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評論「政治とカネ」(第15回)

2018年12月5日ニュース

 次に、首長が持つ二つ目の財布、「政治献金」についてお話したいと思います。「政治献金」は、政治家個人や政党などの政治団体が行う政治活動の経費に充てるために個人や会社・労働組合などの団体、他の政治団体から受け取る寄附のことを言います。「政治献金」は政治資金規正法によって入口(収入)と出口(支出)が規制されています。余談になりますが、「規正」と「規制」、読みは同じ「キセイ」でも意味が違います。「規正」は規則に従って悪い点を正し改めることですし、「規制」は規則に従って物事を制限することです。
 
 最初に政治献金の入口について説明します。政治活動の主要な資金源である政治献金は政治資金規正法という規則(法律)によって、誰(寄附者)から誰(受領者)に対する寄附かによって制限を加えています。寄附者については、個人、会社(労働組合)などの団体、政党・政治資金団体、その他の政治団体の四者区分されています。受領者については、政党・政治資金団体、その他の政治団体、政治家の三者に区分されています。
 政治献金は寄附者が個人か団体かによって、「個人献金」と「団体献金」の二つに分類されます。「個人献金」は寄附者が個人(政治家本人を含む)で、「団体献金」は寄附者が会社(労働組合)など、政党・政治資金団体、その他の政治団体です。
規正法は寄附者に対する制限(同一者への年間寄附額)について規制しています。
 最初に「個人献金」についての規制です。政党・政治資金団体に対しては寄附額の制限はありませんが、その他の政治団体や政治家に対しては年間150万円までとなっています。次に「団体献金」ですが、寄附者と受領者によって、寄附額について「制限なし」、「制限あり」、「禁止」に区分されています。寄附者が会社(労働組合)などの団体の場合、政党・政治資金団体に対しては、団体の規模(資本金、組合員数)に応じて、年間の寄附額が750万円から1億円までの範囲となっていますが、その他の政治団体や政治家に対する寄附は禁止されています。寄附者が政党・政治資金団体の場合、受領者に関係なく、寄附額に制限が設けられていません。寄附者がその他の政治団体の場合、政党(政治資金団体)に対する寄附額の制限はありませんが、その他の政治団体に対しては年間5000万円までとなっています。政治家に対しては金銭による寄附は選挙運動に関する場合に限定されています。余談になりますが、政党や党内の派閥が所属議員に配る活動資金のことを餅代(年末に配る資金のこと、夏場に配る資金は「氷代」という)と言いますが、選挙の時期になると政党から公認候補者に支給される資金(団体献金)がこれにあたります。「個人献金」と比較して「団体献金」は複雑な仕組みになっています。このように「カネの入口」の一つである政治献金は寄附者と寄附額について、かなり厳しい規制が設けられています。
 政治献金(寄附)は政治団体が行う政治活動を支える主要な資金源ですが、この他に個人が負担する党費や会費、機関紙誌などの発行による収入、政治資金パーティーの開催収入、個人や金融機関からの借入金、政党本部から支部間への交付金などがあります。政治献金など政治団体が受け取る資金(収入)と支出(カネの出口)全て記帳され、政治資金収支報告書として、都道府県選挙管理委員会に届け出なければなりません。

 このように政治献金(カネの入口)は厳しく規制されているように思われますが、この規制が順守されているかどうかを検証する術がありません。選挙管理委員会に提出された政治資金収支報告書は計数の誤り、誤謬など記載内容についての形式的な審査を受けるだけで受理されてしまうからです。現職大臣(政治家)が関係している政治団体が談合や脱税で摘発された企業から政治献金(団体献金)を受けていたなどとして、時折、マスコミ報道によって公になることがありますが、事件が表に出てくると、関係する政治家からは「秘書(会計責任者)に任せていたので分からなかった」とか、「受け取った寄附は返還した(返還する)」とか、責任回避や見苦しい答弁が返ってきますが…。

 政党の政治活動を資金面で支えているのは政治献金だけではありません。「政党交付金」という公的資金(税金)もあります。1994年から始まった政党交付金は政党助成法に基づき政党の政治活動費に対して国が交付する政党交付金の原資は税金です。政党交付金を受けるには所属する国会議員(現職)が5人以上いることが条件になります。総務省が公表した平成30年度の政党交付金は総額287億円3073万円です。国民一人あたりの負担額でみると250円となっています。各政党に配分された政党交付金は次のとおりです。日本共産党は「企業団体献金禁止を名目に助成制度を作ったにもかかわらず、現在も企業団体献金を残しているのは有権者への裏切り」として政党助成制度の廃止を主張しており、助成金受け取り団体に登録していません。
 自由民主党        17,489,896千円
 立憲民主党         2,764,303千円
 希望の党          3,042,954千円
 公明党           2,948,431千円
 民進党           3,569,599千円 
 日本維新の会        1,309,363千円
 自由党            269,189千円
 社会民主党          369,947千円
 ※総務省公表資料から
(作:橘 左京)

