2018年12月
« 11月   2月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

ブログ

評論「政治とカネ」(第14回)

2018年12月2日ニュース

 「補助か単独か」、「公共か非公共か」で分類すると4つの組み合わせが出来上がります。この4つの組み合わせについて、ア首長の裁量権の有無(強・弱)、イ予算規模(大・中・小)、ウ資金(税金)の交付対象者のそれぞれについて分類します。
 最初に「公共/補助」からです。国の補助対象になっている公共事業ですが、首長は国に対して補助事業として採択申請をするかどうかを判断するだけで、それ以上の裁量権はありません。しかし、国からの補助金も含めて事業予算が編成されることから予算規模は大きくなります。一事業当たりの予算額が数10億円規模にもなることもあります。資金の交付対象者は施工業者です。工事を施工した建設業者が請負代金として受け取ります。
 次は「公共/単独」です。首長の裁量権が働く公共事業ですが、国からの補助がないため予算規模は補助事業と比べて小さくなります。一事業あたりの予算額も数千万円、小さい工事だと数百万円規模になります。資金の交付対象者は施工業者です。工事を施工した建設業者が請負代金として受け取りますが、金額は「公共/補助」よりも少なくなります。
 3番目に「非公共/補助」です。国の補助対象になっているソフト事業ですが、首長の裁量権は働きません。予算規模や一事業当たりの予算額は大きくなります。資金の交付対象者は要件に該当する全ての個人(住民)や団体(企業も含む)ですが、個人と団体とで対象者数を比較すれば圧倒的に個人の方が高くなります。
 最後に「非公共・単独」です。首長の裁量権が働くソフト事業ですが、予算規模や一事業当たりの予算額は「公共/単独」よりも小さくなります。資金の交付対象者は要件に該当する全ての個人(住民)や団体(企業も含む)です。しかし首長の意向次第で、個人と団体の配分比率を変えることも出来れば、特定の団体だけを交付対象にしたり、手厚く配分したりすることも可能です。個人と団体とで対象者数を比較すれば圧倒的に個人の方が多くなります。
 これらを表にまとめると次のとおりとなります。
[公共・補助]
ア首長の裁量権:無、弱
イ予算規模:大 首長の裁量権:無、弱
ウ交付対象者、数:施工業者、数は少ない
[公共・単独]
ア首長の裁量権:有、強
イ予算規模:中、小
ウ交付対象者、数:施工業者、数は補助よりも多い
[非公共・補助]
ア首長の裁量権:無、弱
イ予算規模:大
ウ交付対象者、数:要件に該当する個人や団体(企業も含む)、数は多い
※個人が圧倒的に多い。
[非公共・単独]
ア首長の裁量権:有、強
イ予算規模:大
ウ交付対象者、数:要件に該当する個人や団体(企業も含む)、数は補助よりも少ない。
 ※首長の意向によって、個人と団体の配分比率を変更、特定の団体だけを交付対象にしたり、手厚く配分したりすることも可能

 予算編成時期(地方自体の場合、政府予算案が示された年明け後)になると、様々な団体による予算陳情が行われます。予算陳情には必ず関係する議員が紹介議員として同席します。都道府県や政令市・県庁所在市の予算陳情はマスコミ報道されることが慣例になっているようです。
 予算の陳情を受けた首長は「検討します」、「配慮します」などと答えますが、裁量的経費(「公共・単独」や「非公共・単独」)については、首長を支持する与党議員(与党会派)や支持団体との間で行われる水面下での調整で決まります。というのは、非公式の場(秘密の会合)で調整が行われるということです。昼間であれば首長の執務室ですし、夜間であれば宴席が多いようです。執務室では秘書など職員は所払いされます。宴席であれば料亭の個室です。秘密の会合は外部からは遮断された場所(料亭など)で行われ、会合には首長と首長を支持する議員や支持団体の代表など関係者しかいません。ドラマや映画でよく見かけるシーンですね。
(作:橘 左京)

「真実は内側、裏側、後ろ側にある!元市長が明かす闇に隠れた真実!」
 小説「廃屋の町」好評発売中!

※本書の購入を希望される方は、ネット書店か宣伝用チラシを印刷して一般書店に提示してください。なお、一般書店では下記書店で在庫ありとの情報を得ておりますので、在庫状況を再度確認の上、注文してください。
「本の店 英進堂」
新潟市秋葉区新津1876
コモタウン新津 ホームセンタームサシ内
TEL.0250-24-1187

posted by 地域政党 日本新生 管理者