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財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その1)

2015年6月8日トピックス

■はじめに 
 高級メロンの代名詞になっている赤い果肉のマスクメロン「夕張メロン」の初競りが、先月22日に札幌市中央卸売市場で行われ、2玉150万円の高値で落札された。競りでは新潟県内のスーパーが札幌市内の仲卸会社を経由して落札した。新潟県内のスーパーが落札したこともあって、地元地方紙にも大きく取り上げられた。この「夕張メロンは」ご存知のとおり北海道夕張市が生産地である。また夕張市は高倉健(故人)主演の「幸福の黄色いハンカチ」の舞台になった街でもあり映画ファンならご存知の地名である。

 その夕張市の財政破たんが起きたのが2007(平成19)年である。2006(平成18)年には深刻な財政難のあおりを受け、2007(平成19)年3月6日付けで地方財政再建促進特別措置法(現在は廃止)に基づく「財政再建団体」に指定され事実上財政破たんした。夕張市の財政破たんが契機となって「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が新たに制定された。夕張市はこの財政健全化法が完全施行された2009(平成219年4月1日からは「財政再生団体」となり、「財政再生計画」を策定して財政再建に取り組んでいる。この財政再生計画が終了するのが2027(平成39)年3月と、実に18年間という長い期間だ。財政健全化法の施行後、「財政再生団体」に指定されたのは全国で夕張市だけである。

 夕張市の財政の窮状をなんとかしようと奮闘しているのが青年市長の鈴木直道氏(現在34歳)だ。鈴木市長は東京都庁職員出身で石原東京都政時代に夕張市に2度派遣された異色の経歴を持つ。鈴木直道氏は2010年11月30日に東京都を退職し、翌年4月に実施された夕張市長選挙で新人3人の対決を制して初当選した。現在2期目。

 夕張市のホームページを見ると、トップページに「夕張市の借金時計」というバナーがある。このバナーをクリックすると、借金の種類と会計別に借金の残高が1秒毎に示されている。本日(6月8日)12時時点の借金は、再生振替特例債(財政再生団体に認められる赤字地方債)が275億9928万円、再生振替特例債を含む一般会計の借金が387億13万円、全会計(一般会計+特別会計+企業会計)の借金は408億614万円である。今回からシリーズで財政破たんした北海道夕張市の「現在・過去・未来」を私見を交えてお伝えしたい。※次号に続く。

(あとがき)
 今年4月に行われた夕張市長選挙は鈴木直道氏が無投票で再選された。財政再建の終了まであと12年もかかる難題に果敢に取り組もうという意欲ある人材(特に若者)が現職以外にいなかったのではないかと考えている。それを裏付ける資料がある。国立社会保障・人口問題研究所が2013(平成25)年3月27日に公表した市区町村別の推計人口である。夕張市の人口(今と将来)みると、2015年の推計人口が9,257人。25年後の2040年の推計人口が3,883人。減少率が58.1%。働いている世代(人口▼65.3%)とこれから働く世代(人口▼67.3%)の人口減少が顕著だ。
~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないといって子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者