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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第8話)

2016年12月30日ニュース

 東京スカイツリーは東京都墨田区に建設された電波塔だ。2012年5月に開業し、観光・商業施設やオフィスビルが併設され、ツリーを含め周辺施設は「東京スカイツリータウン」と呼ばれている。
 東京スカイツリーが営業を開始して4年余りが経ったが、平日にもかかわらずチケット売り場の前には長蛇の列ができていた。研一たちは最後列に並ぼうと係りの人にインターネットで購入した日時指定券を示したら別の窓口に案内された。長蛇の列は当日券の販売窓口に並ぶ人たちだった。しかも強風のため当日券の窓口が午後5時まで閉鎖されていた。
 研一は指定券の窓口前に並びながら、窓口の背後にある料金表のボードに目をやった。当日券よりも日時指定券の料金が高くなっていることに気づいた。コンサートや演劇のチケットの場合、当日券の方が高い料金設定になっていることが多い。それとは逆だ。どうしてだろう。研一はチケットをエレベータの搭乗券と交換する際に、窓口担当の人に聞いたところ、当日券と違って指定券の方が待ち時間なしで乗れるので料金が高くなっているという説明であった。
「時間が節約になる分、料金が割高になるということか。まさに時は金なりか。」研一は思わず頷いた。
「今、お父さんが言った『時は金なり』ってどういう意味。」すかさず弥生が研一に尋ねた。
「時間はお金のように貴重で有効なものだから、無駄にしてはダメだよ、って意味だよ。僕たちは前もってチケットを買っていたから、指定された時間になれば待たずに展望デッキ行きのエレベータに乗れるけれど、まだチケットを持っていない人は並ばないと買えないし、買うまでに時間がかかるってことだよ。しかも今日は強風のため5時までチケット売り場が閉まっているのでその間は買えないんだ。」研一が答えた。
「要するに、早くエレベータに乗れるので料金が高いってことね。」弥生は研一の説明に相槌を打った。
「大まかに言えばそうだね。」研一が言った。
 研一たちはチケットと交換した「シャトル搭乗券」を持って搭乗時刻を待った。程なく指定された時間となり展望デッキ行きのエレベータ(シャトル)に乗り込んだ。エレベータの扉が静かに閉まり上昇し始めた。揺れを全く感じることなくわずか1分足らずの時間で地上から350メートルにある展望デッキに到着した。展望デッキは3階構造になっていて上りのエレベータは最上階に着く。地上から634メートルのスカイツリーは世界一高い自立式電波塔としてギネスブックに掲載されている。展望デッキからは360度のパノラマが展開する。展望回廊からは眼下に広がる東京の街並みが見えた。
「お父さん、こっちの方向に富士山が見えるはずだけど今日は見えないね。」弥生が言った。
「そうだね。晴れていれば見えるはずなんだが、残念ながら見えないね。」研一は答えた。
「ほら、お父さん。あそこに赤と白のツートンカラーの鉄塔が見えるわ。もしかして東京タワーじゃないの。」弥生が言った。
「よく分かったね。あの鉄塔は東京タワーだよ。」研一が言った。
 東京タワーはスカイツリーができるまでの半世紀以上、国内の電波塔では首位の座を守ってきた。333メートルの東京タワーはエッフェル塔を超える高さで設計されたという。研一は修学旅行で初めて東京に来た時に東京タワーに上ったことを思い出した。地上から150メートルの大展望台から見えた、宝石箱のような東京の夜景が今でも忘れられない。
 展望回廊には記念写真の撮影コーナーが設置されていた。来年の年賀状にしようと、早速、3人の写真を撮ることにした。
「準備はいいですか。それでは撮ります。カメラに向かってスカイツリーって言ってください。はい、スカイツリー!」係りの人が大判のカメラを研一たちに向けて言った。
「カッシャ」シャッターを切る音がした。
 しばらくして六つ切りサイズの写真が出来上がった。この写真をスキャナーで取り込んで年賀状用の画像に加工することにした。家族の写真入り年賀状の作成は研一の仕事になっている。研一たちは展望デッキの3階から2階、1階へと降りて下りのエレベータに乗った。地上にある商業施設「東京ソラマチ」でお土産品を買った後、スカイツリーを後にした。
(作:橘 左京)

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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第7話)

