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財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その9)

2015年6月24日トピックス

 夕張市は、2007年(平成19年)3月6日に地方財政再建促進特別措置法(現在は廃止)に基づく「財政再建団体」に指定され事実上財政破たんした。夕張市が「財政再建団体」になって以降、市議会議員選挙が3回行われている。(市議会議員選挙は市長選挙と同時実施で、統一地方選挙の日程で行われている。)
■平成19年4月22日執行(定数9人)
(立候補届)
 ・現職7人、平均年齢53才
 ・新人4人、平均年齢51才
 ・計11人、平均年齢52
 ・最高年齢64才:、最少年齢37才
  *注「新人」は「財政再建団体」指定以降に立候補届けをした候補者(以下、同じ。)
(選挙結果)
 ・現職6人
 ・新人3人
 ・新人の議席占有率33.3%
※コメント
 夕張市が再建団体に指定された年に行われた選挙である。議員定数が18人から9人に減らされて行われたが、現職11人は立候補しなかったのはなぜだろうか。理由・事情は各々いろいろと考えられるかもしれないが、市の財政を破たんさせた張本人である中田鉄治元夕張市長(故人)の市政運営(失政)を市議としてチェックできなかったことに対して市民からの非難を受けることを避けた、というのが本当の理由だろう。併せて議員報酬の大幅な削減という経済的な理由もあるだろう。だから敢えて「茨の道」を選択して当選した現職6人及び新人3人にエールを送りたい。「あなた達こそ、真の改革者だ。」

■平成23年4月24日執行(定数9人)
(立候補届)
 ・現職2人、平均年齢46才
 ・新人7人、平均年齢56才
 ・元職1人、平均年齢57才
 ・計10人、平均年齢54才
 ・最高年齢70才:、最少年齢41才
(選挙結果)
 ・現職2人
 ・新人6人
 ・元職1人
 ・新人の議席占有率60.0%
※コメント
 この選挙では前市長の藤倉肇氏が立候補し当選した。夕張市では市長選挙と市議会選挙が同時に行われるが、市長選に出馬しないで敢えて市議選に出馬した理由はなんだろうか。考えられる理由は2つ。1つは高齢であったこと。藤倉氏の市議選立候補時点での年齢は70才。市長職は体力的に無理として市議ならなんとかやれるということであろう。もう一つの理由は会社経営の手腕を市政運営で生かせなかったことであろう。藤倉氏は地元夕張市出身の会社経営者である。系列販売会社として全国最下位近くだった売上高を在任中にトップにまで引き上げた実績を持つ実業家だが、その手腕が市政運営に活用できなかったのだろう。(藤倉氏の経歴については「ウィキペディア フリー百科辞典」から引用)

■平成27年4月26日執行(定数9人)
(立候補届)
 ・現職1人、平均年齢61才
 ・新人8人、平均年齢54才
 ・計9人、平均年齢55才
 ・最高年齢64才:、最少年齢26才
(選挙結果)
 無投票当選
 ・現職1人
 ・新人8人
 ・新人の議席占有率88.9%
※コメント
 「財政再建団体(現在は財政再生団体)」になって8年後の市議選。現職の藤倉肇氏(前夕張市長)は立候補せず。新人の議席占有率が9割近くまで上昇。議員の平均年齢も55才と若い。夕張市の再生は皆さんの肩にかかっている。めげずに頑張ってほしい。しかし無投票とは…。議員のなり手がいないほどに若い世代の人口が減っているのか。夕張市の人口減少問題は次号で特集する。※次号に続く。
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者

財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その8)

2015年6月23日トピックス

 夕張市は、2007年(平成19年)3月6日に地方財政再建促進特別措置法(現在は廃止)に基づく「財政再建団体」に指定され事実上財政破たんした。この時に策定された「財政再建計画」から、過酷なまでの住民の負担増とサービスの切り下げ、議会を含む行政機構に対する容赦なきリストラ策が読み取れる。以下、再建計画の概要(要点)を示す。

