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選挙と民主主義(第3編)~有権者は既得権者か?(その1)

2012年12月1日ニュース

 私が愛読している経済紙に、先日、民主党と自民・公明両党との3党合意で実現した社会保障と税の一体改革(消費増税と医療費・年金の給付抑制)に関連して、ある企業経営者(故人)が語った言葉が載っていました。「国民に負担を納得してもらうという政治家が出にくいのは、必要な負担を免れている点で有権者も既得権者だからだ」という言葉です。同じような趣旨の言葉を某大手企業の経営者の論評の中にも見つけました。

 この「有権者は既得権者だ」という言葉は、選挙権を行使する有権者(実際に1票を投じる有権者)のことを指して、既得権者であるといっているのです。この言葉の意味は投票行動の動機を考えれば簡単に理解できます。有権者がわざわざ手間暇かけて投票場に足を運んで投票するのはなぜでしょうか。有権者の多くは自分(自分たち=集団、組織)の利益確保や負担回避を期待して、それを叶えてくれそうな候補者・政党に1票を投じるからです。このように投票行動には極めて利己主義的な動機が含まれています。(それゆえに利益誘導の政治がなくならないのです。)

 特に増税など国民に負担を強いるような政策が選挙の争点になると、その政策を掲げた政党は必ず敗北します。最近では2010年7月に行われた参議院選挙において、民主党が大敗し与党が参議院で過半数割れをした原因の一つとして、当時の管直人首相が突然打ち出した消費増税が挙げられています。このような歴史の教訓を踏まえたのかどうか知りませんが、「近いうちに」行われる衆議院選挙の争点にしないよう、民主党と自民・公明両党との3党合意で消費税率の引き上げ法案を、先の臨時国会で成立させました。一方で、消費増税の凍結を打ち出して、わざわざ争点化させようとしている政党もあります。※次号に続く。

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者