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小説「廃屋の町」(第27回)

2017年6月20日ニュース

「井上市長!」議長が指名した。
「小林議員からは、新田沼市の8年間に渡る市政運営についての総括と、今後想定される田沼市の人口減少、少子高齢化を見据えた市政の在り方、方向性についてのご質問をいただきました。その前に4か市町村の合併協議が、一時、暗礁に乗り上げた経緯について、今一度、振り返ってみたいと思います。平成20年4月1日付けをもって旧田沼市及び周辺3か町村が合併して、人口約11万人の新田沼市が誕生したわけですが、当時の人口は旧田沼市が約6万5千人、春野町を含む旧三か町村の人口が約4万五千人でした。当時、旧田沼市長を務めておりました私は合併協議会の会長として、合併に向けた意見調整に腐心してまいりました。そのなかで、二つの大きな意見の隔たりがありました。一つは合併後の新市の名称であります。新たな名称にするのか、田沼城を有する田沼市の名称を残すのかで、調整が難航しました。結局、合併方式を新設合併とすることで折り合いがついて、新市の名称は田沼市とすることになったわけです。もう一つは、住民負担とサービスの基準をどこに合わせるかです。住民アンケート調査で『合併後どのようなことを期待するか』との質問に対して、実に4割を超える方が『公共料金など住民負担の低減と高いサービスに制度を合わせることによる行政サービスの向上』を選択し第一位となりました。結果的に、負担は一番低い旧春野町の基準に合わせ、サービスは一番高い旧田沼市の基準に合わせることになったわけでございます。このような中で、新田沼市の舵取り役として、私が初代市長に就任したわけですが、残念なことに、旧田沼市と旧三か町村との間で、市長選挙のしこりが残ったままでした。そのしこりが色濃く表れたのが合併建設計画に定める公共施設の再編整備です。建設計画では、現在、市役所の支所庁舎として使っている旧3か町村の役場庁舎は廃止することが明記されています。また、旧4か市町村時代に建てられた文化会館や公民館、体育館といった公共施設が、建設から40年近く経過し老朽化したこともあり、これらを廃止し、新たな公共施設を建設することが明記されています。しかし『言うは易く、行うは難し』であります。類似の公共施設を集約化して新たな公共施設を市の中心部に建設すれば、周辺部の活気や賑わいが失われるという意見が周辺部から出され、意見調整が難しくなっています。いずれにせよ、公共施設の再編整備を行う場合には、手厚い国の財政支援がある合併特例債を活用することができるわけでありますが、この特例債が東日本大震災の発生が契機となって、発行期間が合併後10年から15年に延長となりました。市といたしましては、特例債が使える残りの7年間を見据えて、当初の公共施設再編整備計画を全面的に見直しして、周辺部にお住いの方にも、合併によるメリットを感じてもらうことが大事だと考えております」
(作:橘 左京)

posted by 地域政党 日本新生 管理者