■住民サービスの切り下げ(廃止した住民サービス(主なもの))
(休止・廃止する公共施設)~子どもや高齢者の行き場がなくなった!
 ・連絡所:5か所
 ・集会施設:4か所
 ・衛生施設:共同浴場1か所、公衆便所5か所
 ・公園等施設:公園13か所、コミュニティー花壇5か所
 ・体育施設:9か所
 ・教育施設:小学校7校→1校、中学校4校→1校
 ・社会教育施設:図書館など2か所
 ・福祉施設:養護老人ホーム1か所
 ・その他:2か所

■行政機構に対する容赦なきリストラ
 財政破たんを招いた執行機関(市長など三役、市職員)や議決機関(市議会議員)の責任は重い。行政機構(執行機関・議決機関)に対するリストラ策(歳出削減)の主なものは、以下のとおり。
(特別職給与・給料)
 ・市長:862千円 → 259千円 
 ・助役:699千円 → 249千円
 ・教育長:589 千円 → 239千円
 ・三役(市長・助役・教育長)手当:期末手当(80%以上削減)、退職手当(当分の間未支給)
(一般職給与等)
 ・職員数:(H18)269人 → (H22)103人 (4年間で166人減)
 ・給 与: 基本給平均30%削減、各種手当の削減
  ※平均年収:640万円 → 400万円、管理職(820万円 → 440万円)
(議員報酬等)
 ・議員定数:18人→9人(H19一般選挙から)
 ・議員報酬: 議長371千円 → 230千円、副議長321千円 → 200千円、議員301千円 → 180千円
 ・期末手当支給率:4.45月 → 2.45月
  ※次号に続く。
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないと言って子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者

財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その7)

2015年6月22日トピックス

 夕張市は、2007年(平成19年)3月6日に地方財政再建促進特別措置法(現在は廃止)に基づく「財政再建団体」に指定され事実上財政破たんした。この時に策定された「財政再建計画」から、過酷なまでの住民負担増と住民サービスの切り下げ、議会を含む行政機構に対する容赦なきリストラ策が読み取れる。以下、再建計画の概要(要点)を示す。
1.なぜ財政破綻したのか
○地域振興のための観光施設整備による公債費(借金返済)等の負担や第三セクターの運営に対する赤字補てんの増大などにより財政負担が増加し歳出(支出)規模が拡大
○財政状況が逼迫(ひっぱく)する中で、一時借入金を用いた会計間での年度をまたがる
貸付、償還という不適正な会計処理により赤字決算を先送りさせて実質的な赤字額が膨張

2.過酷なまでの住民負担増と住民サービスの切り下げ
■住民負担増(主なもの)

・個人市民税:均等割 3,000円 → 3,500円、所得割 6.0% → 6.5%
・固定資産税: 1.4% → 1.45%
・軽自動車税: 現行税率の 1.5 倍
・施設使用料: 50%引き上げ
・下水道使用料 :1,470円/10㎥ → 2,440円/10㎥
・各種交付手数料等 各種交付・閲覧等:150 円~ 200 円引き上げ
・各種検診料:100円~500 円引き上げ
・ゴミ処理手数料(新設): 家庭系混合ごみ(2円/㍑)・粗大ゴミ(20 円/㎏)等

■住民サービスの切り下げ(廃止した住民サービス(主なもの))
(一般市民向けサービスの廃止)
・通院交通費助成・通院交通費の復路助成
・防犯灯設置費及び電灯料補助・町内会等の防犯灯の設置、電灯料に対する市補助金
・交通安全対策事業費補助・交通安全市民運動推進員会等に対する市補助金
・人権擁護委員会補助・委員会に対する市補助金
・保健活動推進協議会補助・協議会に対する市補助金
・青少年相談センター運営・相談センターに対する運営経費
・敬老祝金贈呈・高齢者の長寿に対する祝金贈呈
・配食サービス・高齢者の居宅に対する配食経費

