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選挙と民主主義(第15編)~民意が反映されない現行選挙制度(小選挙区制)の欠陥

2013年1月2日ニュース

 自民党の圧勝と民主党の惨敗で終わった今回の衆議院選。1党が大勝する雪崩現象が起きました。前回の衆議院選でも確認されたことですが、獲得議席が一方に大きく振れやすい小選挙区比例代表並立制の欠陥が明らかになりました。小選挙区(定数300)での両党の得票率と議席獲得率を比較すると雪崩現象がよく分かります。自民党は43%の得票率で79%の議席を獲得し、民主党は23%の得票率で9%の議席しか獲得できませんでした。自民党は得票数の2倍の議席を獲得し、民主党は得票数の2分の1の議席しか獲得できなかったことになります。前回の衆議院選では今回とは全く逆の結果でした。言うまでもないことですが、1人しか当選できない小選挙区では大量の「死に票」が発生します。この小選挙区の欠陥を是正するために、①中選挙区制を復活すべき、②比例代表を中心とした制度に改革すべきなどの意見がありますが、小選挙区制の持つレバレッジ効果で圧勝した自公政権に選挙制度改革を期待することは無理かもしれません。

 「投票価値の不平等」が拡大したとして、小選挙区の区割変更が行われないまま実施した今回の衆議院選の無効を求め、全国各地で一斉に訴訟が提起されました。私は、民意が反映されない、すなわち「死に票」が大量に発生する現行の選挙制度(小選挙区制)それ自体も、「投票価値の不平等」にあたると考えています。
 この「投票価値」を計る基準になっている数字が有権者数ですが、第4編「投票率と投票価値の平等」で述べたように、有権者数ではなく実際に投票した人の数(投票者数)を基準にすべきと考えています。(詳細はこちら )一方、「死に票」が大量に発生する小選挙区制は、実際に投票した有権者の意思(民意)が反映されないという制度的欠陥を内包しています。当選者(1人)の獲得票数と落選した候補者(複数)の獲得票数を比較すれば、いかに「死に票」が多いかが分かります。皆さんはどのように考えますか。

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者