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財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その7)

2015年6月22日トピックス

 夕張市は、2007年(平成19年)3月6日に地方財政再建促進特別措置法(現在は廃止)に基づく「財政再建団体」に指定され事実上財政破たんした。この時に策定された「財政再建計画」から、過酷なまでの住民負担増と住民サービスの切り下げ、議会を含む行政機構に対する容赦なきリストラ策が読み取れる。以下、再建計画の概要(要点)を示す。
1.なぜ財政破綻したのか
○地域振興のための観光施設整備による公債費(借金返済)等の負担や第三セクターの運営に対する赤字補てんの増大などにより財政負担が増加し歳出(支出)規模が拡大
○財政状況が逼迫(ひっぱく)する中で、一時借入金を用いた会計間での年度をまたがる
貸付、償還という不適正な会計処理により赤字決算を先送りさせて実質的な赤字額が膨張

2.過酷なまでの住民負担増と住民サービスの切り下げ
■住民負担増(主なもの)

・個人市民税:均等割 3,000円 → 3,500円、所得割 6.0% → 6.5%
・固定資産税: 1.4% → 1.45%
・軽自動車税: 現行税率の 1.5 倍
・施設使用料: 50%引き上げ
・下水道使用料 :1,470円/10㎥ → 2,440円/10㎥
・各種交付手数料等 各種交付・閲覧等:150 円~ 200 円引き上げ
・各種検診料:100円~500 円引き上げ
・ゴミ処理手数料(新設): 家庭系混合ごみ(2円/㍑)・粗大ゴミ(20 円/㎏)等

■住民サービスの切り下げ(廃止した住民サービス(主なもの))
(一般市民向けサービスの廃止)
・通院交通費助成・通院交通費の復路助成
・防犯灯設置費及び電灯料補助・町内会等の防犯灯の設置、電灯料に対する市補助金
・交通安全対策事業費補助・交通安全市民運動推進員会等に対する市補助金
・人権擁護委員会補助・委員会に対する市補助金
・保健活動推進協議会補助・協議会に対する市補助金
・青少年相談センター運営・相談センターに対する運営経費
・敬老祝金贈呈・高齢者の長寿に対する祝金贈呈
・配食サービス・高齢者の居宅に対する配食経費

(高齢者・障がい者向けサービスの廃止)
・敬老祝金贈呈
・配食サービス・高齢者の居宅に対する配食経費
・精神障がい者通所交通費補助・精神障がい者の通所事業に対する交通費一部助成
・身体障がい者スポーツ大会参加費補助・障がい者の機能回復を図る道大会参加費用への市補助金
・重度身体障がい者福祉タクシー料金給付・重度障がい者のタクシー利用料金の一部助成
・老人クラブ活動費補助・老人クラブ連合会等の活動費に対する市補助金
・老人福祉大会事業費補助・高齢者の文化活動行事に対する市補助金

(子ども向けサービスの廃止)
・子育て支援センター設置・育児相談、子育てサークル実施経費
・全市小中学校鑑賞教室・小中学生の芸術文化鑑賞経費
・児童生徒石炭の歴史村見学・歴史村施設見学料に対する市補助金
・連合PTA行事費補助 ・連合PTA の事業に対する市補助金
・小中学校PTA 運営費補助 ・各小中学校のPTA 経費の一部に対する市補助金

(あとがき)
 「財政再建計画」が公表される半年ほど前の2006年(平成18年)9月4日に「夕張市における財政再建の基本的な考え方」が市民に示されている。「財政再建計画」では厳しい内容が示されることは夕張市民も覚悟していたのではないかと思わる。「その5」で2006年から2007年の2年間で人口が1割近く減少したことを述べたが、負担増とサービスの低下から逃れようと考えた市民、特に市職員をはじめ働く世代(生産年齢人口:15歳~64歳)が大量に市外に流出したのではないかと考えている。
 再建計画では「高齢者(65歳以上)人口は、5,160人(平成17年国勢調査)で総人口(13,001人)の約40%を占めており、全国都市の中で最も高い割合となっている。(中略)また、15歳未満の年少人口の割合も約8%と全国都市で最も低い割合となっており、…」との記述がある。
※次号に続く。
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないと言って子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者