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評論「政治とカネ」(第15回)

2018年12月5日ニュース

 次に、首長が持つ二つ目の財布、「政治献金」についてお話したいと思います。「政治献金」は、政治家個人や政党などの政治団体が行う政治活動の経費に充てるために個人や会社・労働組合などの団体、他の政治団体から受け取る寄附のことを言います。「政治献金」は政治資金規正法によって入口(収入)と出口(支出)が規制されています。余談になりますが、「規正」と「規制」、読みは同じ「キセイ」でも意味が違います。「規正」は規則に従って悪い点を正し改めることですし、「規制」は規則に従って物事を制限することです。
 
 最初に政治献金の入口について説明します。政治活動の主要な資金源である政治献金は政治資金規正法という規則(法律)によって、誰(寄附者)から誰(受領者)に対する寄附かによって制限を加えています。寄附者については、個人、会社(労働組合)などの団体、政党・政治資金団体、その他の政治団体の四者区分されています。受領者については、政党・政治資金団体、その他の政治団体、政治家の三者に区分されています。
 政治献金は寄附者が個人か団体かによって、「個人献金」と「団体献金」の二つに分類されます。「個人献金」は寄附者が個人(政治家本人を含む)で、「団体献金」は寄附者が会社(労働組合)など、政党・政治資金団体、その他の政治団体です。
規正法は寄附者に対する制限(同一者への年間寄附額)について規制しています。
 最初に「個人献金」についての規制です。政党・政治資金団体に対しては寄附額の制限はありませんが、その他の政治団体や政治家に対しては年間150万円までとなっています。次に「団体献金」ですが、寄附者と受領者によって、寄附額について「制限なし」、「制限あり」、「禁止」に区分されています。寄附者が会社(労働組合)などの団体の場合、政党・政治資金団体に対しては、団体の規模(資本金、組合員数)に応じて、年間の寄附額が750万円から1億円までの範囲となっていますが、その他の政治団体や政治家に対する寄附は禁止されています。寄附者が政党・政治資金団体の場合、受領者に関係なく、寄附額に制限が設けられていません。寄附者がその他の政治団体の場合、政党(政治資金団体)に対する寄附額の制限はありませんが、その他の政治団体に対しては年間5000万円までとなっています。政治家に対しては金銭による寄附は選挙運動に関する場合に限定されています。余談になりますが、政党や党内の派閥が所属議員に配る活動資金のことを餅代(年末に配る資金のこと、夏場に配る資金は「氷代」という)と言いますが、選挙の時期になると政党から公認候補者に支給される資金(団体献金)がこれにあたります。「個人献金」と比較して「団体献金」は複雑な仕組みになっています。このように「カネの入口」の一つである政治献金は寄附者と寄附額について、かなり厳しい規制が設けられています。
 政治献金(寄附)は政治団体が行う政治活動を支える主要な資金源ですが、この他に個人が負担する党費や会費、機関紙誌などの発行による収入、政治資金パーティーの開催収入、個人や金融機関からの借入金、政党本部から支部間への交付金などがあります。政治献金など政治団体が受け取る資金(収入)と支出(カネの出口)全て記帳され、政治資金収支報告書として、都道府県選挙管理委員会に届け出なければなりません。

 このように政治献金(カネの入口)は厳しく規制されているように思われますが、この規制が順守されているかどうかを検証する術がありません。選挙管理委員会に提出された政治資金収支報告書は計数の誤り、誤謬など記載内容についての形式的な審査を受けるだけで受理されてしまうからです。現職大臣(政治家)が関係している政治団体が談合や脱税で摘発された企業から政治献金(団体献金)を受けていたなどとして、時折、マスコミ報道によって公になることがありますが、事件が表に出てくると、関係する政治家からは「秘書(会計責任者)に任せていたので分からなかった」とか、「受け取った寄附は返還した(返還する)」とか、責任回避や見苦しい答弁が返ってきますが…。

 政党の政治活動を資金面で支えているのは政治献金だけではありません。「政党交付金」という公的資金(税金)もあります。1994年から始まった政党交付金は政党助成法に基づき政党の政治活動費に対して国が交付する政党交付金の原資は税金です。政党交付金を受けるには所属する国会議員(現職)が5人以上いることが条件になります。総務省が公表した平成30年度の政党交付金は総額287億円3073万円です。国民一人あたりの負担額でみると250円となっています。各政党に配分された政党交付金は次のとおりです。日本共産党は「企業団体献金禁止を名目に助成制度を作ったにもかかわらず、現在も企業団体献金を残しているのは有権者への裏切り」として政党助成制度の廃止を主張しており、助成金受け取り団体に登録していません。
 自由民主党        17,489,896千円
 立憲民主党         2,764,303千円
 希望の党          3,042,954千円
 公明党           2,948,431千円
 民進党           3,569,599千円 
 日本維新の会        1,309,363千円
 自由党            269,189千円
 社会民主党          369,947千円
 ※総務省公表資料から
(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第14回)

