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選挙と民主主義(第4編)~投票率と投票価値の平等

2012年12月3日ニュース

 2009年8月に実施された衆議院議員総選挙における投票価値(一票の重み)の平等について、本年10月17日に、最高裁判所から「違憲状態」との判決が出されました。選挙名簿登録者数が最多の選挙区と最少の選挙区とで最大2.30倍の格差が生じており、この格差は憲法に定める「法の下の平等に反する」というものです。この格差が是正されない状態で、来月、衆議院選挙が行われることになりました。この衆議院選挙に対しても一票の格差を巡る訴訟が提起されることになるでしょう。最高裁判所は、これまで抜いたことのない伝家の宝刀である「選挙無効」の判決を下すのではないかとみられています。

 さて、この投票価値を計るもとになる数字が選挙名簿登録者数です。前回の衆議院選挙で名簿登録者数が一番多かった選挙区が「千葉第4区」の489,437人です。余談になりますが、千葉第4区は首相である野田佳彦氏の選挙区です。一方、一番少なかった選挙区が「高知第3区」の212,376人です。この人数の比率が1対2.30となり、最多選挙区と最小選挙区とで2.30倍の格差が生じているということです。

 選挙名簿登録者数は投票する権利を持った人の数です。私は、この選挙名簿登録者数をもとに一票の格差を論じることには違和感を覚えます。投票価値を考える場合は、権利を持つ人の数よりも、権利を行使した人の数、すなわち実際に投票した人の数で比較した方が合理的であると考えます。両選挙区の投票者数でみると、「千葉第4区」では307,954人(投票率63.13%)、「高知第3区」では153,646人(投票率72.73%)となります。比率は1対2.00で2倍の格差となります。この2倍の格差が違憲かどうかは裁判所の判断に委ねるしかありません。

 ところで、「権利の上に眠る者は保護に値せず」という法律の格言があります。この格言は、権利を行使しない者は法的な救済を受けられないという意味です。そえゆえに、選挙権を行使しなかった人、すなわち棄権した人の数も含めて「法の下の平等」(法的救済)を論じても意味がないと考えるからです。話は少し変わりますが、先月、米国の大統領選挙がありました。米国大統領選挙の選挙権は、国籍条項や年齢制限(18歳以上)に加えて選挙人登録を行っていることが要件となります。米国は日本のような住民基本台帳がないため、自動的に選挙人名簿に登録されることはなく、自己申告で選挙人名簿に登録しなければなりません。この自己申告が「選挙権を行使したい」という有権者としての意思の表明になります。大統領選では選挙人名簿に登録する人の数を増やすこと、いわば票田を広げる運動が選挙戦略上、欠かせない工程になっています。ところが、日本では出生や住居移転を機に行われる住民登録によって、選挙権を行使するかどうかの意思確認が行われることなく自動的に選挙人資格が与えられます。自主自立を重んずる文化と至れり尽くせりの文化の違いでしょうか。皆さんはどのように考えますか。
※参考文献:ウィキペディアフリー百科辞典

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者