2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ブログ

小説「廃屋の町」(第70回)

2017年9月12日ニュース

 井上陣営も一月中旬に選挙事務所を開設した。場所は山田組の社有地だ。山田組が建設資材置き場、建設重機の置き場として使っている10ヘクタールの広大な場所にプレハブの選挙事務所が建設された。このプレハブの施工を請け負ったのが山田組だ。この場所に山田良治県議会議員の選挙事務所も建てられた。プレハブ造りの建物は建設会社のお家芸だ。
 井上陣営の事務所開きは山田良治県議会議員の事務所開きと合同で1月下旬に行われた。事務所開きには地元選出の国会議員、県議会議員、市議会与党議員、建設業協会、商工会議所、農協などの地元経済団体の代表者、地元建設会社の社長など総勢200人ほどが集まった。事務所の壁には国会議員、県議会議員から交付された為書きや経済団体の推薦状がびっしりと張られていた。来賓、立候補予定者の順で挨拶が終わった後、選挙対策本部長を務める市議会議長の遠山信一が壇上に立った。
「井上市長から要請を受けて、この度の市長選挙の選対本部長を務めさせていただくことになりました市議会議長の遠山です。市長選挙が終わった半年後の10月には我々、市議会議員の選挙が控えています。今日ここに集まった我々、与党議員も自分の選挙のつもりで井上市長の4期目の当選を目指して頑張るつもりです。相手候補は政治経験もなければ行政経験も全くない素人です。しかし油断は禁物です。人生は上り坂もあれば下り坂もあります。政治の世界ではもう一つの坂があります。『まさか』です。盤石に見える組織も、いつ何時、坂を転げ落ちるかもしれません。気を引き締めて井上市長の勝利に向けて頑張りましょう!」
 翌日の長野日刊新聞に、甘木陣営と井上陣営の事務所開きの記事が掲載された。記事には次の見出しが掲載された。
 4月実施の田沼市長選挙 現職と新人による一騎打ちか 
 井上陣営は組織選挙 甘木陣営は草の根選挙
 市長選の争点は文化会館と総合体育館建設の是非か
 井上将司氏は推進 甘木雄一氏は見直し
(作:橘 左京)

posted by 地域政党 日本新生 管理者