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選挙と民主主義(第2編)~低投票率と代議制民主主義の危機

2012年11月26日ニュース

 「代議制民主主義」は、国民など国家や集団の構成員が、選挙によって自らの代表者を選んで、その者に権力の行使を委ねることにより、構成員を間接的に政治に参加させその意思を反映させる政治制度です。近年に見られる低い投票率による議席獲得が代議制の存立基盤を揺るがしています。満20歳以上の男女の普通選挙が始まった昭和21年からの衆議院選挙の投票率をみると、昭和36年の77.99%をピークに減り続けています。政権交代が行われた平成21年8月の投票率は69.28%でした。ちなみに最低の投票率は平成8年に行われた選挙で59.65%でした。また、平成21年8月の投票率を都道府県別にみると、一番高かったのが島根県で78.35%、一番低かったのが千葉県の64.87%で14ポイントもの開きがあります。問題なのは有権者の7割程度しか参加しない選挙において代表者が選出されている点です。

 国政選挙にとどまらず、私たちの生活に最も関係のある地方議会(都道府県、市区町村議会)の議員選挙ですら、国政選挙よりも低い投票率や無投票で代表者が選出されている事例が見受けられます。私が住む新潟県阿賀野市では先月(10月)21日に市議会議員選挙が行われましたが、投票率は67.68%で、4月に行われた市長選挙の投票率68.54%を1%近く下回る結果となりました。代議制民主主義の根幹を揺るがす非常事態が刻一刻と迫っていると感じるのは私だけでしょうか。

(代表 天野市栄)

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選挙と民主主義(第1編)~世論はマスメディアによって作られる(その2)

2012年11月25日ニュース

 メディアが行う各種の世論調査は、主にRDD方式(乱数番号法、Random Digit Dialing)で行われます。このRDD方式は、コンピュータで無作為に抽出した電話番号に電話をかけ、応答した相手に質問を行う方式で、従来の固定電話を対象として行なわれます。調査対象者数(サンプル数)はだいたい1500から2000人で、このサンプル数については統計学的にも妥当な数だそうですが、問題は調査対象の選定方法(サンプリング方法)です。第一に、固定電話を持っている人しか対象にしていない点です。近年、若者を中心に固定電話を持たず携帯電話しか持たない人が増えています。第二に、調査実施の時間帯です。平日の昼間に調査が行われれば、調査対象は高齢者・主婦・自営業者などが多くなり、日中、家に居ない勤労者は除外されてしまいます。このため、調査対象が年齢や職業などの階層に偏りが生じ、調査結果は「データの信頼性」や「結果の信頼性」が著しく低下したものとなります。

 
 また、世論調査を実施したメディアが自身のメディアを使って、その調査結果をトップで、または一面で伝えれば、その反響は極めて大きなものとなります。この報道を目にした多くの視聴者や読者は、調査結果があたかも有権者全体の意見や考え方を反映したものであると思い込み、投票行動が一定の方向へと導かれていくのです。メディアによる世論調査を実施する前の政局報道(仕込み)と調査結果の報道(仕上げ)により、いとも簡単に有権者の投票行動を方向付けることができるのです。日本は同質化社会のため、特にその傾向は強くなります。

 このように、「世論」は有権者の意見や考えを集約して作り上げた実像ではなく、マスメディアによって作り上げられた虚像でしかないのです。選挙の告示前ではありますが、早々と選挙結果(候補予定者の当落、政党の獲得議席数など)を予想する記事が週刊誌に掲載されています。メディアと視聴者・読者の間には情報の格差があり、一方は情報を保有し、他方は情報を保有していないという不均等な情報構造が形成されています(情報の非対称性)。

 繰り返しになりますが、メディアによる報道が有権者の投票行動を方向付けるほどに大きな影響力を持っていることを十分に認識すべきです。私たち有権者は、メディアが伝える報道を鵜呑みにすることなく、批判的・懐疑的に報道内容を分析し、自らの考え・結論を導き出すことが大事だと考えます。

(代表 天野市栄)

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選挙と民主主義(第1編)~世論はマスメディアによって作られる(その1)

2012年11月24日ニュース

 今年は、主要国で政治指導者(首脳)を選ぶ選挙が行われます。フランスやロシヤでは新しい首脳が誕生し、アメリカでは現職が再選されました。韓国でも間もなく大統領選挙が行われます。選挙ではありませんが先日、中国においても新しい指導者(総書記)が誕生しました。日本でも今月、衆議院が解散され、来月16日に衆議院議員選挙が行われます。政権政党が変われば首相が交代します。

 さて、国政選挙が近くなると、テレビや新聞などマスメディアによる世論調査が頻繁に行われます。世論調査は実施のタイミングが極めて重要で、政治に対する国民(有権者)の関心が高まってきた頃に実施するのが一番効果的です。すなわち有権者の関心が高い政策課題や政局についての事件報道があった後です。今回の衆議院解散に合わせて実施された世論調査では、安部自民党総裁との党首討論における野田首相の解散発言の報道がきっかけになりました。

 
 この種の事件報道が、結果的に世論調査を行うための「仕込み」や「撒餌(まきえ)」になってしまう危険性が極めて高いのです。報道機関が伝える内容は事実であっても真実とは限りません。また報道内容は事実の一面・一部分しか伝えていません。更には報道内容を補強するために、識者の意見や有権者の生の声を加えて報道することもあります。情報を掌握するメディアから一方的に流される報道が、情報を全く持たない視聴者や読者に与える影響力は大きく、特に、判断力や批判力に欠ける視聴者や読者の潜在意識に働きかけ、その後に行われる世論調査の回答を誘導してしまう危険性を常にはらんでいます。※次回に続く。

(代表 天野市栄)

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お待たせしました。本日より、ブログを再開します!

2012年11月23日ニュース

 熱心なブログファンの皆さまに対し、半年以上もブログを中断しておりましたことを心よりお詫び申し上げます。この間、政治の現場から離れながらも、日々刻々と変化する日本や世界の政治情勢を分析し、この国の政治が進むべき方向性を考察しておりました。政治の現場にいるときには、見えなかった事象が目に入り、聞こえなかった声も耳に入るようになりました。

 さて、現代は日本を含め世界政治の主流は民主主義です。先進国だけではなく中進国、後進国においても、民主化の動きが近年、活発化しています。ミャンマーの民主化運動や、2011年初頭から始まった、チュニジアやエジプト、リビアなど中東・北アフリカ地域の各国で起こった一連の民主化運動、いわゆる「アラブの春」は私たちの記憶に新しい出来事です。

 この民主主義について、イギリスの元首相チャーチルの名言があります。
 「民主主義は最悪の政治形態であると言える。ただし、これまで試されてきたいかなる政治制度を除けばだが。」
 この言葉は、人類の歴史の中で民主主義を上回る政治体制は存在していない。だからといって民主主義が最良の政治体制でもない、という意味です。すなわち、民主主義は未完成な政治体制で、常に堕落の可能性を含んでいるという警句になっています。ところで、私たちが民主主義を一番身近に感じる出来事が「選挙」です。次回からは「選挙と民主主義」をテーマにシリーズでお話します。

(代表 天野市栄)

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