2016年12月26日ニュース

浅草駅は上野駅から銀座線に乗って3つ目の駅だ。初めて地下鉄に乗車する弥生は興味津々だ。
研一たち3人が銀座線のホームで浅草行きの地下鉄を待っていると、3人の前を反対方向の電車が通り過ぎた。
「お父さん。どうして、地面の下に電車が走っているの。」弥生が研一に尋ねた。
「地下にトンネルを掘って、線路を敷いて電車を走らせているんだよ。」研一は答えた。
 この時、研一は「地下鉄の電車はどこから入れたの? それを考えていると一晩中眠られないの。」という地下鉄漫才コンビのギャグが頭に浮かんだ。
「お父さん。どうして、にやにやと笑っているの。」
「ううん、何でもないよ。」
 間もなくして、浅草行きの電車がホームに滑り込んだ。3人は車両に乗り込んで空いた席に腰を掛けた。平日ということもあって車内は鞄を持った会社員の姿が多く見られた。車両の天井から吊り下げられたポスターが並んでいる。東京勤務になってからは地下鉄を使って取引先に行くことが多い研一にとっては見慣れた光景であったが、弥生は興味深そうに中吊り広告を眺めていた。
「お父さん。天井からポスターがぶら下げっているけれど、あれって何なの。」弥生が研一に尋ねた。
「中吊り広告と言って、ポスターに週刊誌の見出しを書いて吊るしているんだよ。」研一は弥生に答えた。
 定期購読の新聞と違って店頭販売の週刊誌の場合、広告に力を入れている。読者を引き付けるような見出しで書かれた広告を中吊り広告や新聞に掲載している。研一は通勤に使っている地下鉄の中吊り広告に目が留まり、駅の売店で経済誌を買って読んだことがあった。研一の興味を引いたのが「米菓業界の海外戦略あれこれ」という見出しだった。国内市場がこれから先細りしていくなかで、米菓業界でも海外に進出する同業他社が出てきた。新潟県内に本社がある全国最大手が既に北米市場に進出している。業界中堅の研一の会社でも、つい最近、海外市場への進出について検討を始めたところだ。

 上野駅で研一たち3人を乗せた電車は、稲荷町、田原町を通って終着駅の浅草駅に到着した。地下のホームから階段を上って地上に出ると目の前に浅草のランドマークになっている雷門が見えた。
「お父さん、見て。大きな提灯がぶら下がっているよ。」
「雷門の提灯だよ。」研一が答えた。
 雷門は浅草寺の山門で、中央には大きな提灯が吊り下げられている。雷門の正式名称は「風神雷神」で、門に向かって右側に風神、左側に雷神が安置されている。雷門をバックに外国人観光客のグループが写真を撮っている。外国人観光客を乗せた人力車が雷門の前で止まった。入れ替わるように別の外国人ペアが人力車に乗り込んだ。どうやら雷門前が人力車の発着所になっているらしい。
「お父さん、あれ人力車じゃないの。テレビの時代劇で見たことがあるよ。」
初めて本物の人力車を見た弥生が驚いた様子で研一に尋ねた。
「車がなかった昔は、人力車に載せて人を運んだんだよ。」
大通りの中央を行き交う自動車と通りの端で車夫が引く人力車のミスマッチが何となく面白い。
 雷門をくぐって宝蔵門までの参道は仲見世通りと呼ばれ、参道の両脇には土産物、菓子などを売る露店が軒を並べている。雷おこしや人形焼きなどの和菓子やミニ提灯、鈴付きお守り、風鈴、箸、手ぬぐいなど多種多様な和風小物が店頭に陳列されている。和服姿の外国人観光客の一団が物珍しそうに和風小物を手に取って眺めている。クールジャパンに魅せられて訪日する外国人観光客が増えているようだ。研一は平成27年の訪日外国人観光客が2千万人近くになったという観光庁の発表した数字を思い出した。
 人形焼きのお店では試食ができるらしく、店先で数人が試食しながら品定めをしている。研一も人形焼きを試食したくなったが、由紀子の視線が気になった。
「お母さん。私も人形焼きが食べたい。」と弥生が言い出した。
「美味しそうね。」と言って由紀子が弥生と試食品を手に取って食べ始めた。
「美味しいわ。あなたもどうぞ。」
由紀子の許可が下りたことから、研一も試食用の人形焼きを口に入れた。
「本当だ。美味しいね。」
「お母さん、お土産に買っていこうよ。」弥生が由紀子に提案した。
「そうね。お参りした後、買って帰りましょう。」由紀子が答えた。
 宝蔵門をくぐると目の前に本堂が見えた。本堂の前にある大きな香炉の周りに人だかりができている。香炉からモクモクと舞い上がる煙を自分の体に掻き集めようと手を動かしている。研一たちも香炉に近寄った。
「お父さん、どうして線香の煙を体に掛けるの。」弥生が研一に尋ねた。
「体の悪い所に掛けると直りが良くなるという言い伝えがあるからだよ。」研一が答えた。
「私の体に悪い所はないけれど、もっと学校の勉強ができるようになりたいわ。」弥生が由紀子に向かって言った。
「煙を頭に掛けると頭が良くなって弥生の成績も上がるわよ。」由紀子が答えた。
 研一たちは香炉の煙を体中に振りかけた。本堂でお参りをした後、浅草駅から東部スカイツリーラインで1駅先にある東京スカイツリーに向かった。
(作:橘 左京)

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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第6話)

2016年12月16日ニュース

 8月上旬の金曜日。今日は由紀子と弥生が東京に遊びに来る日だ。研一は金曜日に有給休暇を取って土日を入れた三連休にした。由紀子と弥生を乗せた新幹線が午前11時半に上野駅に到着した。研一は新幹線のホームで由紀子と弥生が乗っている車両の入口付近で二人の到着を待っていた。車両のドアが開いて大勢の親子連れがホームに降りた。由紀子と弥生の姿を見つけた研一が、手を振りながら弥生に声を掛けた。
「弥生。こっちだよ。」
「あ、お父さんだ。」
由紀子と弥生が研一の立っている場所にやってきた。
「お疲れさま。今日の新幹線は混んでいなかった。」研一は由紀子に尋ねた。
「指定席を取っておいてよかったわ。自由席に入りきれない乗客が指定席の通路にまで入ってきたの。」由紀子が答えた。
「親子連れの乗客が多かったけれど、夏休みに入った子供たちが親と一緒に東京に遊びに来たみたいだね。」研一は話を続けた。
「そうなのよ。私たちが乗った8号車の乗客のほとんどは親子連れだったわ。」由紀子が答えた。

