〔レジュメ〕
〇はじめに
〇政治と行政の関係
・「公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられたと思っている」
〇公益よりも私益を優先する政治
・みんなの幸せよりも自分の幸せが第一!
〇首長が持つ二つの財布(カネ)
・「税金」と「政治献金」、「入口は厳しく、出口は甘く」
〇農業と建設業の親和性(土地改良事業)
・税金に依存した地方の産業構造
〇政治屋(ポリテンション)と政治家(ステーツマン)
・「次の選挙」(短期)か「次の世代か」(長期)
〇義理と人情の地方選挙
・「理念(政策)」よりも「感情・打算」が支配
・投票率低下が誘発する利権政治の危険
〇有権者と政治家の関係
「子は親の鏡、親は子の鑑」
〇おわりに
はじめに
皆さまにおかれましては、休日のお休みのところ、また猛暑のなか、ご参加を頂きありがとうございます。今ほど、「英進堂」書店さんの諸橋店長さんからご説明頂いたとおり、こちらの店舗が10月に、同じ秋葉区内ですが、移転することになりまして、こちらの店舗での営業が9月5日までということで「さよならイベント」を開催することとなりました。この「さよならイベント」の一環として、私の著書であります「廃屋の町」の刊行記念講演会を加えていただきました。こちらに「英進堂」書店さんが作成した「さよならイベント」のチラシがありますが、大変綺麗に仕上がっています。最初に開催する企画として、「橘左京『廃屋の町』刊行記念講演会」という、大変、格調高いタイトルを入れていだたきました。改めて、このような機会を提供いただいた「英進堂」の諸橋店長さんには感謝を申し上げる次第でございます。
一方、私が自宅のパソコンを使って作成した案内チラシがこちらです。私の知人・友人の方には、英進堂さんのチラシと一緒にこちらのチラシも併せて配布しました。「トークℬサイン会」というタイトルになっています。トークの方は「政治とカネ」という生々しいテーマになっていますが、「政治とカネ」という言葉を聞いて連想される幾つかの事件が思い出されます。いずれも当時のマスコミに大きく取り上げられ国民的関心事となった事件です。
〇「ロッキード事件」(1976年)
内閣総理大臣だった田中角栄が全日空の新機種導入にからみ、受託収賄と外国為替・外国貿易管理法違反の疑いで逮捕された事件
〇リクルート事件(1988年)
株式会社リクルートが関連会社リクルート・コスモス社(当時)の未公開株を店頭公開前に大物政治家に譲渡していた贈賄事件
〇ゼネコン汚職事件(1993年)
ゼネコン各社から中央及び地方政界に多額の賄賂が送られていた事件。金丸信元自民党副総裁の脱税事件で押収された資料をきっかけになり明らかになった。
〇日歯連闇献金事件(2004年)
自民党橋本派が日本歯科医師会の臼田貞夫会長から1億円の献金を受け取りながら収支報告書に記載しなかったため、政治資金規正法違反に問われた事件
〇西松建設事件(2008年)
西松建設のOBなどを代表とした政治団体を通じて大物政治家などへの違法な献金が行われた容疑で西松建設幹部と国会議員秘書など計5人が立件された事件
「政治とカネ」については私自身の体験や公知の事実を織り交ぜながら、私の考えや見解をお話したいと思います。
なぜ、こちらの書店で講演会をやるのかについて、少し説明したいと思います。この「廃屋の町」は今年5月に文芸社から出版され、文芸社と提携している全国の書店に1冊ずつ配本されました。新潟県内の書店では長岡市内と新潟市内の4店舗に配本され、「紀伊國屋」さんと「英進堂」さんの2店舗に5冊ずつ、他の2店舗には1冊ずつ配本されました。たまたま私の勤務先が秋葉区内にあったことから、私の著書がどんな状態で陳列されているのか気になって、こちらの書店に確認に行きました。店内の中ほどに文芸社のコーナーがあって、そちらに、私の著書が5冊平積みに置かれていました。早速、店長さんに声を掛けて「私はA市の市長をやっていたBという者です。この本、私が書いたんです」と言って、勤務先の名刺を差し出しました。
