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評論「政治とカネ」(第4回)

2018年11月5日ニュース

 国政についての話はここで一旦閉じて地方政治に目を向けて話を続けます。私の約26年間の県職員時代を振り返ってみますと「政治とカネ」にまつわる出来事として印象深く記憶に残っている事件があります。1993年に発覚したゼネコン汚職です。ゼネコン各社から中央及び地方政界に多額の賄賂が送られていた事件ですが、金丸信元自民党副総裁の脱税事件で押収された資料をきっかけになり明らかになりました。この事件では、東京地検特捜部による捜査の結果、建設相、宮城県知事、茨城県知事、仙台市長が逮捕されました。

 また、これとは別に金丸氏は東京佐川急便から5億円のヤミ献金を受領したとし、政治資金規正法違反で略式起訴され、東京簡易裁判所から罰金20万円の略式命令を受けました。金丸氏に対する東京地検の寛大な処分(略式起訴)に対し、国民から厳しい批判の目が向けられ、検察庁の表札にはペンキがかけられたことが思い出されます。ちなみに検察機構は法務省が所管していますが、政界汚職に対し、過去には検察当局に対する法務大臣の指揮権発動が疑われたこともありました。寛大な処分で終わった金丸氏は世論の反発を受け、衆議院議員を辞職しました。この東京佐川急便によるヤミ献金疑惑は地方政治にも波及しました。当時、新潟県知事を務めていた金子清という方をご存知でしょうか。1989年6月に君健夫前知事の病気辞職に伴う県知事選挙で初当選しましたが、1992年9月に発覚した東京佐川急便によるヤミ献金事件により、任期途中で知事を辞職しました。その後、金子氏は政治資金規正法違反で在宅起訴され、東京地裁で禁固1年・執行猶予3年の有罪判決を受けています。

 国政であれ地方政治であれ、そもそも、個人や団体が政治家に政治献金(政治資金規正法では「寄附」)をする目的・意図は何でしょうか?政治献金をする側からすれば、行政からの見返りや有利な取り扱いを期待しているものと考えられます。もう少し詳しく説明しますと、自分(自分達)に対する優先的な補助金(税金)の分配や寛大なる許認可権の行使などを通じた行政上の便宜供与への期待です。政治献金をした民間人(民間団体)と政治献金を受け取った政治家(政治団体)との間に「ギブ&テイク」の関係が生まれます。献金をした側からすれば、「ギブ(与える)」は寄附(カネ)であり、「テイク(貰う)」は行政上の便宜供与ということになります。また献金を受けた側からすれば、「ギブ(与える)」は行政上の便宜供与であり、「テイク(貰う)」は政治献金(カネ)であり、選挙の際の集票マシンとしての期待です。ここで注意したい点は、政治献金が行政上の便宜供与の見返りとして、政治家本人に渡された場合、状況・態様によっては贈収賄になるケースがあります。また集票行動についても、有権者に金品を配ったり飲食の提供をすれば公職選挙法違反の買収になります。

 さて、行政上の便宜供与を行使できる立場の政治家とは誰のことでしょうか?国政であれば政務三役ですし、地方政治であれば首長(都道府県知事、市区町村長)です。これら行政機関の長やそれに並ぶ政治家(政務三役や首長)は行政機構の持つ予算配分権(編成権と執行権)と強大な許認可権とを掌握・行使する立場にある人達だからです。一方、行政上の便宜供与を行使できる立場にない(行政機関の役職に付いていない)国会議員や地方議員の場合は仲介役として、権限を持っている首長や行政機関の担当職員(幹部職員)に対し「口効き」を行います。依頼者から受けた口利きの対価はカネ(政治献金)や票です。政務三役であれ首長であれ、いずれも公選、すなわち有権者よる選択(投票)によって、公職に就いた人達(政治家)です。
(作:橘 左京)

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posted by 地域政党 日本新生 管理者