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選挙と民主主義(第9編)~「第3極」という名の既成政党

2012年12月14日ニュース

 今回からは、今月16日に投開票される衆議院議員総選挙に焦点をあててお話します。
 今回の衆議院選では、12の政党が議席を争う混戦模様になっていますが、日本維新の会や日本未来の党といった第3極の動向に有権者の関心が集まっています。投票結果だけでなく選挙後の政界再編にも影響を及ぼすのではと世間の耳目を集めています。

 さて、この「第3極」という言葉。メディアが政治報道や選挙報道の中で多用していますが、その定義付けが曖昧です。私はこの「第3極」という言葉には2つの意味合いが含まれていると考えています。一つは、選挙で獲得する議席数です。保守系2大政党の民主党や自民党に続く保守系第3勢力になれる数の議席を獲得するという意味です。維新の会代表の石原慎太郎氏が演説の中で「選挙で第2極を目指す」という趣旨のことを述べたことからも分かるように、キャスティングボートになれる数の議席を目指すという意味です。もう一つは、政策面で民主党や自民党などの既成政党とは一線を画すという意味です。今回の選挙では、消費増税、原発、TPP、社会保障改革などの政策が争点になるとみられていますが、これらの争点に対し「第3極」が打ち出した政策に新鮮味、独自性は感じられません。

 一方、この「第3極」という言葉には、あの55年体制の崩壊をもたらした「新党ブーム」の再来かと思わせるような響きがありますが、構成議員をみれば、みな既成政党出身の現職議員(注:このブログが出された時点では前職)です。第3極が政党要件(5人以上の現職国会議員)を満たすために既成政党の現職議員を集めたからです。また、第3極に移籍した現職議員の側にも切実な事情があります。それは、(どこの政党とは申しませんが)この政党にいると次の選挙が戦えないという差し迫った危機感です。第3極に逃げられた政党からは「選挙互助会」と揶揄されています。なかには、既成政党から集団離党した議員に軒下を貸したところ母屋まで乗っ取られたケースまであります。国会議員のたくましい生存本能には脱帽します。

(代表 天野市栄)

posted by 地域政党 日本新生 管理者