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小説「廃屋の町」(第94回)

2017年10月30日ニュース

「我々、改進党の支持母体は労働組合の全国組織『連帯』です。もちろん連帯の県組織もあります。田沼市にも支部があり官民の労働組合で組織されています。単刀直入に言えば、改進党が甘木さんを推薦または支持をすれば、これら労働組合の組織票を甘木さんに差し上げることができます。参考までに、現職の井上市長は民自党の推薦を受けたそうです。そして、甘木さんがめでたく市長に当選したら、秋の市議選に出馬する改進党系の市議を応援していただきたいと考えています」加藤が言った。
「我々、改進党系の市議は現在八人で『新生会』という会派を作っています。秋の市議選では、現職のほか新人3人を擁立して現有議席を8から11に増やしたいと考えています。改進党の推薦や支持を受けた甘木さんが市長に当選すれば、我々、改進党の市議は市長与党として、共立党の市議2人と連携して甘木市政を支えていきたいと考えています」
 明間が言った。田沼市議会は、民自党系会派の「田沼クラブ」が17人、改進党系会派の「新生会」が8人、共立党が2人、それに無所属3人の合計30人で構成されている。
「甘木、いい話じゃないか。草の根で集めた個人票だけでなく、労働組合などの組織票も、ウチの陣営に取り込めれば、こっちの勝算も上がってくるだろう。ところで市役所の職員組合の票も、こちらにもらえるんですか?」風間が明け透けに言った。
「もちろんです。公務員労組の組織票も入っていますから」明間が言った。
 甘木はしばらく考えた後、
「改進党さんから、推薦なり支持を頂きたいと思いますので、よろしくお願いします」と言って深々と頭を下げた。
「分かりました。より強い連携・協力関係を示す『推薦』候補として、県連に上申したいと思います」
 加藤が言った。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」と言って甘木は加藤に礼を言った。
「選挙協力の件については、ここで終わりにします。次に、政策面での調整をしたいと思います」
 明間が言った。
「政策面での調整って、どんなことですか?」風間が尋ねた。
「これは、甘木さんが今月上旬の新聞折り込みに入れた市長選向けの政策ですね?」
 明間がアタッシェケースからB四版両面刷りの折り込みチラシを取り出して言った。
「はい、そうです。新聞の折り込みチラシとして市内に配布しました」甘木が答えた。
「甘木さんの『まちづくり八策』に挙げている政策は、我々、改進党の政策と重なる部分が多いんですよ」明間が言った。
「と言いますと?」甘木が尋ねた。
「我々は、甘木さんの『まちづくり八策』が生活者の視点に立った政策だと考えています。改進党の政策綱領も生活者の利益を第一に考えて作ってあります。改進党が甘木さんとの選挙協力を申し出た趣旨は、単にギブ・アンド・テークによって票の取引するのではなく、政策面での連携・協力関係を築いていきたいと考えたからです。政策面については、明間さんからお願いします」加藤が言った。
「はい、甘木さんの『まちづくり八策』の8番目に、『将来世代(子供たち)に資産として引き継げるように、合併前の旧市町村時代に建てられた公共施設の統廃合を進めます』と書いてありますが、これについて確認させてください」明間が言った。
「はい、どんな点でしょうか?」甘木が尋ねた。
(作:橘 左京)

posted by 地域政党 日本新生 管理者