(高齢者・障がい者向けサービスの廃止)
・敬老祝金贈呈
・配食サービス・高齢者の居宅に対する配食経費
・精神障がい者通所交通費補助・精神障がい者の通所事業に対する交通費一部助成
・身体障がい者スポーツ大会参加費補助・障がい者の機能回復を図る道大会参加費用への市補助金
・重度身体障がい者福祉タクシー料金給付・重度障がい者のタクシー利用料金の一部助成
・老人クラブ活動費補助・老人クラブ連合会等の活動費に対する市補助金
・老人福祉大会事業費補助・高齢者の文化活動行事に対する市補助金

(子ども向けサービスの廃止)
・子育て支援センター設置・育児相談、子育てサークル実施経費
・全市小中学校鑑賞教室・小中学生の芸術文化鑑賞経費
・児童生徒石炭の歴史村見学・歴史村施設見学料に対する市補助金
・連合PTA行事費補助 ・連合PTA の事業に対する市補助金
・小中学校PTA 運営費補助 ・各小中学校のPTA 経費の一部に対する市補助金

(あとがき)
 「財政再建計画」が公表される半年ほど前の2006年(平成18年)9月4日に「夕張市における財政再建の基本的な考え方」が市民に示されている。「財政再建計画」では厳しい内容が示されることは夕張市民も覚悟していたのではないかと思わる。「その5」で2006年から2007年の2年間で人口が1割近く減少したことを述べたが、負担増とサービスの低下から逃れようと考えた市民、特に市職員をはじめ働く世代(生産年齢人口:15歳~64歳)が大量に市外に流出したのではないかと考えている。
 再建計画では「高齢者(65歳以上)人口は、5,160人(平成17年国勢調査)で総人口(13,001人)の約40%を占めており、全国都市の中で最も高い割合となっている。(中略)また、15歳未満の年少人口の割合も約8%と全国都市で最も低い割合となっており、…」との記述がある。
※次号に続く。
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないと言って子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者

かわら版第8号を発行しました。

2015年6月18日トピックス

かわら版8号ウェブ版20150618_13051426

※本日中に事務所前にて掲示・配布予定。

posted by 地域政党 日本新生 管理者

財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その6)

2015年6月16日トピックス

 財政破たんを招いた執行機関(市長など三役、市職員)や議決機関(市議会議員)の責任は重い。主なものを挙げれば次のとおり。
1.三役(市長、助役、教育長)、市職員の給与削減
 ・2006年(平成18年)9月~
  市長:50%カット(月収862,000円→431,000円)
  助役:40%カット、教育長:25%カット
  一般職員:15%カット
 ※総額4億200万円の削減
 ・2007年(平成19年)4月~
  市長:75%カット(月収259,000円、年収374万円)市長の給与は全国最低となる。
  助役:70%カット(月収249,000円)
  教育長66%カット(月収239,000円)
  常勤監査委員229,000円など
2.市議会議員
 ・議員報酬:約42%カット(月額311,000円→180,000円)
 ・議員定数の削減:50%減(18人→9人)
3.新規職員採用凍結や早期退職勧告による市職員数の大幅な削減
 ・早期退職により全職員の約半数(152人)が2006年度末で退職
  ※早期退職者は役職者の約7割を占め、部長・次長職は全員辞める。2007年度末の退職者の内訳は部長職12人全員、次長職11人全員、課長職は32人中29人、主幹職は12人中9人、係長・主査職は76人中45人、一般職が166人中46人となっている。
   ※次号に続く。*出典:ウィキペディア フリー百科辞典
(あとがき)
 夕張市の財政を破たんさせた張本人である元市長の中田鉄治氏(故人、在任期間:1979年(昭和54年)~2003年(平成15年)まで6期24年間)の責任が問われていないのは不思議だ。中田元市長は、高額な市長給与(総額で3億円以上はもらっているはず。)や退職金(総額で1億円以上はもらっているはず。)をもらって市長を退任(退任5か月後に死去)した。法的には故人に対して賠償責任は問えないが、政治的・道義的責任はある。中田氏の遺族はどう思っているのか。市民はどのように考えているのか。