2018年12月2日ニュース

 「補助か単独か」、「公共か非公共か」で分類すると4つの組み合わせが出来上がります。この4つの組み合わせについて、ア首長の裁量権の有無(強・弱)、イ予算規模(大・中・小)、ウ資金(税金)の交付対象者のそれぞれについて分類します。
 最初に「公共/補助」からです。国の補助対象になっている公共事業ですが、首長は国に対して補助事業として採択申請をするかどうかを判断するだけで、それ以上の裁量権はありません。しかし、国からの補助金も含めて事業予算が編成されることから予算規模は大きくなります。一事業当たりの予算額が数10億円規模にもなることもあります。資金の交付対象者は施工業者です。工事を施工した建設業者が請負代金として受け取ります。
 次は「公共/単独」です。首長の裁量権が働く公共事業ですが、国からの補助がないため予算規模は補助事業と比べて小さくなります。一事業あたりの予算額も数千万円、小さい工事だと数百万円規模になります。資金の交付対象者は施工業者です。工事を施工した建設業者が請負代金として受け取りますが、金額は「公共/補助」よりも少なくなります。
 3番目に「非公共/補助」です。国の補助対象になっているソフト事業ですが、首長の裁量権は働きません。予算規模や一事業当たりの予算額は大きくなります。資金の交付対象者は要件に該当する全ての個人(住民)や団体(企業も含む)ですが、個人と団体とで対象者数を比較すれば圧倒的に個人の方が高くなります。
 最後に「非公共・単独」です。首長の裁量権が働くソフト事業ですが、予算規模や一事業当たりの予算額は「公共/単独」よりも小さくなります。資金の交付対象者は要件に該当する全ての個人(住民)や団体(企業も含む)です。しかし首長の意向次第で、個人と団体の配分比率を変えることも出来れば、特定の団体だけを交付対象にしたり、手厚く配分したりすることも可能です。個人と団体とで対象者数を比較すれば圧倒的に個人の方が多くなります。
 これらを表にまとめると次のとおりとなります。
[公共・補助]
ア首長の裁量権:無、弱
イ予算規模:大 首長の裁量権:無、弱
ウ交付対象者、数:施工業者、数は少ない
[公共・単独]
ア首長の裁量権:有、強
イ予算規模:中、小
ウ交付対象者、数:施工業者、数は補助よりも多い
[非公共・補助]
ア首長の裁量権:無、弱
イ予算規模:大
ウ交付対象者、数:要件に該当する個人や団体(企業も含む)、数は多い
※個人が圧倒的に多い。
[非公共・単独]
ア首長の裁量権:有、強
イ予算規模:大
ウ交付対象者、数:要件に該当する個人や団体(企業も含む)、数は補助よりも少ない。
 ※首長の意向によって、個人と団体の配分比率を変更、特定の団体だけを交付対象にしたり、手厚く配分したりすることも可能

 予算編成時期(地方自体の場合、政府予算案が示された年明け後)になると、様々な団体による予算陳情が行われます。予算陳情には必ず関係する議員が紹介議員として同席します。都道府県や政令市・県庁所在市の予算陳情はマスコミ報道されることが慣例になっているようです。
 予算の陳情を受けた首長は「検討します」、「配慮します」などと答えますが、裁量的経費(「公共・単独」や「非公共・単独」)については、首長を支持する与党議員(与党会派)や支持団体との間で行われる水面下での調整で決まります。というのは、非公式の場(秘密の会合)で調整が行われるということです。昼間であれば首長の執務室ですし、夜間であれば宴席が多いようです。執務室では秘書など職員は所払いされます。宴席であれば料亭の個室です。秘密の会合は外部からは遮断された場所(料亭など)で行われ、会合には首長と首長を支持する議員や支持団体の代表など関係者しかいません。ドラマや映画でよく見かけるシーンですね。
(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第13回)

2018年11月30日ニュース

 一方、出口である決算についてはどうでしょうか。予算がお金を使う前に決める計画であれば、決算はお金を使った後に出てくる結果です。決算は翌年度に開催される議会において、適正な執行であったかどうか審査に付されます。適正な執行と審査されると、決算は認定されます。議会が決算を認定しなくても、予算の執行が無効になるわけではありません。しかし、使い終えたもの、使った後のお金のことについては、議会(議員)はあまり関心がないようです。「出口は甘くは」という言葉は、そういう意味で使っています。決算は首長に対する議員のロビー活動(自身の支持者・支持組織への予算獲得活動)の成果が反映されていますから、決算を見てほくそ笑む議員(与党派議員)もいれば、臍をかむ議員(野党派議員)もいるのではないかと考えています。
 
 ところで、首長の裁量で決まる経費とはどのような事業でしょうか?それは事業費の全額について、税収や地方交付税など、使い道が自由な財源を充てることができる「単独事業」です。この単独事業に対して、事業費の一部として国からの補助金を充当できる「補助事業」があります。国の各省庁が所管する補助事業は事業目的(資金使途)が細かく定められているため、首長の裁量は働きません。首長は、国に対し事業採択の申請を行うかどうかを判断するだけです。しかし、かなりの程度、首長の裁量が働く補助事業があります。第二次安倍政権時に打ち出された「地方創生」です。当時の担当大臣は石破茂地方再生大臣でした。「地方創生」は総理直轄の行政機関である内閣府が所管する補助事業です。補助率が10割と破格な扱いです。地方負担が一切なく、その上、首長の裁量が働く補助事業ですから全国自治体はこぞって手を挙げました(採択申請)。