「お父さん。私、お腹がペコペコよ。お昼はどこで食べるの。」弥生が研一に尋ねた。
「上野公園にあるレストランでハヤシライスを食べよう。」研一が弥生に答えた。
 ハヤシライスは弥生の好きなメニューの一つで、家でも由紀子が時々、作ってくれる料理だ。上野駅の中央出口を出た三人は上野公園にあるレストランに向かった。このレストランの人気メニューがハヤシライスだ。研一が都内の大学に在学していた頃に、何度かこのレストランでハヤシライスを食べたことがあった。学生時代に食べたハヤシライスの味をもう一度楽しみたい、そんな思いでこのレストランを選んだ。
 三人がレストランに着くと入口には長い列ができていた。係りの人に待ち時間を聞くと、1時間近くになるとの返事だった。この後の日程を考えて、研一はハヤシライスを諦め、動物園の中でお昼を食べることに変更した。研一が考えていた今日の日程は、上野動物園、浅草、東京スカイツリーの順で見て回ることになっていた。
 
 研一たちは動物園内のファストフードでお昼をとった後、園内を回った。動物園は夏休みに入ったこともあって、大勢の親子連れで混雑していた。スマトラトラ、インドライオン、アジアゾウ、ジャイアントパンダなど上野動物園の人気動物を一通り見て回った。研一が初めて上野動物園を訪れたのは、中学3年生の修学旅行の時だった。日中国交正常化を記念して1972年に中国から上野動物園にジャイアントパンダの「カンカン」と「ランラン」が贈られ、当時は全国的なパンダブームに沸いていた。研一が上野動物園で初めて見た「カンカン」と「ランラン」は、厳重な警備態勢のもと、ガラス越しで見たパンダの姿であった。今でもパンダはこの動物園では一番の人気者らしく、パンダ舎の前には黒山の人だかりができていた。後ろからはパンダの姿は見えない。
「お父さん、後ろからじゃパンダ見えないよ。」
「分かったよ。」
研一は弥生を肩車に乗せた。これなら弥生もパンダの姿を見ることができる。
「お父さん、パンダが今、笹を食べているよ。」
 弥生はパンダの実物を見て喜んでいるようだ。テレビで放映される野生にいる動物と違って動物園で飼育されている動物はどこかのんびりしている。食物連鎖、弱肉強食の中で生きている野生動物には緊張感や張り詰めたような雰囲気があるが、動物園で飼育されている動物は食べ物の心配はいらない。食物連鎖の頂点にいるはずのライオンやトラを見ても猛獣としてのイメージとは程遠い。人気動物を中心に園内の動物を一通り見て回った三人は、上野動物園を出た後、地下鉄に乗って浅草に向かった。
(作:橘 左京)

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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第5話)

2016年12月12日ニュース

 夕食の食材が入った買物袋を持って社宅へ帰る道すがら赤提灯が見えた。会社帰りに時々立ち寄る居酒屋だ。今日は平日だが、研一は休日出勤の振替休日に充てていた。一日限りの休日だったこともあり、研一は帰省せずに社宅で休日を過ごしていた。
(ちょっと立ち寄ってみようかな。)
 居酒屋の暖簾をくぐって中に入ると数人のお客が入っていた。この店は椅子席のない立ち飲みの居酒屋だ。軽く飲んで家路に付くサラリーマンには都合のいい店なのかもしれない。今日も数人のスーツ姿のお客が入っている。
研一は顔なじみになった店の主人に「いつものお願いします。」と注文を入れる。
しばらくして、「はい、どうぞ。」と店主から差し出されたのは一合瓶の冷酒と焼き鳥三本のセットだった。
私服姿の研一に気づいた店主が、「山田さん。今日は会社、お休みですか。」
「ええ。振替休日で休みになりました。」。
「新潟には帰らなかったんですか。」
「はい。交通費も掛かるし、それに一日限りの休みですから、こっちで過ごすことにしました。」
山田は店主に答えた。