 話は変わるが、私が阿賀野市長をしていた頃(2008年4月~2004年4月)は、市の財政再建のため15%の給与カットを続けていた。加えて市議会から、次のような理不尽、不可解な言いがかりをつけられ、更なる給与カットを2度実施した。
 ・当初予算案の審議過程で、一般会計と特別会計間の繰出・繰入金の金額が合わないのは(単純な事務的なミス、会期中に修正可能)、職員を指揮監督する立場にある市長の責任だとして給与カットを強要
 ・期限内に病院職員組合との給与削減交渉の妥結ができなかった責任をとって辞職した病院事業管理者を一週間後に再任用した市長に対し、議会軽視だとして給与カットを強要

 ところで、現在の田中市政に対する市議会の対応はどうか。多少出来が悪くても我が子であれば可愛いのだろう。失政があっても何らお咎めなし。いつまで続くのか「ガラパゴス市議会」。
(代表 天野 市栄)

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財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その5)

2015年6月15日トピックス

■夕張市が財政破たんした後、市民の暮らしはどうなったか
○市民負担の増大

 2007年(平成19年)年3月6日付けで「財政再建団体」(財政破たん)に指定されたことにより、「再建計画」に基づく容赦なきリストラが始まった。まずは市民生活。市民負担が大幅に増大し市民生活に大きな影響が出てきた。主なものを挙げれば次のとおり。
 1.市税の税額(税率)の引き上げ
  ・市民税の個人均等割額が3,000円から3,500円に引き上げ
  ・固定資産税が1.4%から1.45%に引き上げ
  ・軽自動車税が現行税率の1.5倍に増額
  ・入湯税150円の新設
 2.各種公共料金の引き上げ
  ・ごみ処理が一律有料化
  ・公共施設の使用料が5割増
  ・下水道使用料について、10㎥あたりの使用量が1,470円から2,440円に値上げ
  ・保育料について、3年間据え置き後7年間で段階的に国の基準にまで引き上げ
  ・敬老パスについて、個人負担額を200円から300円に引き上げ
 3.各種公共施設の廃止
 ・7ヵ所あった公衆トイレが2か所だけ残して廃止
 ・南部コミュニティセンターは、使用料引き上げ、町内会などによる管理運営を条件に存続
 ・スイミングセンターは、2008年(平成20年)3月に雪の重みにより屋根の一部が崩落し使用不能となり取り壊し
 ・図書館は、蔵書を保健福祉センターに移設し廃止

 これらの影響もあって市外への人口流失(転出者)が相次ぎ、2006年、2007年の2年間で人口が1割近く減少した。
 ※次号に続く。*出典:ウィキペディア フリー百科辞典
 (参考)「財政再建団体」指定(2007年)前後の人口移動(人口流出)
  2006年 13,045人
  2007年 12,307人(2006年と比較して▼5.7%)
  2008年  11,847人(2006年と比較して▼9.2%)
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないといって子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)

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財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その4)

2015年6月12日トピックス

■なぜ財政破たんしたのか(後編)
 ロボット大科学館などの観光施設の建設に際しては、地元業者優先の随意契約が多く行われ、建設費も適正な価格に比べて相当高くついたケースもなど見られたほか、事業が観光客誘致よりも雇用確保に傾いたため、各施設が余剰人員を多く抱えていたことも観光関連施設の収支を悪化させる要因となった。また2002年3月、市はマウントレースイスキー場を26億円で買収することを決め、市債を発行し資金調達しようとしたが北海道庁は負担が重すぎるとして許可しなかった。そこで市は土地開発公社に買収させ、市が肩代わり返済する「ヤミ起債的行為」に手を染めた。

 産炭地域振興臨時措置法が2001年(平成13年)に失効したことなどで、財政状況がさらに悪化、その後はほぼ破綻状態にあった。一時借入金などの活用により表面上は財政黒字となる手法をとったため、負債が膨れ上がっていった。一時借入金残高は12金融機関から292億円、企業会計を含む地方債残高が187億円、公営企業と第三セクターへの債務・損失補償が120億円とされ、夕張市の標準財政規模(44億円)を大きく上回っていた。