 補助事業も単独事業も「公共」と「非公共」に区分されます。「公共」というのは公共事業(ハード)のことですし、「非公共」は公共事業以外のソフト事業のことです。予算規模、一件当たりの事業費は「公共」の方が「非公共」よりも大きくなります。
 ここで注意していただき点は、国が地方に交付する補助金は「非公共」になりますが、補助金を貰った地方がその資金を公共事業予算に充てれば「公共」に分類されます。平成26年9月に安倍政権の看板政策の一つとして打ち出された「地方創生」をご存知でしょうか。この政策は、表向きの理由は地方の人口減少と衰退に歯止めをかけるための政策になっていますが、私が市長を務めたA市おける「地方創生」関連予算の執行状況などから察すると、全国の自治体にばら撒かれた「地方創生」関連の補助金の多くが公共事業予算に回されたのではないかと考えています。「地方創生」が前回行われた地方統一選挙がらみの政策だったことを考えますと、本当の目的は、政権与党の地方議員が選挙戦を有利に展開するための方策だったのではないかと考えています。予算の編成権・執行権を持つ首長と地方統一選挙を控えた政権与党の地方議員が手を組めば可能になります。私が住んでいるA市では首長と地方議員は親密な関係にあります。来年4月に地方統一選挙がありますが、政権与党は選挙対策のためどのような「我田引水」的な政策を打ち出してくるのか注視しています。

 最後に私が市長だった頃のことをお話しますと、私が市長に就任した当時、A市の財政は危機的な状況下にありました。合併前後に行われた過剰な公共投資によって、起債残高(借入金残高)が急激に増え、公債費(借入金返済額)が歳出予算の17%も占め、福祉など住民に身近な行政サービスに回す資金的な余裕はありませんでした。一方、公共事業については、起債制限はあるものの合併特例債(償還時に元利償還額の7割を国が負担)を活用できました。しかし、この合併特例債の起債枠(限度額)が限られていることや、活用できる期間が合併後10年という制約があったことから、公共事業を「無いと困る」ものと「有ればなお良い」とに仕分けして、「無いと困る」事業に合併特例債を充当しました。
 「無いと困る」公共事業として優先的に予算配分したのが小中学校施設の耐震化工事です。私が市長に就任する前のA市における小中学校の耐震化率は県内平均を大きく下回る状況だったからです。合併特例債のほか文部科学省の補助金も財源として活用しました。私が市長に就任して間もなく中国の四川省で大規模地震が発生しました。震災で多くの子供たちが犠牲になりました。中国四川省の大地震を受け、学校施設を所管する文部科学省が耐震化工事の補助率を引き上げたことも私の決断に後押ししてくれました。
 予算を審議し決算を認定する立場にあるのが議会ですが、私が市長に就任した当時の市議会の状況を申し上げますと、少数与党下での議会運営でした。26人(市長選の半年後に行われた市議選で定数22人に削減)中、私を支持する議員(与党派議員)がわずか8人しかいないという状況の中での議会運営を強いられました。数少ない与党派議員からは折に触れて、非公式の場(市長室や宴席)で要望(陳情)を頂きましたが、予算を伴うものについては、財施難を理由にお断りすることが多かったことを覚えています。このことが私の再選を阻んだ一因だと理解しています。
(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第12回)

2018年11月28日ニュース

 予算(決算)について「入口は厳しく、出口は甘く」の説明に移ります。予算は首長が編成し、議会で承認された後、首長が執行します。一方、決算は前年度に執行された予算のことで、議会による審査に付され、適正な執行と審査されると決算は認定されます。「入口」は予算、「出口」は決算(執行済みの予算)ということです。予算の編成と執行は首長の専権事項で、予算の承認や決算の認定は議会の専権事項です。「入口は厳しく」という言葉は、予算を巡って首長と議会の間で繰り広げられる駆け引きや主導権争いの意味で使っています。言わば首長(一人)と議会(多人数)とで争う一対多数のパワーゲームです。

 予算はその全てが首長の裁量で決まるわけではありません。人件費・公債費(借入金の償還費)・扶助費(生活保護費等)など、法令などにより支出が義務付けられ、任意に縮減できない性質の経費(義務的経費)があるからです。義務的経費については、国が負担金や委託金という形で財源の一部を負担します。一方、公共事業など、政策によって柔軟に縮減できる裁量性の高い性質の経費(裁量的経費)があります。裁量的経費の財源は、税収や地方交付税など地方自治体が自由に使えるお金のほかに、国庫補助金(特定の施策を奨励するため、または財政を援助するために国から地方自治体に交付される国庫支出金の一つ)を充てることもできます。国庫補助金の一例を挙げれば、平成26年9月に第二次安倍政権で示された「地方創生」です。「地方創生」は通称で正式には、「まち・ひと・しごと創生」ですが、この政策は東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけるとともに、国全体の活力を上げようと打ち出された第二次安倍政権の看板政策の一つですが、これは表向きの背景で、内実は翌年平成27年4月に行われる地方統一選挙について、政権与党とって有利に展開したいという思惑があったと理解しています。ちなみに当時の地方創生担当大臣は、自民党の総裁選挙に臨んだ石破茂氏でした。

 予算を承認する権限を持つ議会は、義務的経費については口を出せませんが、裁量的経費については、予算の増額に向けて、首長の専権事項である予算編成に首を突っ込むことができるのです。特に、国からの財源補てんがないため一事業あたりの予算額は小さくなりますが、これはソフト事業の場合であって、合併特例債が使える公共事業の場合、公共事業予算の予算規模は大きくなります。大規模化した公共事業予算を細分化し、地域(例えば小学校区や自治会単位)に分けて細かく分配すれば、地縁選出が濃厚な議員にとっては次の選挙を有利に展開でます。首長の自由裁量で決まる公共事業予算については、当年度の補正予算や次年度の当初予算に反映してもらうおうと、首長に対する与党派議員による働き掛けが強まります。地域代表として選出された与党議員にとっては、自身が住んでいる町内会や関係する小学校内で行われる小規模の公共工事予算の確保は、次の選挙を有利に展開するために必要な政治活動だからです。次の選挙に当選するために、自身が住んでいる地域や自身を支持する建設会社の支援を得るために欠かせない政治活動だからです。公共事業と政治との関係については、「農業と建設業の親和性(土地改良事業)」の項目で詳しくお話します。
(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第11回)

