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選挙と民主主義(第17編)~利益の分配か不利益の分配か(その2)

2013年1月15日ニュース

 前回のブログでは、利益分配の原資を国債(借金)に依存すれば、現世代は利益の分配を受ける一方で将来世代は不利益(負担)の分配を受けざる得ない不公平な状況が生まれていることをお話ししましたが、平成24年度の国家予算の歳入・歳出予算(総額約90兆円)を概観しながら、詳しく説明します。歳入の内訳は、税収が約42兆円(47%)、税外収入が約4兆円(4%)、公債金(借金)が約44兆円(49%)となっています。次に歳出では、公債費(借金の返済金)が約22兆円(24%)、社会保障関係費が約26兆円(29%)、地方交付税交付金が約17兆円(19%)、文教及び科学振興費が約5兆円(6%)、防衛費約5兆円(6%)、公共事業費約5兆円(6%)、その他経費が10兆円(10%)となっています。
 実に歳入予算の半分は借金で賄われ、歳出予算の4分の1が借金の返済金です。しかもこの約44兆円の借金の8割は当該年度の税収不足に充てられる赤字国債です。赤字国債は現世代のために使われ将来世代につけが回される性質の借金です。いわば、利益を受ける現世代と不利益を受ける将来世代という不公平な関係が生じてしまうのです。

 次に、既得権者に優先的に利益分配が行われた結果、不利益の分配が生じてしまうケースを紹介します。社会保障関係費の約6割を占めている高齢者3経費(年金、医療、介護)を例にしてお話しします。一つは年金です。年金は物価が上がれば年金額を上げ、物価が下げれば下げるのが本来のルールですが、物価が下がっているにもかかわらず年金額は据え置かれたままになっています。その結果、2000年から2011年度までの過払い給付額が約7兆円、税負担で1.7兆円にも達しました。次に医療です。70~74歳の医療費の窓口負担は法律では2割ですが、1割に据え置かれたままになっています。1割に据え置くため毎年2000億円の公費が投じられています。
 なぜこのような不条理なことが行われるのでしょうか。理由は選挙対策です。年金減額や窓口負担の引き上げは高齢者の反発を招き、選挙結果に響くとの心理が働くからです。ここで紹介したのはほんの一例ですが、限られた分配の原資が一部の既得権者に一人占めされていることから生じる不利益の分配もあることを、ご承知いただきたいと思います。

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者