 居酒屋で軽く飲んだ後、研一は社宅へと向かった。社宅に帰った研一は夕食の支度を始めた。今晩は軽めの食事でいいな。由紀子からは、会社の飲み会などの宴席があった場合の細かい注意点を書いたメモも渡されている。このメモにはお酒を飲むときの心構えが五項目に渡って書いてある。
一、飲む前の心得
 ○チーズを食べる。
 ○牛乳を飲む。
二、飲んでいる間の心得
 ○野菜類などの植物性食品を多くとる。
 ○塩分控えめで食物繊維を多く含んだ食べ物をとる。
 ○たんぱく質の豊富な食べ物が好ましい。
 【おすすめのおつまみの例】
  焼き鳥、枝豆、サラダ、刺身、卵焼き、豆腐、チーズ、アサリの酒蒸し、しらすおろし
三、飲んだ後の心得
 ○果物を食べる。
 ○柑橘系の果汁が入った飲み物を飲む。(例:グレープフルーツジュース)
四、お酒の「適量」
 「節度ある適度な飲酒」を心がけ、週に二日は休肝日とすること。
 ○ビール…中びん1本
 ○日本酒…1合
 ○焼酎…0.61合
 ○ウイスキー…ダブル1杯
 ○ワイン…1/4本
 ○缶チューハイ1.5缶
五、御法度
 ○はしご酒
 ○仕上げのラーメン

 研一はこのメモを「五箇条の御誓文」と呼んで手帳に綴じて、時折り確認している。しかし四項目のお酒の「適量」については、家で飲む晩酌では厳守しているが、外での飲み会ではなかなか難しい。その代わりに、飲み会があった日の翌日と翌々日の二日間は休肝日にすることにしている。
(作:橘 左京)

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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第4話)

2016年12月10日ニュース

 研一が普段、買い物に利用しているお店は社宅近くにあるスーパーだ。このスーパーの菓子コーナーに研一の会社が製造・販売している「柿のタネ」をはじめ数種類の自社商品が棚に置かれている。お米のコーナーには新潟県産のコシヒカリも並んでいる。店内にあるお惣菜コーナーにはいろいろな種類のお惣菜がパック詰めでワゴンに並べられている。調理せずにそのまま食べられる気楽さだろうか、お惣菜コーナーには大勢の買い物客が集まっている。高齢化が進んで夫婦二人暮らしや一人暮らしのお年寄りが増えたのだろうか、お惣菜コーナーには高齢な女性の姿もみられる。研一のように一人暮らしの単身者向けなのだろうか、少量パックの惣菜が多いのに気づいた。研一は、この惣菜であれば食べ切りサイズと思い、好きなハンバーグに手を伸ばそうとするが、由紀子の顔が思い浮かび、直ぐに手を引っ込めてしまった。

 研一は、時間に余裕があるときは駅前の商店街で買い物をすることもある。商店街にあるお店にはスーパーにはない魅力がある。店員や店主との会話が楽しい。特に野菜・肉・魚など生鮮食品を扱う店の主人がプロの目利きを披露してくれる。
「お客さん。魚はね。目の澄んでいるもの、えらが鮮紅色のもの、全体がピンと張っていて、うろこがしっかり付いているものがいいよ。目が白かったり、充血しているものはやめておいた方がいいよ。どうだい。今朝、入った千葉県沖でとれたアジだ。刺身にできるほど新鮮だよ。」
「お客さん。牛肉は肉色が鮮やかな濃紅色で、表面につやのあるもの。 脂肪はクリームがかった白色で、赤身との境がはっきりとしているもの。豚肉は肉色が淡いピンク色で、表面につやのあるもの。 脂肪が真っ白で固いもの。鶏肉の方は胸の肉色は淡いピンク色、ももの方は濃いピンク色のもの。 表面に張りとつやがあるものがいいよ。パック入りの肉類は肉汁が出ていないものを選ぶこと。うちのはどれもおすすめ品だ。」
「お客さん。大根・人参・ジャガイモ・かぼちゃは、程よい大きさで、しっかりした重さのあるもの。色が鮮やかで均一のもの。 かぼちゃは実がしっかりと詰まっているものがいいよ。どうだいこのかぼちゃ、今朝入ったばかりの品だ。煮物にいいよ。わかめとひき肉を入れたそぼろ煮にすると美味しいよ。」

 こんな具合に店の主人が鮮度の高い食品の選び方やその食材を使った調理方法まで教えてくれる。 研一は店主から伝授された“目利き”をスーパーで生鮮食品を買う時に活用している。商店で買い物をするもう一つの利点は、必要な食品を必要な量だけ買うことができることだ。いわゆる量り売りである。確かに百グラムあたりの単価で比べるとスーパーで買う方が安くなるが、生鮮食料品のように鮮度が要求されるものを余分に買っても、結局、腐らせてしまう。

 研一がある八百屋の主人から聞いた話であるが、スーパーでは売れ残りの生鮮食品を揚げ物などの加工食品にして売りに出されることが多いそうだ。もしかしてスーパーのお惣菜はコーナーに並ぶ加工食品もそうなのだろうか。鮮度の落ちた生鮮食料品を揚げ物などに加工品すれば新たな食品に生まれ変わり、スーパーの売上に貢献する。これもスーパー業界がコスト競争の中で生き抜くための知恵の一つではないかと感心する一方で、価格よりも品質を優先する消費者もいる。そのような消費者は新鮮な食材を使った加工食品の方を望むのではないかと研一は思った。

 研一の会社で製造する米菓の原料に使う米は、そのほとんどが地元新潟県産の米だ。農薬や化学肥料はできるだけ減らして堆肥などの有機肥料を使った米作りをしている農家と契約して栽培してもらった米を仕入れている。自社の米菓は他社の商品と比べ少し割高な価格設定ではあるが、価格よりも品質を求める顧客層のニーズには応えているとの自信がある。
(作:橘 左京)

