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出藍の不名誉(その1)

2012年2月12日トピックス

 「青は藍より出でて藍より青し(荀子)」という言葉は、藍草で染めた布は藍草よりも鮮やかな青色となることから、この関係を弟子と師匠にあてはめ、弟子が師匠の学識や技術を超えるという意味のことわざとして知られています。この「出藍の誉れ」は、師弟関係においてだけでなく、経営者とその後継者との関係においても、周囲から寄せられる期待として表れてきます。しかし、オーナー会社の世襲経営者にあっては、周囲の期待が失望に変わってしまうこともあるようです。まさに「出藍の不名誉」です。
 昨年9月、東証1部上場企業で、家庭向けティッシュペーパー「エリエール」のブランドで知られる大王製紙の井川意高前会長(47才)が、子会社から多額の融資(約106億円)を受けて、私的に流用していたことが発覚し辞任しました。11月には特別背任の容疑で東京地検特捜部に逮捕され、マスコミで大きく取り上げられました。報道によれば、井川意高前会長は創業家出身の3代目経営トップで、関係者の話として借入金のほとんどが海外のカジノ関連の口座に送金されていたことを伝えています。
 「長者三代(ちょうじゃさんだい)」という言葉がありますが、長者の家は三代よりは続かないという警句で、祖父は苦労して財産を作り、子はその遺風を受けて守るが、三代目の孫の代になると、生活が贅沢になり、父祖が築いた家産を傾けることが多いという意味です。今回の不祥事を受け会社側も自己防衛のため、井川意高前会長の父親で社長・会長を歴任した顧問の高雄氏を解職することで「長者三代」を何とか回避することができたようです。※次号に続く。
(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者