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選挙と民主主義(第7編)~投票行動、集票行動から見える投機家心理(その2)

2012年12月8日ニュース

 第3編「有権者は既得権者か?(その2)」で説明したように、有権者の投票行動には利己主義的な動機が含まれています。すなわち、自分や自分たち(集団、組織)の利益確保や負担回避または既得権喪失の回避を期待して、それを叶えてくれそうな候補者・政党を選んで1票を投じるからです。また、有権者が抱くこれらの期待感には履行期限があり、将来において達成されるものでなく「近いうちに」達成される必要があります。

 一方、候補者(政党)の集票行動はどうでしょうか。他の候補者(政党)と議席を争うことから、その関係は競争的なものになります。政策(政局?)が一致する政党間で選挙協力という関係が成立することがありますが、協力関係にある政党は1つの政党とみなしてよいと思います。また、有権者の歓心を得ようと、候補者(政党)が示す政見や政策は、有権者の関心や期待に合わせた内容に修正されます。この政見や政策は有権者に対する約束手形として振り出されますが、空手形であったり履行期限が入っていないこともあります。

 このように、有権者の投票行動と候補者(政党)の集票行動には二つの共通点があります。一つには、「自分(自分たち)がよければ、それでよい」という利己・排他的な動機です。二つ目には、「今がよければ、それでよい」という、将来よりも現時点での利益を優先するという短期的利益の追求です。これは、まさに前回のブログで説明した投機家心理そのものです。
 政治家(政党)が有権者に示すべき設計図は、部分の最適化ではなく全体の最適化であり、有権者に示すべき言葉は、美辞麗句ではなくビジョンではないでしょうか。皆さんはどのように考えますか。

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者