2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ブログ

時局自論4~「戦争をさせる法案」か「戦争をさせない法案」か 安全保障関連法案を巡り国会審議が紛糾

2015年8月28日ニュース

 衆議院特別委員会で強行採決された安全保障関連法案が論戦の舞台を参議院特別委員会に移し、政府・与党議員と野党議員の丁々発止の議論が行われている。さて、この安全保障法案を巡る国民世論が「戦争をさせる法案」か「戦争をさせない法案」かと、二項対立のイシューにされているが、そんな単純な話ではない。複雑な政治問題を単純化して、大衆(国民・有権者)の感情や情緒に訴えるポピュリズムの罠にはまってはいけない。

 自民党を離党した武藤貴也議員(衆議・滋賀4区)が国会周辺で安全保障法案反対集会に参加している若者を指して、「戦争に行きたくないから反対している利己主義者だ。」とツイッターで発言したことが波紋を呼んでいるが、武藤議員の発言の裏には、現職の野党議員も参加している反対集会であることも踏まえた上で、集会に参加している若者が感情的・情緒的になっているとの先入観があるものとみている。もちろん、なかには自分は戦争に行きたくないという理由で集会に参加している若者もいるかも知れないが、多くは理性的・知性的に行動しているものと考えている。

 私は、立憲主義(憲法は法令に優越する最高法規という考え方)の立場から安全保障法案には反対である。多くの憲法学者が現憲法9条の解釈上、集団的自衛権は認められないと指摘している。従って、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障法案は違憲だという結論になる。衆議院特別委員会で与党・自民党が参考人として招致した憲法学者も違憲の疑いがあると指摘した。また、(行政府における)法の番人と言われている内閣法制局の歴代長官からも同様の指摘がなされている。

 安全保障法案を「戦争をさせる法案」か「戦争をさせない法案」かという二項対立のイシューに単純化して考えることは危険だ。扇動政治家による大衆(国民・有権者)への感情移入が起きるからだ。感情的な高まりで発生した心情は時間がたてば消えてなくなるが、理性(知性)によって導かれた心証はなくならない。政治家は、常に選挙を意識した集票行動をとる習性がある。扇動政治家の口から出る美辞麗句(デマ)に惑わされることなく冷静な判断・対応をしてほしい。(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者