2018年11月26日ニュース

 国と地方公共団体の予算(歳入・歳出)科目について、二つ目の違いは地方公共団体の歳出科目に「給与関係経費」がありますが、国の予算科目にはありません。「給与関係経費」はそのほとんどが職員の人件費ですが、国の歳出予算には人件費の科目がないのはなぜでしょうか。国の職員の人件費は、政策経費である「一般歳出」に含まれているからです。この点について私は次のように理解しています。国は「政策官庁、地方は執行官庁」だからです。政策(仕事の内容)を考えるのが国(特に官僚)の仕事で、国が考えた政策を現場で実行するのが地方の仕事だという考え方です。人間の体に例えれば、頭(脳)が国で体(手足)が地方ということでしょうか。国は地方を手足として使うためのお金を地方に渡しています。地方の歳入科目になっている「国庫支出金」は、まさに国が地方を手足のように使うために地方に渡すお金です。
 
 皆さんは「地方分権」という言葉をご存知でしょうか?中央政府(国)に集中していた権限を地方政府(地方公共団体)に広く分散させることを言います。権限が国に集中している状況を「中央集権」と言います。国は地方分権一括法を制定(1999年7月公布)し、これまで国が持っていた権限を財源とセットで地方に移譲することを決めました。この法律に基づき「地方分権推進計画」を策定され、地方自治法をはじめ475件の法律の改正が行われました。

 しかし、地方分権一括法の施行によって地方分権が進展したという認識はありません。権限は地方に移譲しても、移譲された権限の行使に必要な財源が伴っていないのです。権限と財源の割合について、国と地方を比較しますと、権限(仕事の量)は、国の4に対し地方が6の比率になっています。一方、財源(お金の量)の方は国の6に対し地方が4になっていて、権限と財源が釣り合っていません。国は仕事量を超える(2割超)お金を持っています。これは何を意味するかと言えば、国が地方にお金を渡して国の仕事をさせているからです。国はお金の力で地方をコントロールしているのです。このお金のことを補助金(国庫支出金)と言います。平成30年度の地方財政計画では、歳入に占める国庫支出金の比率が約16パーセントになっています。
(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第10回)

2018年11月24日ニュース

 合併特例債は平成の大合併によって誕生した新しい市町村が、合併に伴い広域化した域内の道路を整備する、増加した住民ニーズに対応するために新たな公共施設を建設する、など合併建設計画に記載された事業を行う場合に事業費の財源として充当できます。この特例債は償還時に国が償還金(元利金)の七割を負担してくれますから、合併市町村にとっては、公共事業費の財源として合併特例債を優先的に使っています。
 合併後10年間しか使えないはずであった特例債が東日本大震災の発生(平成23年3月発生)や熊本地震(平成28年4月発生)など、国内で発生した大規模災害を機に発行期間が20年間に延長されました。特例債の発行期間が10年から20年に延長されましたが、特例債の借入限度額は増額にはなってはいません。
 
 そうなると行政や政治サイドはどういうことを考えるかというと、当初、合併建設計画になかった公共事業を追加して、特例債の借入限度額を使い切ってしまおうと考えるのが自然ではないでしょうか。国が償還金の7割を負担してくれる特例債を活用しないという選択はないでしょう。当然、新たな公共事業を合併建設計画に登載するための理屈付けが必要になりますが、行政当局間(国・県と市町村間)の調整で済んでしまうことから、変更(追加)は容易であると考えます。
 
 更には、自公政権が第二次安倍内閣時に打ち出した「国土強靭化基本計画」も少なからず特例債の「発行期間の延長と借入限度枠の使い切り」に手を貸しているものと考えています。国土強靭化基本計画は、地震などの大規模自然災害の発生に備えた国土整備を念頭に考え出された自民党の政策です。少子高齢化が急速に進み人口が緩やかに減少する日本の現状と将来を考えた場合、新たなインフラ整備(生活基盤や産業基盤の建設)には国民の理解が得られないことから、国土強靭化基本計画です。新規の公共投資は抑制し、既存の公共資産について、大規模な自然災害、例えば、地震に備えて耐震性を強化するなど、既設の公共資産を改修した場合に国が財政支援(財源補てん)を行うというものです。折しも、この国土強靭化基本計画は前回の地方統一選挙(2015年4月実施)に併せ、第二次安倍内閣によって打ち出された政策です。
 この国土強靭化基本計画は税金を国内に広く薄くばら撒くことで、地方統一選挙における自公の候補者にとって有利に展開しようとする政権与党の思惑が見え隠れしていました。その地方統一選挙が来年(2019年)4月にあります。前回のように選挙戦に勝利するための税金のばら撒きが行うれるのでしょうか。逆に自公政権にとっては逆風となりかねない消費税率の10パーセント引き上げがあります。三度目の延長があるかもしれません。