 2006年(平成18年)6月20日に後藤健二元市長が定例市議会の冒頭で、財政再建団体の申請を総務省にする考えを表明した。市長の表明後、「空知産炭地域総合発展基金」から14億円の借り入れをしていることが明らかになるなど、違法起債(「ヤミ起債」:注)等の粉飾まがいの決算がここ何年も行われていた疑いがあり、北海道庁が調査したところ既に再建団体適用状態だったことが判明した。これを受け、後藤健二元市長は同年7月25日に2006年度中の財政再建団体を申請する方針を表明し、2007年(平成19年)年3月6日付けで「財政再建団体」(財政破たん)に指定された。なお2006年度決算における実質公債費比率は38.1%だった。これは全国でも長野県王滝村の42.2%に次ぐ数字であった。

(注)「ヤミ起債」について
 当時、自治体が借金(起債)をする場合は都道府県知事の許可が必要だったが、道内の旧産炭地域の6市町は限度額に近い金額の起債をしていたため、これ以上の起債はできなかった。そのため「空知産炭地域総合発展基金」など各種基金や、銀行・信用金庫など金融機関から借り入れて急場をしのいだ。こうした手法は本来、一時的に税収が不足したときや、会計制度上財政が逼迫しやすい会計年度末に少額・短期間採られることが多い。しかし6市町は本来の手法を逸脱し税収不足の補填や借金の返済のために借り換えを重ね債務は累積し、いわゆる自転車操業状態に陥った。また、4月1日から5月31日は前年度決算の出納整理期間だが、その期間を悪用して旧年度の会計に新年度の会計から貸して見かけ上黒字に見せかけるなどの違法な決算操作が行われていた。※次号に続く。
*出典:ウィキペディア フリー百科辞典
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないといって子どもの数は減っていく。」~(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者

財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その3)

2015年6月11日トピックス

■なぜ財政破たんしたのか(前編)
~中田鉄治元市長の失政(「炭鉱から観光へ」)と中田市政をチェックできなかった市議会議員の犯した大罪

 北炭夕張新炭鉱のガス突出事故による運営会社の倒産など石炭産業の衰退が顕著になりはじめた頃(昭和50年代半ば以降)に、夕張市政の最高責任者(市長)だった人が中田鉄治氏(故人)である。中田鉄治氏は1979年(昭和54年)から2003年(平成15年)まで6期24年にわたり夕張市長を務めた。中田元市長は「夕張は石炭政策転換の犠牲になったのだから、国が振興策に責任を持つべきだ」などと言って補助金を積極的に引き出すなど、国が用意した閉山対策資金を活用して様々な事業を展開した。その際には「自治体は倒産しない。借金には国の保証がある」などと言ったともされている。夕張市の財政破たんを招いた中田失政の実態を明らかにする。

・1990年(平成2年)、三菱南大夕張炭鉱が閉山し夕張から炭鉱がなくなり炭鉱会社が設置した鉱員向けのインフラを買収した。夕張炭鉱病院の市立病院移管(40億円の財政負担)、炭鉱住宅や上下水道設備の買収(151億円の財政負担)、鉱山税61億円の未払いなどで「炭鉱閉山処理対策費」は総額583億円に達した。(※市が将来の人口動向を考慮しないで、炭鉱労働者向けのインフラ設備(病院、住宅、上下水道)をそのまま購入したは暴挙だ。炭鉱会社が職員向けのインフラ設備を整備したことからも分かるように、炭鉱労働者は市外からの出稼ぎ労働者が多かったにちがいない。炭鉱の縮小・閉山で職を失った炭鉱労働者は、炭鉱以外に雇用の受け皿がない夕張市から離れていく(市外への人口流出)であろうことは容易に推測できたはずである。こうして人口の最多期に建てられたインフラ設備は人口減少とともに遊休化し、老朽化とともに維持費や更新費用もかさんでくる。)

