2018年12月
« 11月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

ブログ

評論「政治とカネ」(第10回)

2018年11月24日ニュース

 合併特例債は平成の大合併によって誕生した新しい市町村が、合併に伴い広域化した域内の道路を整備する、増加した住民ニーズに対応するために新たな公共施設を建設する、など合併建設計画に記載された事業を行う場合に事業費の財源として充当できます。この特例債は償還時に国が償還金(元利金)の七割を負担してくれますから、合併市町村にとっては、公共事業費の財源として合併特例債を優先的に使っています。
 合併後10年間しか使えないはずであった特例債が東日本大震災の発生(平成23年3月発生)や熊本地震(平成28年4月発生)など、国内で発生した大規模災害を機に発行期間が20年間に延長されました。特例債の発行期間が10年から20年に延長されましたが、特例債の借入限度額は増額にはなってはいません。
 
 そうなると行政や政治サイドはどういうことを考えるかというと、当初、合併建設計画になかった公共事業を追加して、特例債の借入限度額を使い切ってしまおうと考えるのが自然ではないでしょうか。国が償還金の7割を負担してくれる特例債を活用しないという選択はないでしょう。当然、新たな公共事業を合併建設計画に登載するための理屈付けが必要になりますが、行政当局間(国・県と市町村間)の調整で済んでしまうことから、変更(追加)は容易であると考えます。
 
 更には、自公政権が第二次安倍内閣時に打ち出した「国土強靭化基本計画」も少なからず特例債の「発行期間の延長と借入限度枠の使い切り」に手を貸しているものと考えています。国土強靭化基本計画は、地震などの大規模自然災害の発生に備えた国土整備を念頭に考え出された自民党の政策です。少子高齢化が急速に進み人口が緩やかに減少する日本の現状と将来を考えた場合、新たなインフラ整備(生活基盤や産業基盤の建設)には国民の理解が得られないことから、国土強靭化基本計画です。新規の公共投資は抑制し、既存の公共資産について、大規模な自然災害、例えば、地震に備えて耐震性を強化するなど、既設の公共資産を改修した場合に国が財政支援(財源補てん)を行うというものです。折しも、この国土強靭化基本計画は前回の地方統一選挙(2015年4月実施)に併せ、第二次安倍内閣によって打ち出された政策です。
 この国土強靭化基本計画は税金を国内に広く薄くばら撒くことで、地方統一選挙における自公の候補者にとって有利に展開しようとする政権与党の思惑が見え隠れしていました。その地方統一選挙が来年(2019年)4月にあります。前回のように選挙戦に勝利するための税金のばら撒きが行うれるのでしょうか。逆に自公政権にとっては逆風となりかねない消費税率の10パーセント引き上げがあります。三度目の延長があるかもしれません。

 話を本題に戻しますと、私が市長をしていたA市(平成16年4月に四町村が合併して誕生)でも、この合併特例債が使えます。A市の特例債の借入限度額は約211億円です。A市の平成30年度末時点の合併特例債の発行累計額(借入累計額)は154億円となり、借入限度枠の4分の3を費消したことになります。借入可能額は残り57億円となりますが、特例債の発行可能期間があと5年残っていますが全部使い切ってしまうのではないかと考えています。特例債の20年延長を機に、全国の合併自治体も同じことを考えるのでないでしょうか。
 問題は合併特例債の主要な返済財源となっている地方交付税による手当ができるのかということです。交付税の原資は国税五税(所得税・法人税・酒税・消費税・地方法人税)です。急速な少子高齢化(生産年齢人口の減少)の進展と緩やかな人口減少のなかで、これらの税収が増えるということは期待できません。税収を増やすには増税すれば良いのですが、増税を決めた政権が選挙で大敗することは歴史が証明しています。安倍政権は消費税の10パーセント引き上げをこれまで二度に渡って延期してきました。安倍総理は、来年10月に10パーセントに引き上げることを明言していますが、来年4月に行われる地方統一選挙や7月に実施される参議院選挙の結果次第では、消費税率の三度目の延期もあるのはないかと考えています。
 
 もちろんその間、解散総選挙(衆議院選挙)は封印です。第二次安倍政権が誕生して以来、これまで、2014年11月と2017年10月の二度に渡って解散総選挙が行われてきましたが、安倍総理は有権者の歓心を得るために、選挙の度に消費税の十パーセント引き下げを延期しています。前回の解散総選挙は北朝鮮による核・ミサイル実験の活発化などを引き合いにした「国難突破」を大義とした選挙でしたが、本当の狙いは、衆議院議員の四年間の任期を確保することにあったとみています。仮に前回の総選挙が行われなかったと仮定した場合、衆議院議員の任期が今年の十一月に満了します。野田佳彦民主党政権時に三党合意(民主・自民・公明)で決めた消費税率の10パーセントの引き上げについては第二次安倍政権に引き継がれましたが、政権与党にとっては重い十字架になっています。

(作:橘 左京)

「真実は内側、裏側、後ろ側にある!元市長が明かす闇に隠れた真実!」
 小説「廃屋の町」好評発売中!

※本書の購入を希望される方は、ネット書店か宣伝用チラシを印刷して一般書店に提示してください。注文がスムーズに行えます。なお、一般書店では下記書店で在庫ありとの情報を得ておりますので、在庫状況を再度確認の上、注文してください。
「本の店 英進堂」
新潟市秋葉区新津1876
コモタウン新津 ホームセンタームサシ内
TEL.0250-24-1187

posted by 地域政党 日本新生 管理者