財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その5)
■夕張市が財政破たんした後、市民の暮らしはどうなったか
○市民負担の増大
2007年(平成19年)年3月6日付けで「財政再建団体」(財政破たん)に指定されたことにより、「再建計画」に基づく容赦なきリストラが始まった。まずは市民生活。市民負担が大幅に増大し市民生活に大きな影響が出てきた。主なものを挙げれば次のとおり。
1.市税の税額(税率)の引き上げ
・市民税の個人均等割額が3,000円から3,500円に引き上げ
・固定資産税が1.4%から1.45%に引き上げ
・軽自動車税が現行税率の1.5倍に増額
・入湯税150円の新設
2.各種公共料金の引き上げ
・ごみ処理が一律有料化
・公共施設の使用料が5割増
・下水道使用料について、10㎥あたりの使用量が1,470円から2,440円に値上げ
・保育料について、3年間据え置き後7年間で段階的に国の基準にまで引き上げ
・敬老パスについて、個人負担額を200円から300円に引き上げ
3.各種公共施設の廃止
・7ヵ所あった公衆トイレが2か所だけ残して廃止
・南部コミュニティセンターは、使用料引き上げ、町内会などによる管理運営を条件に存続
・スイミングセンターは、2008年(平成20年)3月に雪の重みにより屋根の一部が崩落し使用不能となり取り壊し
・図書館は、蔵書を保健福祉センターに移設し廃止
これらの影響もあって市外への人口流失(転出者)が相次ぎ、2006年、2007年の2年間で人口が1割近く減少した。
※次号に続く。*出典:ウィキペディア フリー百科辞典
(参考)「財政再建団体」指定(2007年)前後の人口移動(人口流出)
2006年 13,045人
2007年 12,307人(2006年と比較して▼5.7%)
2008年 11,847人(2006年と比較して▼9.2%)
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないといって子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)