 話を本題に戻しますと、私が市長をしていたA市(平成16年4月に四町村が合併して誕生)でも、この合併特例債が使えます。A市の特例債の借入限度額は約211億円です。A市の平成30年度末時点の合併特例債の発行累計額(借入累計額)は154億円となり、借入限度枠の4分の3を費消したことになります。借入可能額は残り57億円となりますが、特例債の発行可能期間があと5年残っていますが全部使い切ってしまうのではないかと考えています。特例債の20年延長を機に、全国の合併自治体も同じことを考えるのでないでしょうか。
 問題は合併特例債の主要な返済財源となっている地方交付税による手当ができるのかということです。交付税の原資は国税五税(所得税・法人税・酒税・消費税・地方法人税)です。急速な少子高齢化(生産年齢人口の減少)の進展と緩やかな人口減少のなかで、これらの税収が増えるということは期待できません。税収を増やすには増税すれば良いのですが、増税を決めた政権が選挙で大敗することは歴史が証明しています。安倍政権は消費税の10パーセント引き上げをこれまで二度に渡って延期してきました。安倍総理は、来年10月に10パーセントに引き上げることを明言していますが、来年4月に行われる地方統一選挙や7月に実施される参議院選挙の結果次第では、消費税率の三度目の延期もあるのはないかと考えています。
 
 もちろんその間、解散総選挙(衆議院選挙)は封印です。第二次安倍政権が誕生して以来、これまで、2014年11月と2017年10月の二度に渡って解散総選挙が行われてきましたが、安倍総理は有権者の歓心を得るために、選挙の度に消費税の十パーセント引き下げを延期しています。前回の解散総選挙は北朝鮮による核・ミサイル実験の活発化などを引き合いにした「国難突破」を大義とした選挙でしたが、本当の狙いは、衆議院議員の四年間の任期を確保することにあったとみています。仮に前回の総選挙が行われなかったと仮定した場合、衆議院議員の任期が今年の十一月に満了します。野田佳彦民主党政権時に三党合意(民主・自民・公明)で決めた消費税率の10パーセントの引き上げについては第二次安倍政権に引き継がれましたが、政権与党にとっては重い十字架になっています。

(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第9回)

2018年11月22日ニュース

第3章 首長が持つ二つの財布(カネ)
~「税金」と「政治献金」、「入口は厳しく出口は甘く」

 次に、「首長が持つ二つの財布(カネ)」について、話を進めます。副題は「『税金』と『政治献金』、入口は厳しく出口は甘く」です。ここでいう「税金」は予算という意味で使っています。「入口」はお金の使い道を決める予算のことで、「出口」はお金を使った結果にあたる決算のことです。

 最初に予算について説明します。予算は国や地方公共団体(都道府県、市町村)における「一会計年度」における「歳入」と「歳出」の見積もりのことです。一会計年度は4月から翌年3月までの1年間です。歳入は収入のことで、どのような経路でお金(事業資金)を集めたのかが分かります。歳入の内訳のことを「財源」と言いますが、主な財源は税収入です。お金の入口にあたります。一方、歳出は支出のことで、どのような目的でお金が出て行ったのかが分かります。歳出の主なものは政策経費ですが、借金(国債・地方債)の償還費用も含まれます。いわば予算の「出口」になります。

 予算は歳入と歳出で構成され総額は一致します。予算の構成は企業会計で使用する「貸借対照表」に似ています。歳入は「資金の源泉」となる負債や資本にあたります。歳出は「資金の使途」となる資産にあたります。歳入の多くは税収入ですが、借金から得られた現金や土地などの財産処分から得られた現金も歳入に組み込まれます。森友学園問題では国有地が不当に安い価格で見積もられ学校法人の森友学園に売却された事件ですが、財産処分で得られる現金も歳入予算に組み込まれています。国有財産の処分を担当した官庁が、国家予算を調整する立場にある財務省ということですから事は重大です。

 平成30年度の国の一般会計予算(約98兆円)を科目別に構成比の高い順にみていきます。最初に歳入ですが、「税収」が約60兆円(構成比は約60パーセント)、国債の発行(借金)で調達した公債金が約33兆円(構成比は約34パーセント)、残りの約6パーセントが国有財産の処分などで得た「その他収入」です。一方、歳出では、政策経費として使われる「一般歳出」が約59兆円(構成比は約60パーセント)、「国債費(借金の返済費用)」が約23兆円(構成比は約24パーセント)です。残りが地方公共団体に配分される「地方交付税交付金等」で約16兆円(構成比は約16パーセント)です。

 次に、地方公共団体の予算については総務省が公表する地方財政計画(地方公共団体の歳出・歳入の総計の見積もり)でみていきます。平成30年度の予算総額は約87兆円です。国の予算規模に近いのが分かります。項目別に構成比が高い順にみますと、歳入は「税収」(約45四パーセント)、「地方交付税」(約18パーセント)、国庫支出金(国からの補助金)」(約16パーセント)、「地方債(借金)」(約11パーセント)となっています。一方、歳出の方は、「一般行政経費」(約43パーセント)、「給与関係経費(人件費)」(約23パーセント)、「公債費(借金の返済費)」(約14パーセント)となっています。

