収については、資料には「市内に新たに特養施設が開院した影響で、入所者の確保い伸び悩んでいることや…」と書いてある。
私は、3番目の老人保健施設収益の減収に注目している。病院に併設されている「五頭の里」の入所者が昨年10月頃に旧安田高校跡地に建設された特養施設「かがやき苑」(ベッド数100床)に流れたものと見ている。田中清善市長は特養待機者が170人にいるとの単純な理由から、第5期介護保険事業計画を変更して特養増設(170床増床)を決めたが、27年度から特養への入所基準が要介護度3以上に引き上げられた。このため、この特養施設「かがやき苑」が入所者を確保するため、「あがの市民病院」の老健施設「五頭の里」から入所者の引き抜きを行ったものと考えている。過剰な特養施設の増設が「あがの市民病院」の収支の悪化を招いたのは皮肉な結末だ。
(代表 天野 市栄)