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評論「政治とカネ」(第5回)

2018年11月7日ニュース

 政治家(公職に就いた者)に渡されたカネについては、「収賄罪」や「あっせん利得罪」が成立するケースがあります。あっせん利得罪は第三者の依頼を受けて、行政機関の公務員に口利きをし、その見返りに報酬を得ることを禁じるために、2000年に制定された「あっせん利得処罰法」に基づく刑罰です。収賄罪はその職務に関して賄賂を受け取る、賄賂の要求や約束をした場合に成立しますし、あっせん利得罪はその権限に基づく影響力を行使して行政機関の公務員に職務上の行為をさせるよう働きかけた場合に成立します。

 政治家による最近のあっせん利得処罰法違反疑惑として、2016年1月に甘利明経済財政担当相(当時)や秘書がUR(独立行政法人都市再生機構)の道路用地買収に関して「口利き」を行い、業者から多額の金品を受領していたことを報じた週刊誌による報道が思い出されます。甘利氏がURを所管する国土交通大臣ではなかったことから、成立要件を満たさない(権限外)として不問に付されたと記憶しています。「収賄罪」や「あっせん利得罪」も犯罪の成立に必要な「職務との関連性」や「権限」が立件上の大きな壁となって、結局、政治資金規正法違反の軽い処罰(罰金)で終わってしまうケース多いように思われます。政治献金や予算など政治家に関係の深いとお金の話については「首長が持つ二つの財布(カネ)」で詳しくお話します。

 ここで、東京佐川急便からヤミ献金を受け取った元新潟県知事の金子清氏による東京佐川急便に対する「行政上の便宜供与」について考えてみますと、思い当たる事があります。東京佐川急便の営業拠点開設のために提供された土地(田んぼ)についてです。圃場整備(区画整理)して間もない農地(田んぼ)が転用され、開発用地に提供されたものと記憶しています。圃場整備とは、点在する小区画の田んぼを所有者(耕作者)ごとに集め、大区画の田んぼに整備する公共事業(農業土木事業)です。事業費は国・県・市町村・農家の四者で負担しますが、大規模経営の農家(担い手農家)に田んぼを集約する場合は、国(農林水産省)から交付される補助金(税金)によって農家負担がほぼゼロになるケースもあります。詳しくは「農業と建設業の親和性(土地改良事業)」で説明します。

 くだんの佐川急便の営業拠点は高速道路と国道が交差するインターチェンジ付近にあります。物流拠点としては最適な場所ですが開発前は農地でした。圃場整備事業(公共事業)は農業振興地域内にある農地を対象に行われますが、整備後、農業以外の用途への転用は厳しく制限されています。その農地がいとも簡単に農業振興地域から外され、農業以外の事業用地に転用されたのです。なお農業振興地域の指定や解除の権限は都道府県知事にあります。事件がマスコミ報道された当時、私は県庁の本庁職場に勤めていました。私はそれまでの間、農地・農業行政の職場に6年間在籍していたこともあり、農地に対する開発規制に関しある程度の知識を得ていました。金子清氏に対する東京佐川急便のヤミ献金事件の報道に接し、農業振興地域から除外と農地の転用許可に関し知事による行政上の便宜供与が行われたのではないかと疑念を持ちました。

 「それじゃ、A市の市長を経験したあんたの場合、便宜供与はなかったのか?」と質問されそうですが、「支持者から依頼を受けたことはありますが、天地神明に誓って、そのような事は一切ありませんでした」とお答します。
(作:橘 左京)

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posted by 地域政党 日本新生 管理者