財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その8)
夕張市は、2007年(平成19年)3月6日に地方財政再建促進特別措置法(現在は廃止)に基づく「財政再建団体」に指定され事実上財政破たんした。この時に策定された「財政再建計画」から、過酷なまでの住民の負担増とサービスの切り下げ、議会を含む行政機構に対する容赦なきリストラ策が読み取れる。以下、再建計画の概要(要点)を示す。
■住民サービスの切り下げ(廃止した住民サービス(主なもの))
(休止・廃止する公共施設)~子どもや高齢者の行き場がなくなった!
・連絡所:5か所
・集会施設:4か所
・衛生施設:共同浴場1か所、公衆便所5か所
・公園等施設:公園13か所、コミュニティー花壇5か所
・体育施設:9か所
・教育施設:小学校7校→1校、中学校4校→1校
・社会教育施設:図書館など2か所
・福祉施設:養護老人ホーム1か所
・その他:2か所
■行政機構に対する容赦なきリストラ
財政破たんを招いた執行機関(市長など三役、市職員)や議決機関(市議会議員)の責任は重い。行政機構(執行機関・議決機関)に対するリストラ策(歳出削減)の主なものは、以下のとおり。
(特別職給与・給料)
・市長:862千円 → 259千円
・助役:699千円 → 249千円
・教育長:589 千円 → 239千円
・三役(市長・助役・教育長)手当:期末手当(80%以上削減)、退職手当(当分の間未支給)
(一般職給与等)
・職員数:(H18)269人 → (H22)103人 (4年間で166人減)
・給 与: 基本給平均30%削減、各種手当の削減
※平均年収:640万円 → 400万円、管理職(820万円 → 440万円)
(議員報酬等)
・議員定数:18人→9人(H19一般選挙から)
・議員報酬: 議長371千円 → 230千円、副議長321千円 → 200千円、議員301千円 → 180千円
・期末手当支給率:4.45月 → 2.45月
※次号に続く。
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないと言って子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)