 私が市長をしていたA市の平成30年度一般会計予算総額は202億円です。構成比が高い順でみると、歳入が「地方交付税」(約35パーセント)、「税収」(約22パーセント)、「国庫支出金」(約13パーセント)、「地方債(借金)」(約11パーセント)となっています。また歳出の方は、一般行政経費(約43パーセント)、給与関係経費(約23パーセント)、公債費(約14パーセント)となっています。A市の場合、歳出予算の約半分(48パーセント)は法令で使途が決まっている「義務的経費」になっています。私が市長をしていた頃の話ですが、支持者から「市長の裁量で予算の全部を使えるんじゃないか」と言われたことがありましたが、多いなる誤解です。私の裁量で使える予算額はたったの1億円でした。202億円の一億円ですから、率にしてわずか0.5パーセントです。その予算を使って選挙で公約した政策経費に充てました。再選を目指して迎えた4年後の予算では3億円に増額してもらいました。公共事業などのハード事業に使える予算としては足りないのでソフト事業に充当しました。もっとも私が市長に就任した時は、A市の実質公債費比率(自治体の収入に対する負債返済の割合)が、起債(借金)をする場合、県の許可が必要な18パーセントを超えていました。財源の制約を受けるなか「ハードよりもソフト優先」これが4年間の財政運営に対する私の基本姿勢でした。

 国と地方公共団体の歳入・歳出予算を比較して違いあるのが分かりますか?一つには、国の予算では歳出科目になっている「地方交付税」が地方公共団体の予算では歳入科目に計上されています。「地方交付税」は税収不足の地方公共団体や団体間の財政不均衡を是正するため、国から交付される資金のことです。地方交付税は使途制限がなく自由に使えるお金と言われていますが、一部は借金の返済財源として使われています。地方は公共事業の財源に充てるために借金をしてお金を調達する(起債)ことができますが、返済額(元利金)の7割に地方交付税を充当できる「合併特例債」という有利な起債があります。
(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第8回)

2018年11月20日ニュース

 一般職の公務員と違って、特別職の公務員である閣僚や首長(いずれも政治家)による汚職がマスコミ報道によって公になっても、収賄罪として立件されるケース極めて少ないような気がします。なぜでしょう?理由は二つあると考えています。
 一つには「立件の困難さ」です。「収賄罪」の成立要件になっている「職務との関連性」の立証が極めて難しいからです。一般職の公務員と比較して特別職の公務員(政治家)の職務範囲が広くて曖昧になっています。例えば、首長の職務権限については地方自治法の第147条から第149条に定めてありますが、一般的、抽象的な内容になっています。第147条では「当該普通地方公共団体(都道府県、市区町村)を統轄し、これを代表する」とあり、次の第148条では「当該普通地方公共団体の事務を管理し及びこれを執行する」とあります。もう少し詳しく首長の職務権限を規定しているのが第149条で、「概ね左に掲げる事務を担任する」とあり9項目が列挙されています。「普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること」(1号)、「予算を調製し、及びこれを執行すること」(2号)「地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること」(3号)などです。

 首長の職務権限は多岐に渡っていますが、現場で遂行しているのは担当職員(一般職の公務員)です。住民や関係機関宛てに発行する公文書は首長名義になっていますが、実際は担当職員が首長の職務権限を代行しています。従って、「収賄罪」の成立要件になっている「職務との関連性」では、第一義には担当職員の職務との関連性が問われ、首長の職務権限にまで及ぶこと極めてまれです。首長から担当職員や上司である幹部職員に直接、不正行為を指示することはほとんど無いからです。首長からは「指示」ではなくて「示唆」が行われます。レクチャーなどで首長と接する機会が多い幹部職員は、首長から不正な行為を示唆されたとしても、真意を読み取り(忖度して)、不正行為を正当化(隠ぺい)するためのアリバイ作りや偽装工作に心血を注ぎます。「忖度」の見返りは、論功行賞的に行われる人事(昇進)や天下り先の提供です。首長と不正行為を示唆された腹心の幹部職員との間にも「ギブ&テイク」の関係が成立します。首長の私益実現のために奉仕した職員が厚遇される一方で、住民福祉向上という公益実現のために、法令を順守する真面目な職員は冷遇されたり、不正行為を指示した上司からパワハラを受けることもあるでしょう。

 政治家に対する収賄罪の成立を妨げているもう一つの理由は、行政上の便宜供与の見返りとして受け取った「カネ」が、政治家個人が受け取った「賄賂」としてではなく、自身が関係する政治団体が受け取った「政治献金」として経理処理されるからです。政治家の関与が疑われるような行政上の便宜供与を受けた個人や団体から受け取ったカネが政治資金収支報告書に記載されていなかったことが度々マスコミ報道されますが、受け取ったカネは便宜供与の見返りとして政治家個人が貰った賄賂だったかもしれません。政治家個人が貰ったカネであれば政治資金収支報告書に記載する必要はありませんが、収賄罪や所得税法違反の罪など重罰に問われ、政治生命が絶たれてしまいます。このような政治家としての生死にかかわる事態は絶対に避けなければなりません。そこで「カネの偽装工作」が行われます。本当は政治家個人が便宜供与の対価として受け取ったカネ(賄賂)なのに、自身が関係する政治団体が受け取った政治献金(寄附金)として偽装され、政治資金収支報告書の記入漏れという形で決着させているのではないかと考えています。便宜供与の対価として政治家が個人的に受け取ったカネ(賄賂)であっても、事件が発覚しそうになると政治団体が受け取った政治献金に摺りかえられてしまうので、結果的に政治資金収支報告書への記載漏れとなります。報告書を訂正して選挙管理委員会に提出すれば、それで事は終わりです。最初から政治献金として貰ったカネであれば、最初から政治資金収支報告書に記載されているはずですが、最初は政治家個人が賄賂として貰ったカネなのに、後になって政治団体が貰った政治献金として偽装工作が行われているものと考えます。

 政治家から便宜供与を受ける相手の多くはその政治家の支持者や支持団体ですが、政治家と支持者・支持団体の間で「ギブ&テイク」の関係が成立していることから、選挙になると政治家から便宜供与を受けた支持者や支持団体から票の取りまとめという形でお返しがきます。政治家が全体の奉仕者たる公務員(特別職)であるとの立場を忘れ、支持者や支持団体の利益確保を優先する一部の奉仕者になってしまうという、公益よりも私益を優先する構造的な問題が潜んでいます。国民(住民)の幸せよりも自身やその支持者(支持団体)の幸せしか念頭にない政治家(政治屋)の実相が見え隠れしています。
(作:橘 左京)

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評論「政治とカネ」(第7回)

2018年11月11日ニュース

第2章 公益よりも私益を優先する政治
~みんなの幸せよりも自分の幸せが第一!