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コモタウン新津 ホームセンタームサシ内
TEL.0250-24-1187

posted by 地域政党 日本新生 管理者

評論「政治とカネ」(第14回)

2018年12月2日ニュース

 「補助か単独か」、「公共か非公共か」で分類すると4つの組み合わせが出来上がります。この4つの組み合わせについて、ア首長の裁量権の有無(強・弱)、イ予算規模(大・中・小)、ウ資金(税金)の交付対象者のそれぞれについて分類します。
 最初に「公共/補助」からです。国の補助対象になっている公共事業ですが、首長は国に対して補助事業として採択申請をするかどうかを判断するだけで、それ以上の裁量権はありません。しかし、国からの補助金も含めて事業予算が編成されることから予算規模は大きくなります。一事業当たりの予算額が数10億円規模にもなることもあります。資金の交付対象者は施工業者です。工事を施工した建設業者が請負代金として受け取ります。
 次は「公共/単独」です。首長の裁量権が働く公共事業ですが、国からの補助がないため予算規模は補助事業と比べて小さくなります。一事業あたりの予算額も数千万円、小さい工事だと数百万円規模になります。資金の交付対象者は施工業者です。工事を施工した建設業者が請負代金として受け取りますが、金額は「公共/補助」よりも少なくなります。
 3番目に「非公共/補助」です。国の補助対象になっているソフト事業ですが、首長の裁量権は働きません。予算規模や一事業当たりの予算額は大きくなります。資金の交付対象者は要件に該当する全ての個人(住民)や団体(企業も含む)ですが、個人と団体とで対象者数を比較すれば圧倒的に個人の方が高くなります。
 最後に「非公共・単独」です。首長の裁量権が働くソフト事業ですが、予算規模や一事業当たりの予算額は「公共/単独」よりも小さくなります。資金の交付対象者は要件に該当する全ての個人(住民)や団体(企業も含む)です。しかし首長の意向次第で、個人と団体の配分比率を変えることも出来れば、特定の団体だけを交付対象にしたり、手厚く配分したりすることも可能です。個人と団体とで対象者数を比較すれば圧倒的に個人の方が多くなります。
 これらを表にまとめると次のとおりとなります。
[公共・補助]
ア首長の裁量権:無、弱
イ予算規模:大 首長の裁量権:無、弱
ウ交付対象者、数:施工業者、数は少ない
[公共・単独]
ア首長の裁量権:有、強
イ予算規模:中、小
ウ交付対象者、数:施工業者、数は補助よりも多い
[非公共・補助]
ア首長の裁量権:無、弱
イ予算規模:大
ウ交付対象者、数:要件に該当する個人や団体(企業も含む)、数は多い
※個人が圧倒的に多い。
[非公共・単独]
ア首長の裁量権:有、強
イ予算規模:大
ウ交付対象者、数:要件に該当する個人や団体(企業も含む)、数は補助よりも少ない。
 ※首長の意向によって、個人と団体の配分比率を変更、特定の団体だけを交付対象にしたり、手厚く配分したりすることも可能

 予算編成時期(地方自体の場合、政府予算案が示された年明け後)になると、様々な団体による予算陳情が行われます。予算陳情には必ず関係する議員が紹介議員として同席します。都道府県や政令市・県庁所在市の予算陳情はマスコミ報道されることが慣例になっているようです。
 予算の陳情を受けた首長は「検討します」、「配慮します」などと答えますが、裁量的経費(「公共・単独」や「非公共・単独」)については、首長を支持する与党議員(与党会派)や支持団体との間で行われる水面下での調整で決まります。というのは、非公式の場(秘密の会合)で調整が行われるということです。昼間であれば首長の執務室ですし、夜間であれば宴席が多いようです。執務室では秘書など職員は所払いされます。宴席であれば料亭の個室です。秘密の会合は外部からは遮断された場所(料亭など)で行われ、会合には首長と首長を支持する議員や支持団体の代表など関係者しかいません。ドラマや映画でよく見かけるシーンですね。
(作:橘 左京)

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