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小説「強欲な町」(第7回)

2018年3月17日ニュース


[マモン コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』より]

「石渡さま、いつも有難うございます。『グローバル・アドバンス』については、私から、詳しく説明させていただきます」
「よろしくお願いします」
 佐久間は、向かい合わせに座った石渡に「グローバル・アドバンス」のパンフレットを示しながら、説明を始めた。
「石橋さまからお払い込みいただいている保険料のうち、保険契約の締結・維持などに必要な費用を差し引いた金額が特別勘定に繰り入れられて運用されています。石橋さまが指定された資産運用のタイプが『安定成長バランス型』です」
「『安定成長バランス型』といいますと?」
「はい、この『安定成長バランス型』は、主として国内外の株式および債券を主要対象とする投資信託に投資し、中長期的に安定した投資成果を得ることを目標として運用を行っています。『安定成長バランス型』に組み入れられている資産は、日本株式と外国株式がそれぞれ20%づずつ、日本債券と外国債券がそれぞれ30%ずつの配分比率になっています」
「バランス型というのは、国内外の株式と債券がバランスよく資産配分されているという意味ですね」
「はい、そのとおりです」
「そうなると、リーマン・ショック後の株式市場と債券市場、それに為替市場の動きが気になりますね」
「今ほど石橋さまがおしゃった3つの市場が今後、どのような値動きになるのかは、残念ながら予測不可能です。しかし、過去は事実として記録されていますので、振り返ることはできます。こちらの資料をご覧ください。『グローバル・アドバンス』の資産運用パターンは10種類ありますが、それぞれについて、20年間の運用成果を振り返りますと、『安定成長バランス型』の順位は4位から6位の範囲で推移しています」
 佐久間は、「資産別リターン・歴代ランキング」のページを開いて石渡に示した。
「なるほど、中位安定ってところですね。ところで、『日本株式型』は上下に大きく動いていますが…」
「そのとおりです。バブル崩壊前は1位でしたが、崩壊後は坂道を転げ落ちるように順位を下げ8位になりました。その後、3位に上がったかと思えば、翌年には8位に下がってと、上下に大きく振れています」
「しかし、定期預金の金利が4.5%と高かった時期もあったんですね。それが、今では0.1%ですか。100万円を1年間、銀行に預けても、1000円の利息しか付かないということですよね」
「そうですね。『安定成長』と『定期預金』について、20年間の運用成績を比べると、運用期間のほとんどで『安定成長』が定期預金を上回る実績を挙げています。石橋さま、こちらの資料もご覧ください。日本株式を25%、外国株式を35%、日本と外国の債券をそれぞれ20%組み入れた『積極運用バランス型』に対して、過去30年間、毎月2万円の積立投資した場合のシミュレーションです。累計で720万円の積立金額が1765万円に増えています。その差額は1045万円にもなります!」
「すごいな!倍以上に増えている!」
「このグラフを見てお気づきのことと思いますが、短期的には値上がり、値下がりを繰り返しながらも、長期的にはおおむね上昇していることが分かります。世界経済は右肩上がりで成長し続けています。リーマン・ショックの影響で世界経済は一時的に停滞するかもしれませんが、長期的視点に立ってみれば上昇傾向にあります。投資は、短期の値動きに一喜一憂しながら行うものではありません。投資成果は長期的な運用で得られるものです」
「佐久間さん、ありがとうございます。慌てずじっくりと時間をかけて資産を増やすことにします」
 石渡は納得した顔つきで、甘木の事務所を後にした。
(作:橘 左京)

posted by 地域政党 日本新生 管理者