・1981年(昭和56年)に財政再建団体への転落目前まで財政が悪化して自治省(現・総務省)も緊縮財政への転換を強く指導していたにもかか わらず、1982年(昭和57年)12月に市議会議員の報酬を引き上げ、1983年(昭和58年)度に前年度比17%増の積極予算を組むなど逆に一段と積極財政を推し進めた。

・第三セクターや公営企業に金融機関から借り入れさせて市が債務保証することで市債発行の代わりとするような「ヤミ起債的行為」といえる 公式の会計外の資金調達手法を活用⇒2001年(平成13年)には既に130億円台の実質的な赤字となる。

・「炭鉱から観光へ」をキャッチフレーズとして観光事業を推進したが、逆に負債が膨張する要因ともなった。夕張の主要産業だった炭鉱の閉山後、「分不相応の投資をしなければ、夕張市は再生しない」とし、観光振興を目当てに、下記のようなテーマパーク「石炭の歴史村」など観光施設の建設や、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に代表されるイベントを連発した。
    1980年(昭和55年) 夕張市石炭博物館             約14億8300万円
    1983年(昭和58年) 石炭の歴史村(遊園地)          約55億円
    1985年(昭和60年) めろん城                 約6億5000万円
    1988年(昭和63年) ロボット大科学館             約8億5000万円
    2002年(平成14年) マウントレースイスキーリゾートの買収   約26億円
※金額は投資額

・しかし、これらの観光振興政策は粗雑な計画で、かつての石炭ほどの利益をもたらすはずもなく、人口流出と併せてかえって夕張の財政を致 命的に圧迫させるだけの結果に終わった。中田鉄治氏(故人)は2003年4月に夕張市長を退任し同年9月10日に逝去した。中田氏の後を継いだ市職員出身の後藤健二元市長が「財政再建団体」申請を行うことを表明して夕張市の財政が破綻したのは、それから3年後の2006年(平成18年)6月20日ことだった。※次号に続く。
  *出典:ウィキペディア フリー百科辞典

(あとがき)
 私は県職員時代の1995年(平成7年)から96年(平成8年)の2年間、自治省(現総務省)の外郭団体である地域総合整備財団(「ふるさと財団」)に在籍していた。平成7年に財団用務で北海道に出張に行った際に、道内のどこの市町村にあった施設か覚えていないが、廃坑になった露天掘りの炭鉱跡(形状はすり鉢状)に建つ「赤毛のアン」の家が思い出される。平日ということもあり人影はなく、なぜ「赤毛のアン」なのか分からなかった。話は変わるが夕張市の財政を破たんさせた張本人である元夕張市長「中田鉄治」氏の名字の順番を替えると「田中」になる。私が住んでいる街の市長の名字だ。
(代表 天野 市栄)

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財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その2)

2015年6月10日トピックス

■炭鉱で栄えた街、夕張市
 夕張市は明治初期から炭鉱の街として栄えた街だ。1888(明治21)年に大鉱脈の発見に伴い多数の炭鉱が拓かれ、国内有数の産炭地として活況を呈した。1960(昭和35)年には夕張鉱業所(北炭)・平和鉱業所(北炭)・大夕張鉱業所(三菱)の三大鉱業所を中心に関連産業も発達し、この年に市の人口も116,908人と最多となった。

 しかし、昭和30年代後半以降エネルギー革命が進行、海外炭との競争、相次ぐ事故、国の石炭政策の後退に直面。その後の鉄鋼不況により需要は伸びず、1973(昭和48)年の大夕張鉱業所の閉鎖を機に閉山が相次ぎ、さらに1981(昭和56)年には市内屈指の規模を持つ北炭夕張新炭鉱でガス突出事故が発生。運営会社が倒産するなど石炭産業の衰退に拍車がかかった。安価・良質な海外資源へのなだれ現象、そして政府の合理化政策の前に各炭鉱の経営はジリ貧となり、企業は国内の炭鉱から次々と撤退。国内第一の規模・炭質を誇った夕張もその例外ではなかった。1990(平成2)年に最後まで残っていた三菱石炭鉱業南大夕張炭鉱が閉山した。

