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小説「廃屋の町」(第63回)

2017年8月29日ニュース

 1月上旬、風間健一が経営する「割烹寿屋」で、田沼市建設業協会の賀詞交換会が開かれた。
「明けまして、おめでとうございます。ただ今から、田沼市建設業協会の賀詞交換会を開催します。本日の司会進行を務めさせていただきます、私、事務局長の栗山守男でございます。よろしくお願いします。最初に主催者を代表して、山田会長からご挨拶を申し上げます。会長よろしくお願いします」
「明けまして、おめでとうございます。会長の山田信夫でございます。今年の冬は例年なく大雪になっております。特に年末年始はドカ雪となって、会員の皆さんからは、正月休みも返上して、道路の通行確保にお難儀いただき感謝を申し上げます。さて、既に皆さんもご存知のとおり、4月には統一地方選挙が行われます。前半は県議会議員選挙が、後半は市長選挙が行われます。前回、無投票だった県議選は、今回は選挙になりそうだという情報が入っております。また市長選挙の方は、今のところ現職と新人の一騎打ちという形になっていますが、もう一人出て三つ巴になるという話も出ています。いずれにせよ、私ども、建設業協会は、県議選においては山田県議を、市長選では井上市長を推薦することで、昨年暮れの役員会で確認したところであります。選挙まであと3か月となりましたが、これから選挙準備が本格化するなかで、会員の皆さまにはお難儀をお掛けしますが、よろしくお願いします」
 パチ、パチ、パチ。
「続きまして、県議会議員の山田良治先生からご挨拶を頂戴します」
「明けまして、おめでとうございます。県議の山田でございます。今ほど、会長から、年末年始のドカ雪の話が出てきましたが、今年みたいに大雪の年は、これから春先にかけて雪崩も多くなります。山間部に通じている道路が雪崩で埋まってしまうと、その先にある集落は孤立してしまいます。こういった災害が発生した時に頼りになるのが、建設産業に携わっている皆さんです。自然災害には、地震や雪崩のように、いつ、どこで起きるか予測できないものもありますが、風水害のようにある程度予測できるものもあります。予測される自然災害に対しては、日頃の備えが大事なわけです。私のライフワークにしている県事業の田沼川の河川改修事業も工事が始まって15年が経過しましたが、皆さんのおかげで工事は順調に進んでいます。この田沼川の改修工事は、総事業費が約400億円、改修区間が約20キロの大事業であります。現在の川幅を3倍に広げることで、百年に一度の大水害にも耐えられる堤防を備えた河川に生まれ変わるわけであります。あと5年で残りの5キロ区間が完了となります。引き続き、皆さんのご協力をよろしくお願いします。なお左岸側に広がる農地を河川用地として提供いただいたわけですが、田沼市土地改良区の松本理事長さんには、用地買収の件で大変お難儀をお掛けしたことを、この場を借りてお礼申し上げます。もう一つ、私のライフワークにしている県事業があります。田んぼの区画を広げて、意欲のある担い手農家に田んぼを集約する圃場整備事業です。この事業は2反歩(20アール)区画の小区画の田んぼを4反歩(40アール)区画に広げようというものです。県事業の採択申請には関係する農家全員の同意が必要ですが、その全員の同意が得られず困っていました。そこで松本理事長と一緒になって、農家負担軽減のために、市から財政支援をしていただけないかと、井上市長にお願いしたところ、二つ返事で農家負担を軽減するための財政支援をいただくことになりました。おかげで、年末ぎりぎりで県事業の採択申請書を提出することができました。この事業の調査費が県の新年度予算に計上される予定であります。工事の着工は来年ごろからになりますが、皆さんからお願いしたいと思います。さて、春に行われる統一地方選挙ですが、私は民自党公認候補として、井上市長は民自党の推薦候補として、それぞれ立候補することになりますが、お互いに選挙に勝って、田沼市の安全・安心なインフラ整備を担う皆さまが元気になってもらえるよう、公共事業予算の確保に頑張ってまいりたいと考えております」
 パチ、パチ、パチ
(作:橘 左京) 

posted by 地域政党 日本新生 管理者