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選挙と民主主義(第8編)~商品化される「清き1票」

2012年12月12日ニュース

 選挙になると「票を集める」、「票をもらう」、「票をやる」、「票をくれる」などといった言葉を耳にします。こういった言葉を聞くと、あたかも「票」というモノが、有権者と候補者(政党)との間で取引されているような錯覚を覚えます。言うまでもなく「票」は有権者が候補者(政党)の政見や政策などをよく見聞きして、自分たちの代表者にふさわしいと考える候補者(政党)を選定し、投票場においてその名前を記入し投票箱に入れたものです。いわば有権者が選挙権を行使した証しであり、有権者と候補者(政党)との間で取引できる性質のものではありません。

 さて、選挙戦術として候補者(政党)が政見や政策などを示し投票を訴える空中戦のほか、支持者・支持団体を回って投票を呼び掛ける地上戦があります。この「票を集める」、「票をやる」といった言葉には、地上戦における作戦といった意味合いが含まれています。候補者(政党)と有権者との間で、カネで取引される商品と同じように「タダでは票はもらえない」、「タダでは票はやらない」という戦況になれば、至近距離にある有権者の票をめがけて実弾(供応接待・金品の提供など)が飛び交うことがあります。こうなっては、与えた側ももらった側も犯罪(公職選挙法違反)になりますが、これを避けるために行われるのが「利益誘導」です。候補者(政党)が当選した(政権を取った)後に、支持者(支持団体)に対して行われる政策的な便宜供与です。いずれにしても、「清き1票」が商品化されると「汚れた1票」になってしまうのです。

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者