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「いちえいの市議会短信」Vol.2

2021年2月15日ニュース

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〇「新しい酒は新しい革袋に盛れ」(『新約聖書』、『マタイによる福音書』9章17節より)
 ~その2

 昨年10月の選挙で、議員の新旧交代が大幅に進んだことにより、市民の間で「『あがの』は一つ」という意識が広がり定着することを願っています。

 ところで、阿賀野市のような地方都市では「人口減少と少子高齢化」が急速に進んでいます。ここで、合併前の旧4か町村(2000年=平成12年 )と合併後の阿賀野市(2020年=令和2年)の推計人口について、総人口と年令区分(年少、生産年齢、老年)による人口を比較してみると、「人口減少と少子高齢化」の実態がより鮮明に浮かび上がります。
●総人口
 2000年(平成12年)  48,456人
 2020年(令和2年)   41,706人(▲13.9%)
●年齢区分による人口 年少人口(~14才)  生産年齢人口(15~64才)老年人口(65才~)
 2000年(平成12年)  7,589人         29,981人           10,886人
 2020年(令和2年)   4,529人(▲40.3%) 23,300人(▲22.2%)   13,877人(+27.5%)
 ※出典:阿賀野市まち・ひと・しごと創生総合戦略

 これからは、「少子・高齢化」に合わせたコンパクトなまちづくりが求められています。昨年4月の市長選や10月の市議選の際に、私が提唱した「コンパクトシティー」によるまちづくりこそが、まさに「少子・高齢化」を克服できる最善の方策であると確信しています。
 「阿賀野市」という一つの新しいまちが誕生して間もなく17年を迎えますが、合併前の旧4か町村の枠組み(意識)が根強く残っているようです。合併して選挙区が1つになったのに、高齢者を中心に潜在意識として旧4か町村単位の選挙区が残っているように思えます。選挙の時期になると、特にそのことを強く感じます。有権者の数も多ければ投票率も高い高齢者の潜在意識が顕在化して、それが投票行動に転化され選挙結果を左右します。(シルバー民主主義)
 
 「まちづくり」は公共サービスの提供であり、有り様はソフトとハードの2つに大別できます。ソフト事業(対策)は「公平・平等」の原則で行われるべきものです。一方、ハード事業(対策)の方は、「公平・平等」ではなく「必要性・有益性」の観点で行われるべきです。ハード事業の代表格たる公共投資は、実施する地域の人口動向や人口構成など、その地域の将来像(長期展望)を見据えたなかで行われるべきです。しかし、阿賀野市における公共投資の実態をつぶさに観察すると、旧4か町村の枠組みに縛られた、必要性や有益性の低い公共投資が続いているように思えます。持続可能な開発目標(SDGS)を設定し、限られた財源を有効に活用した効率的な投資が必要だと考えます。

 日本の総人口は2008年頃から減少局面に入っています。なかでも人口減少が顕著な地方圏においては、これまで人口の増加や維持を根拠にした社会基盤の整備(公共投資)が成り立たなくなりました。そこで、地方圏における公共投資を継続するために考え出されたのが「防災・減災」を目的とした公共投資です。その根拠になっているのが「国土強靭化計画地域計画」です。地方圏における公共事業予算を確保するための方策で、自民党政権が考え出した「国土強靭化計画」の地方版です。
 果たして「国土強靭化計画地域計画」が地方圏における人口減少問題を解決するための最適解なのでしょうか?公共投資には巨額の費用(税金=借金)が発生します。費用に見合う便益が期待できるのでしょうか?公共投資によって、果たして都市部に集中する生産年齢人口(15~64才)が地方圏に移動(回帰)し、地方圏における生産活動が活発になり、地方経済が活性化(再生)するのでしょうか?

 「費用と便益」を考えた場合、ハード対策よりもソフト対策の方が優位性が高いと考えています。例えば、土砂災害の危険性が高い地域に住んでいる人たちがいるとします。その人たちの生命や生活を守るために、災害が発生しないための巨額の公共投資を行う(ハード対策)方が良いのか、むしろ危険な場所に住んでいる人たち(特に高齢者や障がい者などの災害弱者)の住居(住まい)を安全な場所に移転させる方(ソフト対策)が良いのかを考えた場合、後者の方が「費用に見合う便益」を提供できると考えています。
 東日本大震災が発災して間もなく10年を迎えますが、このような考え方で復興が進んでいる地域があります。特に福島第1原発事故によって放射能汚染が深刻な地域に住んでいた住民の方は、故郷に戻ることができないため、安全な地域に移住して、新たな生活を始めた人も沢山います。(天野 市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者