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財政破たんした北海道夕張市の現在・過去・未来を考える(その13)

2015年7月10日トピックス

■夕張市は自力での再建は無理だ。~ガバナンス(統治能力)を欠いた自治体は消滅させるべきだ(前編)
 夕張市の財政立て直しに向けて孤軍奮闘しているのが、東京都職員出身の鈴木直道市長(34才)だ。今年4月に行われた市長選挙で再選(無投票当選)を果たし現在2期目だ。昨年1月12日付けの日本経済新聞で、「夕張破綻 青年市長の奮闘」という見出しで鈴木市長の寄稿が掲載されていた。以下、この寄稿の中で印象に残った部分を紹介する。
 ・財政破たん後のごみの有料化、軽自動車税、市民税・道民税、公共施設の利用料金の大幅な引き上げを例に挙げて、「破綻すると空気のようなものだった『行政』を嫌でも意識します。」
 ・「古い法律で『財政再建団体』になった自治体は夕張以外にもたくさんありました。ただ、夕張の抱えた赤字の金額(353億円)が半端でなかったのです。自分たちの裁量で使える財源(自主財源)の8倍の借金を抱えていたのです。」
 ・「夕張市民は負担を増やされ、サービスも削減されたうえに、18年間、ただ借金を返すために暮らしていくことになりました。(中略)私はそのことに大変な恐怖を覚えました。全市民が借金を返すためだけに働き続けるということのむなしさを、だれも何も考えていないんじゃないか、と思ったんです。」
・「自分の住んでいる自治体が破綻すれば、さまざまな不便が降りかかります。ところが実感としてとらえることは難しい。夕張が破綻したとき、市民もニュースで知ったような状況だったのです。」
 この寄稿を読んで感じたことは、夕張市の将来を見通せない、夢・希望が見いだせない鈴木市長の苦悩ぶりと、事が(財政破たん)起きても、それが不便・不利益・負担となって、実際に我が身に降りかからないと分からない住民意識が見事に表現されている。

 夕張市の財政破たんの引き金を引いた中田鉄治元市長(故人)、中田市政当時の市議会議員や市の幹部職員の責任を不問にしてよいのであろうか。特に市政の最高責任者だった中田元市長の責任は重い。中田元市長の失政(破産した石炭会社の従業員向けインフラの買収、観光産業の放漫経営など)は夕張市(自治体)に対する背任行為だ。民間企業であれば、会社の取締役に適用される特別背任罪にも該当する行為でなかったかと考えている。

 また、このような市長や市議会議員(公職)を選んだ当時の夕張市の有権者(市民)にも責任はある。はたして夕張市の有権者(市民)に「住民自治」の意識があったのか疑問に感じている。「住民自治」は、住民自らが政治や行政に参加することによって住民の意思を地方政治に反映させようとする考え方で、「団体自治」と並んで地方自治を支える車の両輪である。「住民自治」は長や議員の選挙、住民発案、リコール(長・議員の解職請求)、議会の解散請求などとして制度化されている。民意に反するような市政が行われているならば、任期途中であっても市長や市議を首にすることができる(解職、議会解散)。夕張市の財政破たんは、「事なかれ主義」「長い物には巻かれよ」といった現状維持や無関心な住民意識が招いた必然(当然の帰結)という側面も否定できない。※次号に続く。

~「誰が返すのかこの借金!こんな街に住みたくないと言って若者は出ていく。こんな街には生まれたくないと言って子どもの数は減っていく。」~
(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者