 それでは、レジュメの二つ目の科目「公益よりも私益を優先する政治」について、お話したと思います。副題に「みんなの幸せよりも自分の幸せが第一!」とあります。
 ここで、日本国憲法について少し触れます。安倍政権が憲法改正に意欲的に取り組んでいる様子が、時折、マスコミにも取り上げられていますが、国民の関心度は低いようです。皆さんもご存知のとおり憲法は国最高法規です。憲法の規定に反する法律や命令、国が行う行為は一切効力を有しないと定められています(第98条第1項)。憲法の有する「最高法規性」です。この「最高法規性」を担保するため、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限(法令審査権)が裁判所に与えられています(第81条)。

 また、憲法は「公務員の本質」について、第15条第2項に「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定しています。この規定の意味について説明します。「すべての公務員」とありますが、公務員には二種類あることをご存知でしょうか?採用試験に合格して国家公務員とか地方公務員に就く「一般職の公務員」と選挙に当選して就任する国会議員や自治体の首長・議員などの公職に就く「特別職の公務員」です。ちなみに私の場合、一般職の公務員(県職員)を約26年間、特別職の公務員(市長)を4年間やっていました。注意して欲しいのは、憲法15条でいう「すべて公務員」は一般職の公務員だけでなく特別職の公務員も含まれているという点です。それでは「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とはどういう意味でしょうか?公務員はすべて国民全体の利益のために奉仕すべきであって、国民のなかの一部の者(一党派や一部の社会勢力など)の利益のために奉仕してはならないということです。行政は法令に基づき公平・公正に行われています。「法」は法律のことで立法府である国会で制定されますし、「令」は命令のことで、政令・省令など法律を実施するため、または法律の委任に基づいて、国の行政機関が制定するものです。

 ここで「公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられたと思っている」と言った前川喜平氏の言葉についてもう一度振り返ってみます。本来、法令によって規制されたなかで行われる行政は、本来、国民全体の利益に資するために、常に公平・公正な取り扱いが求められていますが、なかには一部の国民の利益確保のために、行政の執行が不公正・不公平に行われることがあります。公務員による汚職です。「汚職」は公務員が職権や職務上の地位を利用して、個人的利益を図る(便宜供与)などの不正な行為を行うことですが、便宜供与の見返りに金品を授受すれば贈収賄(犯罪)になります。汚職は役人(一般職の公務員)だけでなく、公職に就いている政治家(特別職の公務員)が手を染めることもあります。首長などの公職先に挙げた「ゼネコン汚職事件」は地。地方自治体のトップが犯した汚職事件でした。

 しかし新聞などマスコミ報道される「公務員の汚職」と言えば、数で勝る一般職の公務員(役人)が多いようです。前川氏のいう「公平、公正な行政の在り方」をゆがめたのは、自身もそうであったように一般職の公務員(役人)ではなく、特別職の公務員(政治家)のことを指しています。特に、行政機関の長(政治家)、国であれば国務大臣ですし地方であれば都道府県知事や市区町村長ですが、これらの政治家は強大な許認可権を行使し、膨大な予算を配分する権限を持っています。また、行政機関の長(政治家)は、職員を指揮監督する権限も持っています。この権限を担保しているのが長の持つ人事権です。国の行政機関の場合、幹部職員の人事権ついては、2014年から内閣人事局(官邸)が掌握しています。国家公務員であれ地方公務員であれ、役人の最大の関心事は人事です。今よりも高い役職に就けば給与が上がっていきますし、退職時の給料水準を基に計算される退職金だって増えます。特に、トップ(首長)にレクチャーする立場にある幹部職員にとっては、退職後の天下り先を確保するためにも、トップの意向を「忖度」し、意向に沿って職務を遂行する能力が試されます。法令の運用・解釈に精通している役人は、トップの意向が法令に違反していると判断した場合、違反状態を解消しようと、公文書(行政の意思決定・記録文書)の改ざんが行われます。森友学園はまさにそうでした。加計学園問題ついて前川氏が言及したように、事実を捻じ曲げ「あったものをなかったことにはできない」ようです。この問題については、愛媛県が作成した公文書に「あったこと」の記録が残っていました。

 ここで、もう一枚のレジュメ「市長エッセー」をご覧ください。「全体の奉仕者」というタイトルのエッセーです。この「全体の奉仕者」は平成20年12月の市広報に掲載されたエッセーです。そこでも触れていますが、憲法第15条に書いてあるように、「すべて公務員」は、自身が一般職の公務員(役人)であれ、特別職の公務員(首長イコール政治家)であれ、「全体の奉仕者」であることを自覚して、全体の利益に資するよう職務の遂行にあたることが求められていますが、残念ながら、「一部の奉仕者」として一部の人たちの利益確保(便宜供与)に奔走する不心得者が後を絶ちません。見返りに賄賂(金品)を貰えば収賄罪(犯罪)になります。
(作:橘 左京)

