市政かわら版(第3号)その2~これでいいのか新病院(あがの市民病院) 医療水準は軽く(低く)、負担は重たく(高く)
今年10月に新病院(あがの市民病院)が開院するが、残念ながら多くの市民が一番に望んでいる救急医療(二次救急)が可能となる医師を確保できていない。負担は増える(事業費=借金が当初の約 75億円から約 100億円に増嵩)一方で、医療水準が低いまま(救急医療ができない)では、到底、市民の理解は得られないだろう。
○市が抱える2つの財政負担
市が抱える財政負担は2つある。1つは病院事業収支が赤字になった場合の赤字補てんである。これは厚生連との民営化協定の中で約束した事項であるが、私が市長の時には、厚生連との民営化協議のなかで現病院での経営赤字は発生しないことを確認している。事実、赤字補てんは一度もなかった。
ところが田中市政になってから病院事業収支の赤字が発生した。平成25年度が9千700万円、26年度は2億167万円もの赤字が発生する見込みである。この赤字は一般会計予算で補てんされる。一般会計予算は市民への多様な行政サービスの提供に使われる予算であるが、その一部が非生産的な病院収支の赤字補てんとして使われる。2億円もの予算があれば市民サービスの更なる充実・向上のために様々な事業ができる。残念な話である。
もう1つは、建設費や機械設備費の負担である。これらの費用は起債(借金)で調達することから、実際は毎年度の借金返済額が市の財政負担となる。据置期間中は金利(利息)負担だけで済むが、元金返済が始まると毎年度の返済額が増えてくる。厚生連からは建物や機械設備などの減価償却資産については、減価償却費の半分を施設使用料(賃借料)として負担してもらう約束になっているが、この施設使用料は病院収支の中では経費として計上される。その結果、病院収支が赤字になってもその赤字は市が補てんする約束になっているので、最終的には全て市の負担となる。※次号に続く。
(代表 天野 市栄)