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議員の新陳代謝(新旧交代)が進まないのは阿賀野市議会だけ?(その1)

2015年4月21日トピックス

 4月1日付けのブログ「市政かわら版第4号」で、阿賀野市議会では議員の新陳代謝(新旧交代)が進まず(合併後に当選した市議の議席占有率は35%)、議員の高齢化が進行している現状をお伝えしたが、これが阿賀野市議会特有の現象なのか、阿賀野市と同じ平成の大合併で誕生した新市(新潟県内に17市ある。)共通の現象なのか、現在調査中である。調査結果についてはブログ(かわら版)で読者の皆さんにお知らせしたい。

 今日(4月21日)は第18回統一地方選後半戦の町村議員選挙が告示日である。新潟県内では田上町など5町村議選が告示される。先日、日曜日(4月19日)には加茂市長選と5市(長岡、新発田、柏崎、小千谷、加茂)の市議選が告示された。5市のうち長岡、新発田、柏崎の3市は平成の大合併で誕生した新市である。3市とも人口規模の大きな旧市が周辺の小規模市町村を編入(いわゆる吸収合併)して誕生した新市である。果たして合併後、市議会議員の新陳代謝(新旧交代)が進んでいるのか、立候補時点で検証してみることにした。

 まずは長岡市議選についてである。長岡市は3段階の合併を経て誕生した新市である。人口は約28万人の県内第2の人口規模を持つ。今回の市議選は最初の合併(10年経過)から数えて3回目、最後の合併(5年経過)から数えて2回目にあたる。今回の市議選の立候補者数は40人(定数は34人)。当選回数が3回以上の立候補者17人と当選回数2回以下の立候補者から合併前の旧市町村議員の経歴(注:地元紙の報道記事を参考にした。以下同じ。)を持つ者3人を加えると20人になる。この20人を合併前の旧市町村議員出身者とみなすと立候補者に占める旧市町村議員出身市議が占める割合(占有率。以下同じ)は50%。これに対して新人(12人)の占有率は30%である。極端な想定かも知れないが、仮に新人全員が旧市町村議員出身の現職と入れ替わった場合の新旧交代率(ここでは全市議に対する合併後に当選した市議の占める割合と定義する。以下同じ。)50%となる。果たして結果はどうなるか。

 次に新発田市議選についてである。新発田市は2段階の合併を経て誕生した新市である。人口は10万人。今回の市議選は最初の合併(11年経過)から数えて3回目、最後の合併(9年経過)から数えて2回目にあたる。今回の市議選の立候補者数は29人(定数は27人)。当選回数が3回以上の立候補者9人と当選回数2回以下の立候補者から合併前の旧町村議員の経歴を持つ者3人を加えると12人になる。この12人を合併前の旧市町村議員出身者とみなすと立候補者に占める旧市町村議員出身市議の占有率は41.4%。これに対して新人(8人)の占有率は27.6%である。新人全員が旧市町村議員出身の現職と入れ替わった場合の新旧交代率は58.6%となる。果たして結果はどうなるか。

 最後に柏崎市について検証する。柏崎市は平成17年5月1日に周辺の高柳町と西山町を編入して誕生した新市である。人口は9万人。今回の市議選は合併(9年経過)から数えて3回目、今回の市議選の立候補者数は32人(定数は26人)。当選回数が3回以上の立候補者11人と当選回数2回以下の立候補者から合併前の旧町村議員の経歴を持つ者2人を加えると13人になる。この13人を合併前の旧市町村議員出身者とみなすと立候補者に占める旧市町村議員出身市議の占有率は40.1%。これに対して新人(10人)の占有率は31.3%である。10人の新人全員が旧市町村議員出身の現職と入れ替わった場合の新旧交代率は76.9%となる。果たして結果はどうなるか。

 阿賀野市議会についても前回市議選(平成24年10月実施、合併後3回目の選挙)の立候補時点での同様な検証を行ってみる。当時の市議選の立候補者は22人(定数は20人)。当選回数が3回以上の立候補者11人と当選回数2回以下の立候補者から合併前の旧町村議員の経歴を持つ者2人を加えると13人になる。この13人を合併前の旧市町村議員出身者とみなすと立候補者に占める旧市町村議員出身市議の占有率は59%。これに対して新人(同年4月の補欠選挙当選者2人を加えて6人とする。)の占有率は27.3%である。6人の新人全員が旧市町村議員出身の現職と入れ替わっていれば、新旧交代率が75%となるはずであったが、結果は新人2人が落選し新旧交代率が35%にとどまっている。

 阿賀野市と今回市議選が行われる3市の市議選を立候補時点で比較した場合、新人立候補者の割合が低い点があげられる。加えて合併後2回目の市議選が定数4人減(26人⇒22人)にもかかわらず無投票当選。旧町村議員出身市議6人が引退し代わって旧町村議員出身者2人が当選した特殊事情により新旧交代率が低いままになっている。「たられば」の話になるが、平成24年10月に行われた前回市議選で新人全員が当選していれば新旧交代率が75%となり、おそらくは平成の大合併で誕生した新市のトップクラスの新旧交代となったはずである。阿賀野市では新人候補が出にくい政治風土があるのだろうか。
(あとがき)
 平成の大合併で誕生した17の新市について、編入合併(吸収合併)によるものが6市、新設合併(対等合併)によるものが11市ある。合併の形態や合併後の議員定数削減などの状況も踏まえて、17市の議会議員の新旧交代を調査している。調査結果についてはこのブログ(市政かわら版)でお知らせしたい。(代表 天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者