店長さんは最初、怪訝な顔で私が差し出した名刺をじーと見た後、「あーそうなんですか!」という返答が帰ってきました。「廃屋の町」は実名を伏せて、「橘 左京」というペンネームを使って執筆、出版しました。なぜ、実名を使わなかったかについてですが、実名は個人情報にあたりますし、また、作品の内容が犯罪に関わるストーリー展開になっています。犯罪といっても、殺しとか傷害といった事件ではなくて、政・官・業界の汚職に関わるものです。私の実名を出すことによって、私や家族に危害を及ぼす事態に発展しかねません。もちろん、この作品は小説、フィクション、作り話ですが、読んでいただいた方は感じていると思いますが、大変、リアリティーのある内容になっています。実際、この作品をお読みになった店長さんから「この作品はノンフィクション、実話ですか?」という感想をいただきました。私は「はい、半分は事実で、残り半分は事実に基づく推測です」と応えました。
ノンフィクションということになれば、新聞報道のように、作者の名前だけでなく、登場人物や地名も実名表示が基本だと考えています。内容についても、根拠のある、証拠によって裏付けされた事実でなければならないと考えています。そうでないと、実名を出された方から名誉棄損で訴えられる可能性があるからです。また、作品が犯罪に関わるストーリーになっていることから、帯文にある「真実は内側、裏側、後ろ側にある」ように、事実を裏付ける根拠や証拠は、通常、表に出ていることはなく裏側に隠れています。そのため、見つけ出すことは困難で、探索すれば身の危険をも覚悟しなければなりません。
前置きが長くなりましたが、レジュメに従って話を始めたいと思います。先程、お配りした資料、A4版のペーパが2枚、お手元にございますね。1枚目は「政治とカネ」と書いてあるペーパ、レジュメですね。2枚目は私がA市の市長をやっていた頃に、毎月発行される市の広報誌に載った市長エッセーです。インターネットをお使いの方なら、今でもA市のホームページにアクセスしていただくと私が書いたエッセー見ることができます。その中から2編を選んで載せました。一つは「全体の奉仕者」です。もう一つは「政治屋と政治家」です。いずれもこれからお話する「政治とカネ」に関連した事柄が書いてあります。
話を始める前に、皆さんにお願いしたいことがあります。私の実名公表は今回のイベントに限って解禁しました。私の実名に関しては、皆さんの「記憶」に留めていただく分には構いませんが、「記録」はご遠慮いただきと思います。レジュメにはペンネームの「橘左京」と書いてあります。ペンネームの前に「作家」という職業名を書くかどうか、正直、迷いました。現在は、保険の営業社員として生計を立てていますが、この本が沢山売れて、印税で飯を食べていけるようになれば、「作家 橘左京」と書けるのかなと思っていますが…。
私はこちら新潟市秋葉区の隣にありますA市の市長を1期4年間やっておりました。市長をやる前は県職員として約26年間、正確に申し上げますと25年と9か月間、県庁に勤めていました。事務職として県庁に採用された私は公共事業職場にも9年近く在籍していました。公共事業職場といっても「農業土木」の方です。農業土木については、「農業と建設業の親和性(土地改良事業)」で詳しくお話したと思います。現在は、生命保険の営業社員としての仕事をしています。「ええ!市長をやっていた人がどうして保険屋なの?」と疑問に感じている方もおられると思われますが、この点については、最後にお話ししたいと思います。
(作:橘 左京)
「真実は内側、裏側、後ろ側にある!元市長が明かす闇に隠れた真実!」
小説「廃屋の町」好評発売中!
※本書の購入を希望される方は、宣伝用チラシを印刷して書店に提示することで注文がスムーズ行えます。