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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第3話)

2016年12月8日ニュース

 週末を家族と過ごした研一は、月曜日の朝早い時間の新幹線に乗って東京に向かった。今日から金曜日までの5日間は東京での一人暮らしが、また始まった。8号車の座席に座った研一は、朝食のおにぎりを食べながら、由紀子から手渡されたメモに目をやった。メモには5日間の献立表と必要な食材や調理方法が詳しく書いてある。

 由紀子から手渡されたメモを見ながら、研一は長かった独身の頃を思い出した。由紀子と結婚するまでは、研一の食生活は外食中心の不健康な食習慣が続いていた。朝は自宅アパートでトーストと目玉焼きの簡単な食事で済ませ、昼と夜は外食。残業で帰宅が遅くなる日は、自宅近くの居酒屋で一杯やって帰ることが多かった。

 一人暮らしの研一には、自宅アパートで帰りを待つ人がいない、自宅で研一の体調を気遣う人がいない。自由気ままな一人暮らしが研一の不健全な食生活を助長させていた。食習慣の乱れが会社で受けた健康診断に表れた。生活習慣病の診断項目の一つになっている血糖値に異常値が出たのだ。社員の健康管理を担当する職員課から「要再検査」の通知を受けた研一は会社近くの病院で再検査を受けた。再検査の結果、担当医師から糖尿病の診断を下された。以来、研一は、定期的にこの病院に通院し糖尿病の治療を受けることになった。この病院では治療と併せて栄養指導も行われている。研一の栄養指導を担当した管理栄養士が妻の由紀子だった。研一はこの病院に定期的に通院して、毎回、ヘモグロビンA1cを調べる血液検査と由紀子から栄養指導を受けることになった。これが縁となり研一は由紀子と結婚した。

 研一は現在も糖尿病の治療を受けている。二月に一回の割合で、自宅に帰った週末土曜日に自宅近くのクリニックに通院している。このクリニックで体重測定、尿検査、血圧検査、血液検査を受けて二か月分の薬を処方してもらっている。家では由紀子から糖質制限の食事を作ってもらっている。由紀子のおかげで68キロあった体重が今では58キロになって10キロの減量に成功した。通院先のクリニックで受けている血液検査でも、ヘモグロビンA1cが正常値の6.2%未満を維持している。担当医師からも良好な状態を維持していると褒められ、由紀子に感謝の気持ちでいっぱいになった。

 5日間の献立表には朝昼晩の献立と調理に必要な食材リスト、食材のグラム数、一食当たりの消費カロリー、最後に一口アドバイスが書いてある。献立表に載っている料理はどれも手間をかけずに簡単に調理できるものばかりだ。なかには作り置きのできるものもある。野菜や肉・魚などの生鮮食品を買う場合、一食分以上の量になってしまうが、数食分まとめて作っておいて冷蔵庫にストックしておけば、買った食材は無駄にならないし、ストックした料理は保存期間内であればいつでも食べられる。意外と重宝するのが缶詰と冷凍食品だ。缶詰の場合は味付けしていない水煮にしたものを、冷凍食品の場合には、調理していないチップ状の生野菜を買い置きしておく。

 味付けされた缶詰や調理済みの冷凍食品はご法度だ。これらの加工食品には、塩などの調味料が多めに使用されているからだ。もちろん惣菜の類も味付けが濃くなっているため厳禁だ。5日間の献立表に並んでいる料理を調理するのはもちろん研一であるが、手書きの献立表の文字には、研一の健康を気遣う由紀子の気持ちが込められている。自分一人の体じゃない。週末になれば由紀子や弥生に会える。研一は、そう自分に言い聞かせて東京での一人暮らしの不便さを克服しようとしている。
(作:橘 左京)

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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第2話)

2016年12月6日ニュース

 長岡駅で新幹線を降りた山田はローカル線に乗り換えて一駅先の駅で降りて我が家に向かった。駅から歩いて10分程の所に山田の家がある。大通りを左折すると数軒先に我が家の明かりが見えてきた。
「ただいま。」
研一は玄関のドアを開けて、由紀子と弥生に帰宅を知らせた。
「お帰りなさい。」台所で食事の支度をしている由紀子の声が聞こえる。
「お帰りなさい。お父さん、東京でちゃんとご飯を食べていたの。」弥生が玄関で研一を出迎えた。
「もちろんだよ。弥生、まだ起きているのか。もう9時だぞ。部屋に戻って寝なさい。」
「弥生、お父さんに話したいことがあるの。」
「今日は遅いから、明日の朝に話を聞くよ。」
「分かったわ。お父さん、お休みなさい。」
「お休み。」
研一は台所で遅い夕食をとりながら由紀子との数日振りの会話を楽しんだ。
「女の子は母親に似ると言われているけれど、弥生の言葉遣いも君に似てきたみたいだよ。」
「さっき玄関で、弥生があなたに言った、ちゃんとご飯を食べたかという話ね。」
「そう。君が作って月曜日に渡してくれた献立表に従って、ちゃんと自炊していますのでご心配なく。」
「分かっているわよ。でも平日はあなたを見ていないので心配なのよね。会社の帰りに、毎晩、晩酌を兼ねて外食しているんじゃないかって、時々、弥生と二人でご飯を食べながら、あなたの話しをすることがあるのよ。」
「それで僕が帰って来るなり、弥生がああいう質問をしたんだね。」研一は話を続けた。
「ところで、弥生が私に話したいことがあるって言ってたけど、何か分かる。」
「夏休みに入ったら東京ディズニーランドに連れて行ってもらいたいという話よ。お友達の美咲ちゃんや小百合ちゃんが5月の連休に家族旅行で東京に出掛けたそうなの。東京スカイツリーやディズニーランドに行ったことを学校で自慢しているそうよ。」
「そうか。まだ弥生を東京に連れていったことがなかったね。お盆前の8月上旬なら会社もそんなに忙しい時期ではないし、金曜日か月曜日に一日休みをもらって三連休にしよう。僕が今、住んでいる都内の社宅は2DKの間取りだし、君や弥生が東京に来ても泊まることができるよ。」
「その話、明日、弥生が聞いたら、きっと喜ぶわよ。」
「そうだね。」