 元々炭鉱により開かれた夕張市は、大規模な農業にも向かない地域だった上に石炭産業以外の産業基盤がなかったことから、働き手の若者が雇用を求めて都市へ流出し人口が激減した。街には高齢者が残る結果となり、急速に少子高齢化が進んだ。最盛期からの夕張市の人口減少率は全国の自治体でもトップクラスである。(2015(平成27)年5月時点の人口は9,295人。55年間で人口がなんと10分の1以下になった!)現在は気温の寒暖差を生かしたメロン栽培(夕張メロン)、花畑牧場、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭など観光の町として町おこしを進めているが厳しい状況にある。
※次号に続く。  *出典:ウィキペディア フリー百科辞典
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者

財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その1)

2015年6月8日トピックス

■はじめに 
 高級メロンの代名詞になっている赤い果肉のマスクメロン「夕張メロン」の初競りが、先月22日に札幌市中央卸売市場で行われ、2玉150万円の高値で落札された。競りでは新潟県内のスーパーが札幌市内の仲卸会社を経由して落札した。新潟県内のスーパーが落札したこともあって、地元地方紙にも大きく取り上げられた。この「夕張メロンは」ご存知のとおり北海道夕張市が生産地である。また夕張市は高倉健(故人)主演の「幸福の黄色いハンカチ」の舞台になった街でもあり映画ファンならご存知の地名である。

 その夕張市の財政破たんが起きたのが2007(平成19)年である。2006(平成18)年には深刻な財政難のあおりを受け、2007(平成19)年3月6日付けで地方財政再建促進特別措置法(現在は廃止)に基づく「財政再建団体」に指定され事実上財政破たんした。夕張市の財政破たんが契機となって「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が新たに制定された。夕張市はこの財政健全化法が完全施行された2009(平成219年4月1日からは「財政再生団体」となり、「財政再生計画」を策定して財政再建に取り組んでいる。この財政再生計画が終了するのが2027(平成39)年3月と、実に18年間という長い期間だ。財政健全化法の施行後、「財政再生団体」に指定されたのは全国で夕張市だけである。

 夕張市の財政の窮状をなんとかしようと奮闘しているのが青年市長の鈴木直道氏(現在34歳)だ。鈴木市長は東京都庁職員出身で石原東京都政時代に夕張市に2度派遣された異色の経歴を持つ。鈴木直道氏は2010年11月30日に東京都を退職し、翌年4月に実施された夕張市長選挙で新人3人の対決を制して初当選した。現在2期目。

 夕張市のホームページを見ると、トップページに「夕張市の借金時計」というバナーがある。このバナーをクリックすると、借金の種類と会計別に借金の残高が1秒毎に示されている。本日(6月8日)12時時点の借金は、再生振替特例債(財政再生団体に認められる赤字地方債)が275億9928万円、再生振替特例債を含む一般会計の借金が387億13万円、全会計(一般会計+特別会計+企業会計)の借金は408億614万円である。今回からシリーズで財政破たんした北海道夕張市の「現在・過去・未来」を私見を交えてお伝えしたい。※次号に続く。

(あとがき)
 今年4月に行われた夕張市長選挙は鈴木直道氏が無投票で再選された。財政再建の終了まであと12年もかかる難題に果敢に取り組もうという意欲ある人材(特に若者)が現職以外にいなかったのではないかと考えている。それを裏付ける資料がある。国立社会保障・人口問題研究所が2013(平成25)年3月27日に公表した市区町村別の推計人口である。夕張市の人口(今と将来)みると、2015年の推計人口が9,257人。25年後の2040年の推計人口が3,883人。減少率が58.1%。働いている世代(人口▼65.3%)とこれから働く世代(人口▼67.3%)の人口減少が顕著だ。
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないといって子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者