選挙戦を終えて4(市長戦短信Vol.21)
阿賀野市選挙管理委員会が発表した4月19日執行の阿賀野市長選挙の結果は以下のとおりです。
令和2年4月19日執行の阿賀野市長選挙の開票結果
22時35分-【確定】
順位 候補者名 得票数
1 田中 きよよし 10,267
2 横井 もとゆき 4,807
3 天野 いちえい 2,809
【有権者】 35,550人
【投票者】 18,223人
【投票率】 51.26%
【開票数】 18,223票
【開票率】 100%
【有効数】 17,885票
【無効数】 338票
天野代表の著書「廃屋の町」(小説)を理解する(後編)
ラストシーン~主人公(田沼市長の甘木雄一こと野上治夫)が生家で父の昭一と再開する場面
「市長として、これから私がやらなければならないことがあります。本来、公益に奉仕すべき公務員が、その職責を忘れ、私益に奉仕せざるを得ない状況を正すことです。この地域には旧態依然とした悪弊が風土病のように根付いています。この悪弊を断ち切らなければ、田沼市の未来は切り開けないと考えています。いつの時代も、未来を開拓するのは子供たちです。私は、田沼市を子供たちが夢や希望を抱けるような町にしたいと思っています」(小説「廃屋の町」より)
※小説「廃屋の町」の基になったブログはこちら
先日、事務所の隣で営業するパン屋さんからコロナウイルスの影響について話を伺いました。こちらのパン屋さんはご夫婦で経営しています。私が市長時代に、福島原発事故で放射能汚染を心配して福島県から自主避難され、阿賀野市に移り住んでくれたご夫婦です。「こちらのお店ではコロナの影響がありますか?」との問いに対し、店主は自信たっぷりに「スーパーの中に入っているパン屋は『3密』状態になるから客足が減っているようだが、『3密』状態にならないウチには影響は出ていない。ウチは添加物を一切使っていないパンをお客様に提供している。ウチのパンの品質を信頼して、これまでどおり買いに来てくれる」マスクをした店主は笑顔で応えてくれました。
一方、私も出馬した今回の市長選について尋ねたところ、店主から「阿賀野市に来て10年近くになるが、この町はおかしいよ!市役所の中でおかしなことが行われているのに、誰も文句を言わない。この町に市民オンブズマンはいないのだろうか?(市政のチェック機能を果たすべき)市議会もダンマリを決めている。」と言われました。この町に長く住んでいると見えないことも、外から見れば気づくことがあるのでしょう。外から来たからこそ、この町の本当の姿(実相)が見えているのかも知れません。
私自身、初めて阿賀野市長選挙に挑戦するために12年前に帰郷しました。二十数年ぶりに戻った故郷の変貌に驚きました。疲弊した故郷の姿を象徴するかのように、人通りが少なくなった商店街のアーケードの下をシルバーカーを押しながら歩く高齢者の姿が私の目に飛び込んできました。この様変わりした商店街を、少年時代に通った、あの賑わいのあった商店街に戻したいとの思いから市長選の出馬を決意しました。
拙著「廃屋の町」の根底には、私の少年時代の体験や網膜に写った美しいふるさとの姿があり、賑わいのあった商店街の姿が流れています。
小説の最後のフレーズにある「この地域には旧態依然とした悪弊が風土病のように根付いています」は、まさに県外から阿賀野市に移り住んだパン屋の経営者が発した「この町(阿賀野市)はおかしいよ」の言葉と繋がっています。
この町(阿賀野市)は「長い物には巻かれよ」「事なかれ主義」の空気に覆われています。
・「自立よりも依存」を、「自律よりも他律」を、「変革よりも現状維持」が選択されています。
・「何とかしよう」ではなくて「何とかしてくれ」、「こうしたらよい」ではなくて「どうしたらいいの?」、「このままじゃだめだ」ではなくて「このままでいいよ」の空気で支配されています。
参考文献 エッセイ「一言市栄」
私自身、今回の市長選に挑戦したことで大きな成果を得ることが出来ました。オマケで実施された市議補選に出馬していれば得られなかった体験であり思索です。それは、新たな文芸作品に向けた創作意欲であり、生きた素材の獲得です。「候補者の横顔」として地元紙に照会されたように、文芸コンテストに入賞できる実力を身に着けようと考えています。敗戦の弁で申し述べたように「暫くは、頭を冷まして自分の身の処し方について、冷静になって考えたい」と思います。これまでのご支援に対し、感謝申し上げます。(天野 市栄)
(天野 市栄)…次号に続く。