翌朝、朝食のテーブルを囲んで弥生は研一の顔色を伺うようなそぶりで口を開いた。
「昨日、お父さんが家に帰って来た時に話したいことがあるって言ってたでしょう。それはね。五月の連休にね。お友達の美咲ちゃんや小百合ちゃんがディズニーランドと東京スカイツリーに行ったことを学校で自慢しているの。弥生もディズニーランやスカイツリーに行きたいんだけど。」
「その話。昨日の夜、お母さんから聞いたよ。8月になったら家族3人でディズニーランドとスカイツリーに行こうか。」研一は弥生に答えた。
「ほんと。うれしいな。」弥生の口元がほころんだ。
「弥生、お母さんと2泊3日の日程で東京に来なさい。東京駅のホームでお父さんが待っているよ。他にも行きたいところがあれば、お母さんと相談して決めておくんだよ。」
「わーい。早く8月が来ないかな。」弥生は、突然、箸を持った手を上げた。
「弥生、お行儀が悪いわよ。ちゃんとしてご飯を食べなさい。」由紀子が弥生を注意した。
「はーい。」弥生は姿勢を正してご飯を食べ始めた。
(作:橘 左京)

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小説「山田研一 ただ今 単身赴任中」(第1話)

2016年12月4日ニュース


【あらすじ】
 会社の人事異動で東京に単身赴任した山田研一。東京での一人暮らしを始めた研一であるが、食生活が乱れ持病の糖尿病が悪化することを心配した管理栄養士の資格を持つ妻の由紀子が金帰月来で帰宅する研一に五日間の献立表を渡す。研一は誘惑に負けそうになりながらも妻との約束を守ろうと日々奮闘する。

 山田研一は現在、東京に単身赴任中である。毎週、金帰月来で東京と新潟県長岡市の間を新幹線で往復している。山田の勤務している会社は長岡市に本社がある食品製造会社だ。新潟県は日本有数の米どころで米菓や餅など米の加工食品の製造工場が多い。なかには全国ブランドになっている商品もある。今年5月の人事異動で山田は東京営業所長として赴任することになった。

 金曜日の夕刻。一週間の仕事を終えた山田は東京駅の新幹線ホームから上越新幹線に乗って、自宅で山田の帰りを待っている妻の由紀子と娘の弥生のもとへと向かう。山田が乗り込む車両はいつも自由席車両だ。しかも8号目の車両に決めている。なぜ8号車かというと理由は単純。山田の誕生月が8月だからだ。この時間帯に東京駅を出発する新幹線の車中は、男性サラリーマンにほぼ占拠されている。乗客の多くは、会社帰りに一杯やって帰宅する新幹線通勤の男性や山田と同じ単身赴任中と思われる男性などだ。

 ホームで発車のベルが鳴り響くなか、2階建車両の8号車に乗り込んだ山田は階段を降りて比較的、空席の多い1階席に向かった。座席シートを回転させて4席にして賑やかに歓談しているグループが目に入った。会社の飲み会が終わって帰宅する同僚の人たちだろうか。缶ビールを片手に仕事の話題で盛り上がっているようだ。

 山田は飲み会帰りの一団から少し離れた空席を見つけて座った。早速、駅の売店で買った500ミリットル入りの缶ビールを買い物袋から取り出した。
「プッシュ」
 山田は缶ビールの栓を抜いて冷えたビールを喉に流し込んだ。次に袋に入っている乾き物を取り出した。乾き物の「柿のタネ」は山田が勤務する会社の主力商品の一つだ。小袋には柿の種に似せた米菓とピーナッツが入っている。缶ビールと「柿のタネ」。山田に暫し至福の時を与えてくれる名脇役だ。山田は東京で過ごした一週間を振り返り、実家で山田の帰りを待つ妻の由紀子や娘の弥生に思いをはせた。
(作:橘 左京)

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時局短信2~中学校から小学6年生あてに配布された文書に極めて不適切・不愉快な表現あり

