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「新潟県議会議員選挙が過去最低の投票率」が有権者に問いかけているもの(その2)

2015年4月16日トピックス

 13日夕方のNHKのニュース番組で「12日投票が行われた統一地方選挙の前半戦で、41道府県議会議員選挙のうち38の道府県でこれまでで最も低くなり、全体の平均投票率も前回より3ポイント余り下がって45.05%となり過去最低を更新。また、10の知事選挙の投票率も前回より5ポイント余り下がって47.14%となり初めて50%を下回って過去最低を更新した。」との報道があった。有権者の半分以下しか投票していない選挙で選ばれた議員が果たして住民の代表者であると言えるのだろうか。代議制民主主義(間接民主主義)の土台を揺るがす異常事態である。

 さて今回の統一地方選挙(前半選)の低投票率について、“今回の選挙”が盛り上がりに欠けていたとか、政策軸(争点)がはっきりしていなかったとか、とマスコミはいろいろとコメントを出しているが、低投票率は“今回の選挙”に限ってのことではない。今年は戦後70年になるが、70年という長い時間軸で見ると、国政選挙でも地方選挙でも投票率の低下傾向は顕著である。戦後の政治制度の根本原理である「国民主権」が制度疲労を起こしていることに気付くべきだ。

 この点についての言説はまたの機会に譲ることとして、私が考える低投票率の要因分析に移りたい。総務省が公表した衆議院選挙の年代別(10歳刻み)の投票率の推移を見ると、1996年の選挙以降、20歳代、30歳代の投票率は全体よりも下回っている一方で、60歳代、50歳代が全体よりも上回っている。参議院選挙でも同じような傾向が見られる。投票に行かない若い世代の人たちに言いたい。あなたたちが政治(選挙)に無関心になればなるほど、あなたたちの老後の保障は先細りだ。現在の高齢者(年金受給者)と比較してみるとよく分かる。年金の支給開始年齢は徐々に繰り下がり支給される年金年額の水準(現役世代の所得代替率)は下がる。社会保険(公的保険)の保険料率は上がっている。医療機関の窓口で支払う自己負担額は、今年70歳に達した高齢者から2割負担(昨年までは1割負担であった。)、75歳からは1割負担となっている。あなたたちが高齢者になっても今の3割負担のままかもしれない。介護保険の保険料率も上がっている。高齢になって介護サービスを受けた時の自己負担額は、現在は1割負担(27年度からは高所得者の自己負担額は2割となる。)であるが、これが維持できないかもしれない。

 なぜか。日本では少子高齢化が急速に進んでいるため、働く世代(=税金を納める世代)の人口(生産年齢人口)が減って、引退世代(=税金をもらう世代)の人口(老年人口)が増えているからだ。社会保障関係費のほとんどは老人3経費と言われる「年金、医療、介護」にかかる費用である。この老人3経費が毎年1兆円ずつ増えている。老人3経費の財源は掛け金のほか税金が充てられているが、税金だけでは不足するため足りない分は赤字国債(借金)を発行して資金を集めている。借金はいずれ税金を使って返さなければならない。借金を返すのは現在、働いて税金を納めている世代であり、将来働くことになる子どもたち(年少人口)である。

 政治家は高齢者に対しては優しく、若者に対しては厳しい態度で臨む。なぜか。高齢者は人口も多く投票率も高い。一方、若者は人口は少なく投票率も低い。いつものことだが政治家は選挙の時に、票の多い方向に顔が向いている。「政治」を難しく考えることはない。要するに「誰からどのようにして税金を取るか。取った税金をどういう人たちにどのようにして配るか。」を決めているのが政治であり、この権限を行使できるのが政治家である。「政治」をこのように単純化して考えれば、若い人たちも選挙に無関心・無関係ではいられなくなるだろう。選挙になっても投票に行かない「あなた」。次回からは必ず投票に行こう。そうしないとあなたの老後が危ない。
(あとがき)
 来夏の参議院選挙から投票年齢が繰り上がって18歳になるそうだが、大変結構なことである。いっそうのこと18歳未満の年少者にも選挙権を認めてはどうか。ただし選挙権を行使する人は保護者にする。税金(勤労所得課税)を支払っていない高齢者に選挙権を認めているのだから、同じく税金を支払っていない年少者にも選挙権を認めるのが合理的ではないか。日本国憲法が定める「国民主権」の“国民”は年齢で区別はしていないはずである。※次号に続く。
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者