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評論「政治とカネ」(第9回)

2018年11月22日ニュース

第3章 首長が持つ二つの財布(カネ)
~「税金」と「政治献金」、「入口は厳しく出口は甘く」

 次に、「首長が持つ二つの財布(カネ)」について、話を進めます。副題は「『税金』と『政治献金』、入口は厳しく出口は甘く」です。ここでいう「税金」は予算という意味で使っています。「入口」はお金の使い道を決める予算のことで、「出口」はお金を使った結果にあたる決算のことです。

 最初に予算について説明します。予算は国や地方公共団体(都道府県、市町村)における「一会計年度」における「歳入」と「歳出」の見積もりのことです。一会計年度は4月から翌年3月までの1年間です。歳入は収入のことで、どのような経路でお金(事業資金)を集めたのかが分かります。歳入の内訳のことを「財源」と言いますが、主な財源は税収入です。お金の入口にあたります。一方、歳出は支出のことで、どのような目的でお金が出て行ったのかが分かります。歳出の主なものは政策経費ですが、借金(国債・地方債)の償還費用も含まれます。いわば予算の「出口」になります。

 予算は歳入と歳出で構成され総額は一致します。予算の構成は企業会計で使用する「貸借対照表」に似ています。歳入は「資金の源泉」となる負債や資本にあたります。歳出は「資金の使途」となる資産にあたります。歳入の多くは税収入ですが、借金から得られた現金や土地などの財産処分から得られた現金も歳入に組み込まれます。森友学園問題では国有地が不当に安い価格で見積もられ学校法人の森友学園に売却された事件ですが、財産処分で得られる現金も歳入予算に組み込まれています。国有財産の処分を担当した官庁が、国家予算を調整する立場にある財務省ということですから事は重大です。

 平成30年度の国の一般会計予算(約98兆円)を科目別に構成比の高い順にみていきます。最初に歳入ですが、「税収」が約60兆円(構成比は約60パーセント)、国債の発行(借金)で調達した公債金が約33兆円(構成比は約34パーセント)、残りの約6パーセントが国有財産の処分などで得た「その他収入」です。一方、歳出では、政策経費として使われる「一般歳出」が約59兆円(構成比は約60パーセント)、「国債費(借金の返済費用)」が約23兆円(構成比は約24パーセント)です。残りが地方公共団体に配分される「地方交付税交付金等」で約16兆円(構成比は約16パーセント)です。

 次に、地方公共団体の予算については総務省が公表する地方財政計画(地方公共団体の歳出・歳入の総計の見積もり)でみていきます。平成30年度の予算総額は約87兆円です。国の予算規模に近いのが分かります。項目別に構成比が高い順にみますと、歳入は「税収」(約45四パーセント)、「地方交付税」(約18パーセント)、国庫支出金(国からの補助金)」(約16パーセント)、「地方債(借金)」(約11パーセント)となっています。一方、歳出の方は、「一般行政経費」(約43パーセント)、「給与関係経費(人件費)」(約23パーセント)、「公債費(借金の返済費)」(約14パーセント)となっています。

 私が市長をしていたA市の平成30年度一般会計予算総額は202億円です。構成比が高い順でみると、歳入が「地方交付税」(約35パーセント)、「税収」(約22パーセント)、「国庫支出金」(約13パーセント)、「地方債(借金)」(約11パーセント)となっています。また歳出の方は、一般行政経費(約43パーセント)、給与関係経費(約23パーセント)、公債費(約14パーセント)となっています。A市の場合、歳出予算の約半分(48パーセント)は法令で使途が決まっている「義務的経費」になっています。私が市長をしていた頃の話ですが、支持者から「市長の裁量で予算の全部を使えるんじゃないか」と言われたことがありましたが、多いなる誤解です。私の裁量で使える予算額はたったの1億円でした。202億円の一億円ですから、率にしてわずか0.5パーセントです。その予算を使って選挙で公約した政策経費に充てました。再選を目指して迎えた4年後の予算では3億円に増額してもらいました。公共事業などのハード事業に使える予算としては足りないのでソフト事業に充当しました。もっとも私が市長に就任した時は、A市の実質公債費比率(自治体の収入に対する負債返済の割合)が、起債(借金)をする場合、県の許可が必要な18パーセントを超えていました。財源の制約を受けるなか「ハードよりもソフト優先」これが4年間の財政運営に対する私の基本姿勢でした。

 国と地方公共団体の歳入・歳出予算を比較して違いあるのが分かりますか?一つには、国の予算では歳出科目になっている「地方交付税」が地方公共団体の予算では歳入科目に計上されています。「地方交付税」は税収不足の地方公共団体や団体間の財政不均衡を是正するため、国から交付される資金のことです。地方交付税は使途制限がなく自由に使えるお金と言われていますが、一部は借金の返済財源として使われています。地方は公共事業の財源に充てるために借金をしてお金を調達する(起債)ことができますが、返済額(元利金)の7割に地方交付税を充当できる「合併特例債」という有利な起債があります。
(作:橘 左京)

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posted by 地域政党 日本新生 管理者