2016年12月3日トピックス


【地域政党日本新生イメージキャラクターウィズ」君】
 
 昨日、事務所の郵便受けに1通の郵便物が入っていた。封筒の中には「新潟県民」と称する匿名の方の文書が入っていたので紹介する。この方の文書によれば、阿賀野市立某中学校から同地域の小学6年生に配布されたというA3版、両面刷りの文書が添付されていた。この方によれば、某中学校からの配布文書には来年の4月の中学進学に向けた準備として、中学での学習、部活動、学校生活の3項目について事細かく記載されている。なお文書は小学6年生からの質問に対し同校のE教諭が回答する形式で書かれている。

 この方によれば、学校生活の項目の中にE教諭の回答に不適切・不愉快な表現があるという。この方がマーカーを付けた箇所(質問と回答)は以下のとおり。
 おしおき部屋って本当にあるですか?
 〇本当にあります。その部屋は、泣いても叫んでも周囲から助けは来ず、人格が変わるくらいのおしおきがなされます。担任の先生や学校主任の先生のいうことも聞けないようだと呼ばれてしまいますから本当に気をつけて下さい。…(以下略)

【筆者のコメント】
 E教諭の回答文はまるで大人向けのお笑い番組に出てきそうなギャグだ。ギャグなら笑って済まされるが、現役教諭が書いた公文書となれば事は深刻だ。子供の人権を無視したような言葉だ。しかも相手は小学6年生。中学進学に何かと不安や悩みを抱えがちな年頃だ。「中一ギャップ」という言葉がある。小学校から中学校に進学したときに、学習内容や生活リズムの変化になじむことができず、いじめが増加したり不登校になったりする現象を指して、こう呼ばれている(デジタル大辞林)。このE教諭の不用意な言葉遣いが「中一ギャップ」の引き金にならないか心配だ。特に多感な思春期を迎える小学高学年生や中学生の心は極めてデリケートだ。
 学校での”いじめ”や”いじめ”を苦にした自殺がなくならない。新潟県内でも先日、県立高校の男子生徒がいじめを苦にして自殺した。また、本日の地元紙朝刊によれば、福島第一原発事故で福島県から新潟市に自主避難している小学児童に対して、担任の教諭がこの児童の名前に「菌」を付けて呼んでいたとの記事が大きな見出しを付けて載っていた。
 学校で発生した”いじめ”は、とかく被害生徒と加害生徒との交友関係にその原因を求めがちであるが、私はそのようには考えていない。学校教育における人権教育がおざなりになっていることと、教育者である教諭の希薄な人権意識に起因するものと考えている。いじめを苦にした自殺があると、学校は決まって、関係した生徒への聞き取り調査、生徒集会や保護者を集めた集会を開いて事件の穏便な収束を図ろうとするが、これは間違っている。教育とはヒト(生物)を人(人間)に育て上げることだ。精神的に未熟な子供を是非・善悪をわきまえた大人に育てるという意識と自覚が教師一人一人に求められる。普段からこのような意識・自覚が希薄だからこのような不幸な事件が起きてしまう。良好な人間関係の構築に必要なことは、儒学でいう仁(他者への思いやり)恕(相手を思いやって許す)であろう。「己の欲せざる所は人に施す勿れ」(論語)

(代表 天野 市栄)

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市民オンブズマン通信14.2~住民監査請求は予想どおりの棄却!(その2)

2016年12月2日ニュース


【地域政党日本新生イメージキャラクターウィズ」君】

 9月16日付けで阿賀野市民オンブズマンが行った住民監査請求(阿賀野市職員措置請求)の結果通知書が、先月、請求人(筆者)に届いた。市長交際費の支出及び市長公用車の使用に関する2件の住民監査請求を行ったが、2件とも予想どおりの請求棄却だった。結果通知書は市のホームページ(監査委員事務局)に掲載されているので下の扉からアクセスしていただきたい。
 市長交際費の支出に関する住民監査請求
 市長公用車の使用に関する住民監査請求
 この2件の住民監査請求は筆者が阿賀野市長を務めた4年間(H20~H24)の経験を基に行ったものである。以下、請求結果通知に対する筆者のコメントを申し上げたい。今号は市長公用車の使用に関する住民監査請求について申し上げる。
 今回は、市長の公務日程に載っていない公用車の使用実態22件について監査請求を行った。この他、市長の公務先と公用車の運行距離に食い違いのあるものも幾つか散見されたが今回は監査請求を見送った。さて今回の住民監査請求に対する監査委員の判断を要約すれば次のとおりだ。
 「市長の担うべき公務は広範多岐にわたっており、一概に公務の範囲を定めることは事実上困難を伴うものと言える。また危機管理上の指示・連絡体制の確保の必要性等から、市長の職務遂行として公用車使用を一般職職員の公用車使用と同様に解するのは妥当ではなく、公務日程を機動的かつ円滑にこなすための迅速性の確保の観点や、危機管理上の緊急時の指示・連絡体制の確保の観点、移動中の安全確保の観点等も考慮した 上で公用車使用の妥当性を判断するのが適切である」として、違法・不当なものではないとしている。
 市長の公務日程表にも掲載されていないブラックボックスだった公用車の使用実態が住民監査請求によって明らかになった。監査委員が確認した事実によれば、22件の内訳は政務活動(国・県議会議員のパーティー出席)が3件、民間事業所の式典出席1件、冠婚葬祭出席1件、純粋な公務が17件だった。この事実が真実であれば異論はないが、嘘・偽りであれば話は別である。ここで幾つかの疑問点が浮かんできた。