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詳論「政治とカネ」(第6回)

2018年11月9日ニュース

 私がA市の市長に当選したことは奇跡的な出来事だったようです。一部のマスコミから「A市の奇跡」というような記事を掲載されたことを覚えています。私がダークホースのごとく、三バン(地盤、看板、鞄)に関して優位な立場にあった相手候補(前市長の後継指名を受けた副市長経験者)を破って当選したわけですから、そのような記事になっても至極、当然なことだと理解しています。市長に当選した当時を思い出しますと、県職員時代の上司だった人や高校時代の同級生だったという方が市長室に私を訪ねてきたことを思い出します。それらの方々から渡された名刺には〇〇営業部長とか〇〇営業所長とかの肩書が書かれていました。特に、高校時代の同級生と称して建設会社の営業所長の肩書の入った名刺をもらった時は印象的でした。

 その方から「私のことを覚えていますか?市長さんの高校時代に同級生だった〇〇です」と、おっしゃって名刺を渡されました。
 私は名刺に書いてある相手の名前を見て、「すみません。〇〇さんは何年生の時の同級生だったでしょうか。クラス担任の先生の名前は憶えていますか?」と、相手の言っていることを確認する意味で尋ねました。
 〇〇さんは「2年生の時です。クラス担当は△△先生でしたね」と答えました。
 私は「ああ、物理担当の△△先生でしたね」と相槌を打ちました。
 突然、私を訪ねて来られ「市長さんの高校時代に同級生だった〇〇です」と言われても、在学中や卒業後、〇〇さんと親交があったわけではありませんし、卒業して30年も経っていましたから、お互いに風貌がすっかり変わっています。
 一方、私が県職員の頃に上司や同僚であった方が私を訪ねて来た時は、相手の風貌から当時のことを思い出すことができましたが、仕事上の関係が途絶え親交がなくなったのに、なぜ今になって、わざわざ私を訪ねてきたのか不思議に思いました。
 高校時代の同級生や県庁職場で上司・同僚だった方々から渡された名刺を見て得心しました。その方々は行政から仕事をもらっている民間会社や補助金をもらっている団体の役員や幹部職員だったのです。その方々との暫しの会話のなかで、高校時代の話や私と一緒に仕事をした県職員時代の話が出てきましたが、雑談をするために私を訪ねてきたわけでないことは、すぐに分かりました。本当の目的は市長という立場を利用した行政上の便宜供与を期待して、わざわざ訪ねてきたのではなかったのかと考えています。

 このように、行政機関の長と言われる立場に就くと、挨拶訪問を名目にいろんな方がいろんな縁故で首長(政治家)を訪ねてきます。訪問の目的は行政上の便宜供与への期待です。会話の中で何気ない言葉を発し、相手の反応を確かめながら、便宜供与を期待できる相手(政治家)かどうかを見極めます。便宜供与が期待できそうだと判断されると次の段階に移行します。「ギブ&テイク」の関係を構築することです。便宜供与を受ける側からすれば「行政上の便宜供与」は「テイク」ですから、前後に「ギブ」が必要となります。贈り物とか接待などの「ギブ」を行って、相手(政治家)から「テイク」を引き出そうと画策します。通常は「ギブ」が先で「テイク」は後になります。一方、政治家の方は逆で「テイク」が先で「ギブ」は後です。
 私は面識のない方やいわれのない贈り物の受領や接待は断っていましたが、一件だけ民間会社による接待を受けたことがありました。私が県職員時代に親交のあった同じ県職員OBの方に勧められ、その方も同席のうえ、ある建設コンサルの接待を受けたことがありました。この方は県庁の幹部職員(民間会社であれば役員相当)を務めた方でした。その会合の席では、もう一人県職員OBの方も出席されていました。その方の名刺には営業本部長という肩書が書かれてありました。会合の席での挨拶で、県職員時代は土木部の枢要な地位に就いていた方だったことが分かりました。会合の席には、社長は出席していませんでしたが、出席した会社の幹部社員から会社の業務内容と市町村に策定が義務付けられている法定計画についての説明がありました。A市においてはこの法定計画が未策定であることが告げられ、策定業務の入札の際には当社も参加したい旨の話がありました。業者側からこの話を聞いた私は市が行う入札の際に手心を加えて欲しいという意図があるのではないかと疑いました。

 その後、市の担当課長からこの法定計画の策定業務についてのレクチャーがありました。暫くして、策定業務委託の入札執行の稟議書が私のところに回ってきました。入札方式は一定の条件を満たす者であれば誰でも参加できる「一般競争入札」だったと記憶しています。この稟議書が私のところに回ってきた段階で、市長の職務権限になっている「予定価格」を決めなければなりません。「予定価格」というのは、落札額の上限価格のことです。私は「予定価格」を記入し、その紙を封筒に入れ更に封印して担当課に戻しました。ほどなく入札が行われ、入札結果が私のところ回付されました。この時、私を接待した業者が入札に参加していることが分かりましたが、残念ながらこの業者は落札できなかったようです。仮に私がこの業者に予定価格を漏らし、予定価格を漏らさないまでも、この業者に対し「この仕事はオタクにやってもらいたい」との「天の声」を発すれば、この業者が落札していたかも知れません。そんなことをすれば、前文部科学省事務次官の前川喜平さんが言ったように「公平・公正であるべき行政の在り方がゆがめられた」ことになります。
(作:橘 左京)

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