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評論「政治とカネ」(第7回)

2018年11月11日ニュース

第2章 公益よりも私益を優先する政治
~みんなの幸せよりも自分の幸せが第一!

 それでは、レジュメの二つ目の科目「公益よりも私益を優先する政治」について、お話したと思います。副題に「みんなの幸せよりも自分の幸せが第一!」とあります。
 ここで、日本国憲法について少し触れます。安倍政権が憲法改正に意欲的に取り組んでいる様子が、時折、マスコミにも取り上げられていますが、国民の関心度は低いようです。皆さんもご存知のとおり憲法は国最高法規です。憲法の規定に反する法律や命令、国が行う行為は一切効力を有しないと定められています(第98条第1項)。憲法の有する「最高法規性」です。この「最高法規性」を担保するため、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限(法令審査権)が裁判所に与えられています(第81条)。

 また、憲法は「公務員の本質」について、第15条第2項に「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定しています。この規定の意味について説明します。「すべての公務員」とありますが、公務員には二種類あることをご存知でしょうか?採用試験に合格して国家公務員とか地方公務員に就く「一般職の公務員」と選挙に当選して就任する国会議員や自治体の首長・議員などの公職に就く「特別職の公務員」です。ちなみに私の場合、一般職の公務員(県職員)を約26年間、特別職の公務員(市長)を4年間やっていました。注意して欲しいのは、憲法15条でいう「すべて公務員」は一般職の公務員だけでなく特別職の公務員も含まれているという点です。それでは「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とはどういう意味でしょうか?公務員はすべて国民全体の利益のために奉仕すべきであって、国民のなかの一部の者(一党派や一部の社会勢力など)の利益のために奉仕してはならないということです。行政は法令に基づき公平・公正に行われています。「法」は法律のことで立法府である国会で制定されますし、「令」は命令のことで、政令・省令など法律を実施するため、または法律の委任に基づいて、国の行政機関が制定するものです。

 ここで「公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられたと思っている」と言った前川喜平氏の言葉についてもう一度振り返ってみます。本来、法令によって規制されたなかで行われる行政は、本来、国民全体の利益に資するために、常に公平・公正な取り扱いが求められていますが、なかには一部の国民の利益確保のために、行政の執行が不公正・不公平に行われることがあります。公務員による汚職です。「汚職」は公務員が職権や職務上の地位を利用して、個人的利益を図る(便宜供与)などの不正な行為を行うことですが、便宜供与の見返りに金品を授受すれば贈収賄(犯罪)になります。汚職は役人(一般職の公務員)だけでなく、公職に就いている政治家(特別職の公務員)が手を染めることもあります。首長などの公職先に挙げた「ゼネコン汚職事件」は地。地方自治体のトップが犯した汚職事件でした。

 しかし新聞などマスコミ報道される「公務員の汚職」と言えば、数で勝る一般職の公務員(役人)が多いようです。前川氏のいう「公平、公正な行政の在り方」をゆがめたのは、自身もそうであったように一般職の公務員(役人)ではなく、特別職の公務員(政治家)のことを指しています。特に、行政機関の長(政治家)、国であれば国務大臣ですし地方であれば都道府県知事や市区町村長ですが、これらの政治家は強大な許認可権を行使し、膨大な予算を配分する権限を持っています。また、行政機関の長(政治家)は、職員を指揮監督する権限も持っています。この権限を担保しているのが長の持つ人事権です。国の行政機関の場合、幹部職員の人事権ついては、2014年から内閣人事局(官邸)が掌握しています。国家公務員であれ地方公務員であれ、役人の最大の関心事は人事です。今よりも高い役職に就けば給与が上がっていきますし、退職時の給料水準を基に計算される退職金だって増えます。特に、トップ(首長)にレクチャーする立場にある幹部職員にとっては、退職後の天下り先を確保するためにも、トップの意向を「忖度」し、意向に沿って職務を遂行する能力が試されます。法令の運用・解釈に精通している役人は、トップの意向が法令に違反していると判断した場合、違反状態を解消しようと、公文書(行政の意思決定・記録文書)の改ざんが行われます。森友学園はまさにそうでした。加計学園問題ついて前川氏が言及したように、事実を捻じ曲げ「あったものをなかったことにはできない」ようです。この問題については、愛媛県が作成した公文書に「あったこと」の記録が残っていました。

 ここで、もう一枚のレジュメ「市長エッセー」をご覧ください。「全体の奉仕者」というタイトルのエッセーです。この「全体の奉仕者」は平成20年12月の市広報に掲載されたエッセーです。そこでも触れていますが、憲法第15条に書いてあるように、「すべて公務員」は、自身が一般職の公務員(役人)であれ、特別職の公務員(首長イコール政治家)であれ、「全体の奉仕者」であることを自覚して、全体の利益に資するよう職務の遂行にあたることが求められていますが、残念ながら、「一部の奉仕者」として一部の人たちの利益確保(便宜供与)に奔走する不心得者が後を絶ちません。見返りに賄賂(金品)を貰えば収賄罪(犯罪)になります。
(作:橘 左京)

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posted by 地域政党 日本新生 管理者