 ●監査結果には「請求について監査した結果、事実を確認できた。」とあるが、何を根拠(証拠)にして事実を確認したのだろうか。
 公用車の運転日報を見ても用務内容は書かれていない。用務先も市内とか市外であれば市町村名しか書いていない。運転員(市職員)の出張命命令簿には用務内容が書いてあるのだろうか。監査委員が行う定期監査では、予め関係課から提出された定期監査資料を基に、担当者から状況説明を求め疑問があれば証拠書類の提出が求められる。今回の住民監査請求についての監査が担当職員からの説明やメモだけで行われたとすれば問題だ。職員が嘘をついていても分からないからだ。一番確かな事実確認の方法は実際に公用車を運転した運転員(市職員)から話を聞くことではあるが…。

 ●純粋な公務であればどうして公務日程表に掲載されていなかったのだろうか。
 筆者の経験則に照らせば、17件の公務は日程表に載せて然るべきものである。むしろ、あらぬ誤解が生じないように、積極的に公務日程表に掲載すべきである。市長の公務日程表は市議会定例会に提出され、市民の代表(?)である市議会議員の認証を受けることになるからだ。それとも「公務ではない」との判断から日程表に掲載していなかったが、監査請求があったので、急きょ「公務でないもの」を「公務である」かのように偽装したのだろうか。

 ●筆者の経験則上、不自然・不整合な市長公務が幾つか散見されるので言及する。
 1.平成27年4月3日(金)13:00-14:45 新潟大学医歯学総合病院にて教授面談
 市議会に提出されている市長の公務日程(H27年4月~H28年4月)を見ると、この間に、挨拶または教授との面談のため新潟大学医学部に4回訪問している(7/16,8/10,1/7,1/12)。どうして、この日の新大教授との面談を公務日程に入れなかったのだろうか。しかも病院内で面談というのも不自然だ。病院に隣接する学部棟の教授室で面談するのが普通だと思うのだが…。
 2.平成27年4月20日(月)15:50-17:45 新潟市内公園視察
 天朝山公園整備のための先進地視察とあり、新潟市内の県立鳥屋野潟公園、新潟市立亀田公園・横越公園を視察したとあるが、わざわざ市長が出掛けて行く用務だろうか。まずは担当課の職員が視察すべきであろう。市長が出掛けて行くような用務先であれば、公園を管理する県や新潟市の担当課の職員が立ち会い、説明を受けると思われるがそのようなことが行われたのだろうか。
 3.平成27年11月26日(木)18:00-18:30 市内巡視・現地確認
 出湯・村杉等、市内一円を視察したというが、どっぷりと日が暮れた時間帯に何を巡視・確認できたのだろうか。
 4.平成27年12月22日(木)15:00-15:55 市内巡視・現地確認
  月崎・小河原・下里等、市内一円を視察したというが、日暮れ早い冬の時間帯に何を巡視・確認できたのだろうか。
 5.平成28年1月4日(月)13:30-16:10 年始あいさつ回り
 この日、市長は挨拶回りに市内一円に出掛けたそうだが、1月4日は市役所の御用始めだ。市長は市長室で市内外の来訪者から挨拶を受ける立場であり市長が挨拶回りに市内に出掛けるということは通常、あり得ない。4月の市長選挙に向けた業界団体の支持固めのための挨拶回りということであれば理解できるのだが…。
 6.平成28年4月19日(火)13:30-17:07 市内巡視・現地確認
 道路・河川・建物・景観・案内看板等の確認のため市内一円(水原・安田地区)を回ったというが、どうして市長選投開票日の週に行われたのだろうか?何か災害でもあったのだろうか?
 7.平成28年4月21日(木)17:15-17:45 市内巡視・現地確認
 自治会からの要望箇所について道路状況等の確認のため市内一円(下条、市野山島)を回ったというが、どうして市長選投開票日の週に、どうして日暮れ間近い時間帯に行われたのだろうか?
 8.平成28年4月25日(月)14:40-16:57 市内巡視・現地確認
 道路・河川・建物・景観・案内看板等の確認のため市内一円(京ヶ瀬・笹神地区)を回ったというが、どうして市長選投開票日の翌週に、どうして日暮れ間近い時間帯まで行われたのだろうか?
 ※この項、終わり。

(あとがき)
 今回の住民監査請求に対する監査結果通知書は市のホームページでも閲覧できるがアクセスするまでの道程は遠い。トップページ(ホーム)からのクリック数は4つである。(ホーム⇒組織・課名で探す⇒監査委員事務局⇒監査委員事務局とは⇒監査結果通知書)一方、ホームにはトピックスがあり、トピックスに掲載される記事であれば、ワンクリックでアクセスできる。もちろん監査結果通知書だけではなく定期監査結果報告書もトピックスには掲載されない。市当局にとって不都合な情報は奥に仕舞い込んでおきたいのだろうか。
(代表 天野 市栄)

 

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