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選挙戦を終えて1(市長戦短信Vol.18)

2020年4月20日ニュース

 

 阿賀野市選挙管理委員会が発表した4月19日執行の阿賀野市長選挙の結果は以下のとおりです。

令和2年4月19日執行の阿賀野市長選挙の開票結果
 22時35分-【確定】
 順位   候補者名     得票数
  1   田中 きよよし   10,267
  2   横井 もとゆき    4,807
  3   天野 いちえい    2,809
 【有権者】 35,550人  
 【投票者】 18,223人
 【投票率】 51.26%
 【開票数】 18,223票
 【開票率】 100%
 【有効数】 17,885票
 【無効数】 338票

 前回4年前の市長選(現職との一騎打ち)と比べ、今回の市長選(現職・新人・元職の三つ巴)では、天野市栄代表の得票数、得票率とも大幅な減少・低下となりました。
得票数(5715⇒2,809)、得票率(29%⇒15.7%)
 
 選挙参謀の立場で敗因を申し上げれば次のとおりです。
1.立候補表明が遅かったことから、天野代表の政策を有権者に伝え切れなかったこと。
2.現職との政策上の対立軸を示すことで、現職に対する批判票を取り込む戦略が上手く機能しなかっ
  たこと。
3.高齢化が急速に進んだことで、有権者の間で「変化」よりも「現状維持」を選ぶ傾向が強まった
  こと。
  ※「将来」のことよりも「現在」が、「みんなのこと」(公益)よりも「自分のこと」(私益)
    が大事。
4.現職を含む複数の候補が出馬したこと(三つ巴選)。
  ※三つ巴選など現職を含む複数の候補が出れば、一般的には現職に対する批判票が複数の候補に
   分散し現職にとって有利な展開となります。しかし天野代表が現職で出馬した2012年4月の
   市長選では、この一般則が働きませんでした。
5.投票率が下がった(54.71%⇒51.26%)ことで、組織票(主に建設関係)を持つ現職に優位に
  働いたこと。
  ※投票日の天気は良好であったにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染リスク(密閉、密集、
  密接)を恐れ、高齢者を中心に投票所に行くことをためらったこと。
6.選対本部の立ち上げが遅かったこと。
  などが挙げられます。
  それでは、天野代表から一言、読者の皆様に敗戦の弁を申し述べます。(選挙参謀X)

 天野代表の著書「廃屋の町」(小説)を理解する(後編)
 ラストシーン~主人公(田沼市長の甘木雄一こと野上治夫)が生家で父の昭一と再開する場面
 

 今回の市長選の結果を受けて、一言、申し上げます。私は2018年5月に(株)文芸社より、小説「廃屋の町」(ペンネーム橘 左京)を世に送り出しました。
 この小説の最後に次の一節があります。
「市長として、これから私がやらなければならないことがあります。本来、公益に奉仕すべき公務員が、その職責を忘れ、私益に奉仕せざるを得ない状況を正すことです。この地域には旧態依然とした悪弊が風土病のように根付いています。この悪弊を断ち切らなければ、田沼市の未来は切り開けないと考えています。いつの時代も、未来を開拓するのは子供たちです。私は、田沼市を子供たちが夢や希望を抱けるような町にしたいと思っています」
 
 このフレーズは私が今回の市長選に臨んだ際の心情を表しています。この物語は、長野県に「田沼市」という架空の都市を設定しストーリーを展開していますが、「田沼市」は私が今、住んでいる「阿賀野市」をモデルにしました。人口規模、予算規模、吸収合併で新市が誕生などの諸事情については阿賀野市と隣接する「新発田市」をモデルにしました。

 物語では、少子高齢化と人口減少の波に飲み込まれた地方都市で、地場産業の衰退(農業と商工業)と廃屋になった住家が増えていくなか、建設業など、税金に依存する産業が政治利用(利益誘導)されていく姿がリアルに描かれています。暗い過去を背負った主人公が新人候補として4期目を狙う現職市長に挑む構図が描かれています。草の根運動で市民の声を吸いげようとする主人公に対して、建設業界などの組織票でがんじがらめに固められ、国会議員や県議会議員、市議会議員などの政治家(政治屋?)の支援を受けた現職が選挙戦を展開するのですが、結果は僅差で新人候補が現職を退けて当選した場面からスタートし、主人公が背負った暗い過去に遡ります。
※小説「廃屋の町」の基になったブログはこちら

 不正な手段(公職選挙法違反)で公職(市長など)が選ばれ、公益(みんなの幸せ)よりも私益(じぶんの幸せ)を第一に考え政治(利益誘導)が行われる様をリアルに描いています。

 高齢化が進むと、自分がこの先、あと何年生きられるのか、という余命の幅で「自分の将来」を考えます。子供や孫の余命は長く、私の娘(9歳)の余命は後約80年です。ちなみに私の余命(61歳)は約20年です。余命が少ない高齢者は「将来のこと」よりも「現在のこと」を重視します。
 ※自分の余命を調べるなら「2019年簡易生命表(男)」「2019年簡易生命表(女)

 余命の短い高齢者は「現在」を重視し、「改革」よりも「現状維持」を選択します。余命の長い年少者は「将来」を重視し、「現状維持」よりも「改革」を選択します。高齢化は「現在」を重視し「現状維持」を選択する人が増えてくる現象です。一方、少子化は「将来」を重視し「改革」を選択する人が減ってくる現象です。選挙になると、人口比で勝る老年人口(高齢者)の投票行動が、人口比で劣る生産年齢人口(子どもの親世代)よりも有利に働き、現状維持の政策を訴えた候補者が当選します。

 選挙年齢が2016年6月から18歳以上に引き下げられ、18歳に達した高校3年生が選挙権を行使できるようになりました。選挙年齢が引き下げられた背景には、元々投票率が低かった20代の投票率を引き上げる狙いがありましたが、思ったほどには20代の投票率が上がっていません。
(天野 市栄)…次号に続く。 

posted by 地域政党 日本新生 管理者